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清掃労働者、もう、われわれはその日暮らしではない

[非正規職連続寄稿](3)元請直取引で間接雇用廃止を

李在鎔(イ・ジェヨン)(公共運輸労組) 2011.10.13 11:54

最小費用最大利益創出の法則に踏みにじられる間接雇用労働者

私たちが大学でしばしば見る清掃労働者たちを『請負労働者』という。請負は、 大学が用役会社と何かの仕事を特定の期間に完成させる契約をすることだが、 用役会社は学校から受けた雇用費から、請負労働者に賃金を払う。だが大学は 賃金だけでなく、労働条件全般を用役契約書で決めるため、形式的に用役会社 が請負労働者を雇用しても学校が実際の使用者になる。

主流経済学では、最小費用で最大利益を得ることが経済学の目的だと言う。 この原則を思い出せば、なぜ学校が社会的に批判される請負契約で労働者たちを 雇用するのかが簡単に理解できる。大学は普通契約満了の時点に用役会社を呼 び、最小の費用で入札することを強要する。なぜか。人件費節減のためにだ。 そうなれば清掃労働者賃金は常に最低賃金から抜け出せず、彼ら、彼女らは、 必要最低限の人員配置で高強度の労働をするようになる。

最低費用で落札した用役会社は、その金額からさらに絞り出して利潤を上げな ければならないから、清掃労働者を何か月か働かせた後に解雇して、退職金を 恐喝したり、週末や夜間まで働かせ、それへの正当な手当てを支払わないといっ たことををひそかに行う。ひどいときは休み時間と規定された時間も外に出さ ず、働かせる。これこそ現代版奴隷制度ではないだろうか?

間接雇用労働者では否定される労働基本権

[出処:チャムセサン資料写真]

さらにこうした形式的な請負契約は清掃労働者が自分たちの権利のために声を 上げることも防いでいる。清掃労働者が賃上げと労働条件の改善のために労働 組合を結成すれば、学校は用役解約で労働組合活動を瓦解させようとする。あ る者は、こんな気がするかもしれない。労働組合を作らず一生懸命働き、解雇 されもせず適当な賃金で楽に生活できないのかと。

しかし、労働組合がない所では日常的にこんな事が起きていると考えてほしい。 所長などの現場管理者が高齢の女性労働者に家で仕事がなく、暇つぶしに清掃 しに来た『おばさん』だという悪口とセクハラは基本で、食事まで作らせ、奴 隷を率いた王のように君臨するのだ。そして口答えをすればお前らはその日暮 らしだから、言われたとおり働かなければ解雇すると脅迫し、親戚の墓の草む しりをさせ、最低賃金にもならない賃金を払うのである。

今日も建物の地下のかび臭い休憩空間で冷や飯を食べながら、奴隷のように働 く清掃労働者たちは数十万になるという。汝矣島の大きな道路の両側に立ち並 ぶビルを通れば、そこにどれだけ多くの清掃施設管理労働者が現場管理者の抑 圧に苦しんでいるかと考える。それで労働基本権を保障させ、弾圧される清掃 労働者の労働人権を守るべきなのに、間接雇用の現実がそれも防いでいるのだ。

本当の社長が問題を解決しろ(直取引しよう)というこだまが広場に鳴り響け

この問題を根本的に解決するには、実質的な使用者である学校に責任を取らせ なければならない。本当の使用者である学校が直接労働組合と交渉を通して、 請負労働者の賃金と労働条件を保障するべきだ。これ以上請負契約という法的 死角地帯を利用して、清掃労働者を奴隷のように働かせないように制度改善も 実現しなければならない。それではどうすれば、そうした姿を作り出せるだろ うか。正解はない。完璧な正解がないから、一歩ずつ道を作らなければならず、 それだけ辛く苦しい。

ただし、労働者の力で、労働組合に団結し、実質使用者の学校と対する条件を 作ることが正解への道だと思う。公共労組ソウル京畿支部は毎年繰り返される 解雇闘争で、用役業者が変わっても雇用継承を約束する文書を学校から受け取 る闘争をし、ストライキ期間中に学校が人件費を上げ、労働条件を改善する用 役契約を作らせた。そして、そうした成果により、2011年には49日間の弘益大 闘争で、間接雇用労働者の問題を喚起させた。また今年の上半期(梨花女子大、 延世大、高麗大、高麗大病院)と下半期(同徳女子大、徳星女子大)集団交渉闘争 で、統一団体協約・統一賃金協約を勝ち取り、ソウル地域の清掃労働者たちの 全体的な労働条件改善の目的に一歩を近づいた。

このように、一歩一歩、本当の社長と対面して、本当の社長を相手に交渉して、 本当の社長が私たちの問題に責任を持たせる道を歩いている。2012年上半期も 49日闘争を勝ち取った弘益大をはじめ、延世大、梨花女子大、高麗大、慶煕大 などの大学分会が、上半期の集団交渉闘争を約束した。今年の上半期集団交渉 闘争の過程で、延世大のある組合員は、下請業者は名ばかり社長だから交渉に 関して(元請と)「直取引しよう!」と叫んだことがある。いしか清掃労働者たち の間では、『直取引』という言葉が自然に元請使用者責任を意味する言葉とし て通じるようになった。われわれは10月22日に開く非正規労働者大会で「本当 の社長が私たちの問題を解決しろ!」という叫びで集団交渉闘争の序幕を進めよ うと思う。そして私たちの問題だけでなく、全ての間接雇用労働者の声に耳を 傾け、共に連帯する意思を確かめ合う時間を非正規職労働者大会で持ちたい。 その時に広場に鳴り響くこだまを聞きたい。

非正規職労働者大会、間接雇用労働者の連帯の意志を集めよう

今回の非正規職労働者大会で、その声を力強く聞きたい。非正規職労働者大会 は、『感応』があればいい。自分の事業場の自分の問題だけを叫ぶ場でなく、 熱い闘争の熱気の中で『君』のぬくみを『私』が感じ、『私』のぬくみを『君』 が感じる闘争の熱気の中で、2012年の間接雇用労働者の連帯の意思を確かめ合 う場になればいい。行こう! 非正規職労働者大会へ!! 直取引しよう! 2012年 間接雇用労働者たちの闘争で!!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-10-14 12:10:02 / Last modified on 2011-10-14 12:10:11 Copyright: Default

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