韓米FTA、韓米の労働者・農民・消費者を殺す

GMO全面開放で親環境給食も危険

米国の労働者と農民は韓米FTAをどう見ているのか。韓国政府も米政府も、韓米 FTAで自国に莫大な経済効果があると宣伝しているが、韓米の労働者・農民は、 そうは見ていない。両国の労働者と農民は、どちらも深刻な生存の危機に追い 詰められると警告した。

ホン・ヒドク、姜基甲(カン・ギカプ)議員室は5月17日午後、国会議員会館の 小会議室で『米国労働者農民が見た韓米FTAの問題と対応計画』討論会を開いた。

この日の討論会で韓米FTAに対する米国労総の立場を発表したジェフ・ヴォークト 米国労総国際局長は、「韓米FTAで米国政府は雇用創出と既存雇用を支援するとい うが、とても疑問だ。現在、米国内の雇用でも維持されるのか、経済成長に必要な 良い仕事が維持されるのか疑問」と指摘した。

また「韓米FTAは、企業が国家を相手取って提訴する権利があり、憂慮を提起し てきた。これは、企業だけに特典を与え、政府にばく大な譲歩を要求する」と し「公共部門の雇用が民間にアウトソーシングされ、ほとんどが非労組雇用に 転換している。公共サービスの品質にも大きな影響がある。韓米FTAで公共部門 の民営化は絶対にないようにしなければならない」と強調した。

彼は「米国も韓国も、すべての労働者に韓米FTAの恩恵はない。韓米FTAはさま ざまな労働権を保障できないからだ」とし「韓米FTA効果は少数のエリートだけ に現れる」と警告した。

ジョン・キンスマン米国家族農連合事務総長は、韓米FTAによる遺伝子操作食品 や牛肉問題を指摘した。ジョン・キンスマン事務総長は「米国の企業は死んだ 動物で収益をあげるために、あちこちで死んだ動物を集めている。われわれの 農場に死んだ家畜を買うという企業の名刺もたくさん受け取った。この過程で BSE検査はできない」と警告した。また「韓米FTAが発効すればGMO種子の危険に 露出される」とし「科学者たちはGMO種子で育てた植物を食べる家畜は、何度も 流産し、土壌汚染とこの物質の蓄積で家畜の生殖機能に問題を起こし、人間に どんな影響があるのかわからない」と警告した。

ウ・ソッキュン韓米FTA反対汎国民運動本部政策委員は「韓米FTAは遺伝子操作 食品の全面開放の条項があり、米国での農薬検査基準を緩和する内容がある」 とし「協定が発効すれば韓国での親環境無償給食運動はそもそも不可能になる」 と指摘した。

イ・ソンス民主労総企画室長は「韓米FTAが通過すれば、解雇と雇用の悪化は さらに深刻になる」とし「超国籍企業の権利と利益を最優先に保障し、韓米 両国とも中小零細製造業者に大きな衝撃を加え、製造業の基盤を崩壊させ、 製造業の二極化を深める」と警告した。

一方、民主労総は、6月末に韓米FTA批准同意案が国会常任委に上程されれば、 指導部が国会前で無期限座り込みに突入し、拡大幹部ストライキを組織する 方針だ。これにより、韓-EU FTAの処理を黙認した民主党が韓米FTA批准同意案を 院内で物理的に防ぐよう圧力を加える構想だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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