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親企業の反撃、『韓国的な社内下請』を主張

親資本学者、「社内下請を正規職化すれば雇用不安」

キム・ヨンウク記者 2011.06.07 21:55

「社内下請の不法議論をなくすことが目的だ」。労使政委傘下の『労働市場 先進化委員会』の公益委員たちが5月27日、『社内下請け勤労者の勤労条件保護 ガイドライン』を発表した後、全国非正規職労組連帯会議が分析したガイドライン の意図だ。

連帯会議のユン・エリム教育宣伝チーム長は5月31日に報道資料で、「政府と 資本はいくら大法院が不法派遣と判決しても、社内下請を使わなければ企業の 競争力が下がるのだから、これを法的に規制していいのかという方向で攻勢的に 対応している」と分析した。

このように分析された財界と親企業与党の意図は、6月7日の午後、国会図書館 大会議室で開かれた『産業競争力と社内下請活用討論会』で親企業指向の学者 により具体的に表現された。ハンナラ党のシン・ヨンス議員が主催したこの日 の討論会は、韓国労総のイ・ジョンシク事務局長を除いて昨年、大法院が不法 派遣と判決した『現代車社内下請判決』について雇用と経済的費用に強い憂慮 を示した。こうした憂慮から、討論者は『韓国的な社内下請』の風土作りなど 社内下請に対する認識の転換を強調した。

『社内下請勤労者を直接雇用する経済的費用と産業に与える影響』という提案 発表をした韓国経済研究院のピョン・ヤンギュ研究委員は、昨年大法院の社内 下請判決の基本的な背景と目的、勤労者保護概念といった判決の所期の目的を 達成できるかについて、法学ではなく経済学的な観点から分析し、判決が雇用 に与える影響と経済的費用を推定した。こうしたピョン・ヤンギュ研究委員の 分析について、司会をした成均館大のチョ・ジュンモ教授は「産業競争力という 次元でのデータ実証分析がユニークだ。それ自体が大きな寄与」と提案発表を 評価した。だが韓国労総のイ・ジョンシク事務局長は「普通に正規職化した時の 費用を概略合算すれば出る程度の費用」とし、大きな意味を付与しなかった。

第2非正規職雇用大乱の論理と類似

この日のピョン・ヤンギュ研究委員の主張は、最高裁判決に従って社内下請 労働者をすべて直接雇用すれば5兆4千億ウォン程度の費用がかかり、不法派遣 と判定された2年未満の下請労働者は雇用不安に苦しむと予測した。これは 2009年7月に雇用労働部が非正規職法の適用前に主張した非正規職100万雇用 大乱説と同じ論理だ。2年以上の非正規職を正規職に転換すると、企業は費用の 上昇を恐れて非正規職を大量に解雇するという論理だった。しかし非正規職 雇用大乱は起きず、雇用労働部は逆風を受けた。

ピョン・ヤンギュ研究委員は「(最高裁判決で)もし直接雇用が強制されたり、 正規職と同じ処遇が強制されると何が起きるかを経済学的な観点で比較する」とし 「結局、勤労者の雇用安定と福祉増進は難しい。最高裁の判決が確定すれば 2年以上働くと正規職に転換され、それにふさわしい処遇と待遇を受けるが、 問題は2年未満の社内下請は2年たっても正規職に転換されない可能性が高く、 彼らの雇用に否定的な影響を与える」と主張した。

彼は「韓国の全産業の300人以上事業場の社内下請勤労者を直営勤労者として 直接雇用して直営生産職と同じ処遇をすると、1年約5兆4169億ウォンの費用が 発生する」とし「これは常用職勤労者10人以上の企業の勤労者11万6764人を 1年間追加で雇用できる規模」と経済的な費用を雇用問題に代入した。

ピョン研究委員は「直接雇用や同一処遇を提供すると労働費用増加と労働市場の 硬直性で雇用に影響する」とし「賃金が上がり、労働全般の需要が減少し、社内 下請を使う機会が消える」と社内下請労働者の雇用不安を加重する要因だとした。

彼はまた「社内下請勤労者を正規職として雇用すれば、景気変動による雇用の 調整が難しくなり、労働市場の硬直性が増加する点も雇用に否定的な影響を与 える」とし「法院の判断のように、直接雇用と同一処遇の提供が強制されても 社内下請勤労者の保護は達成できない」と強調した。

ピョン研究委員は続いて「結局、正規職の規制を強めれば、非正規職の規模が 高まり、非正規職規制が強まれば法の規制を避けて多様な形態の役務提供契約 が出てくる。だから多様な形態の雇用と役務提供契約を認めるべきだ」と明ら かにした。彼は続いて財界が主張してきた派遣対象業務の拡大や正規職の雇用 規制緩和などを強調した。

ピョン研究委員は「一部の大企業や正規職はかなりいい雇用保護ができるので、 非正規職の活用形態に行くことになる。正規職規制を緩和すると勤労者保護と 雇用条件改善の可能性がむしろ高まる」と主張した。

「司法府の温情主義と感傷主義で硬直した判決」

討論を行った国民大経営大学のユ・ジス教授も経営学の観点から最高裁判決を 評価した。ユ・ジス教授は「企業の危機対応の核心は労働の柔軟性だ。現在の ように勤労基準法で一回正規職を雇用うと解雇ができないと、致命的だ。企業 は危機を解決する手段がない。危機の克服には柔軟性と下請がとても重要だ」 とし「常識的な面で理解して、最高裁の判事は混在生産の外形だけを見て数人 が混在して働いているので、下請けではないと判決したようだ。判事の現場の 知識がないのでそんな判決をしたのではないかと思う」と明らかにした。

彼は続いて「なぜ司法府がこのような判決をして硬直した法が出てくるのかと 言うと、韓国の温情主義や感傷主義のため」とし「世界のどの国の消費者も、 大韓民国が非正規職を保護して労働者保護で人件費が上がったからと言って、 自動車や製品を買ってくれない。世界は血の涙なく動くのだから温情主義では 経済の破局を突破できない」と最高裁判決をさげすんだ。

「不法化せず合理的な韓国型社内下請を作ろう」

「社内下請けは悪ではない」

釜山大法学科のクォン・ヒョク教授は、「社内下請け論争は単純だ。勤労者側 は完全な請負ではない勤労関係から見る。使用者は請負と見るということ」と し「韓国は請負でなければ勤労としか判断しない。2010年に新らしく問題になっ たこの時点で、社内下請の姿はグレーだ」と主張した。クォン・ヒョク教授は 「この時点で立法論的に現場の社内下請けの姿を典型化することが必要だ」と し「今は韓国型の社内下請を語るべきだ。社内下請を直営化したら私が教える 大学の多くの学生はいつ就職できるか。これ以上、労働法が現職勤労者だけの 法になってはいけない」と述べた。現職の勤労者の雇用が安定すれば、反対に 新規求職者は雇用されないという論理だ。クォン教授は「社内下請けの直営化 は素晴らしい言葉だが、これからの潜在的勤労者の不利益はどのように耐える のか判断しなければならない」とし「既にこうなっているのは社内下請問題を グレーゾーンと見て、グレーなりの規律が必要だ。すでにある社内下請を遡及 して不法化するのではなく、通路を開こう。過去の評価規制を越え、自主的に 合理的な韓国型社内下請の姿を形成することを望む」と明らかにした。

韓国経営者総協会(経済人総連)のイ・ドンウン専務は「多くの社内下請の議論 が『社内下請は悪い』というが、現代の生産工程の多様化で、社内下請は決し て悪くもなく、今後も減らないだろう」と展望した。彼は続いて「社内下請の 最大の誤解の一つは、社内下請を非正規職と呼ぶことも問題」とし「社内下請 の雇用形態をよく見れば、ほとんど正規職だ。労働運動次元で勤労者に相対的 な剥奪感を誘発して闘争に追いやる方便なのかもしれないが、無条件に非正規職 と呼び、相対的な剥奪感を誘導している」と主張した。

イ・ドンウン専務は続いて労使政委社内下請ガイドラインの公益委員案につい ても、今後の法的判断の根拠になると憂慮した。彼は「出退勤バス差別のよう な相対的な剥奪感を誘導することは私たちが反省すべき項目」とし「こうした さまざまな問題を解消するために政府と労使の参加で社内下請ガイドラインを 作ろうとしているが心配だ」と述べた。イ・ドンウン専務は「ガイドラインは 元請社ができるだけ雇用を維持して労使協議への参加など、一般勤労者と同じ 扱いをしろということだが、会社はそれができない事情がある。そんなガイド ラインのとおりにすれば、司法府はその勤労者を元請会社の直接雇用勤労者と 見るほかはない。『あなた方がこんな行動したから』という判決が出ることに なる」とし、「社内下請ガイドラインに実効性を持たせたければ司法府も請負 会社にはガイドラインが不法派遣ではなく正当な請負だと認める反応があれば 実効性が持てる。そうでなければ下請処遇の改善が違う方向に進む恐れがある」 と強調した。

イ・ドンウン専務は企業の非正規職使用による不安定な雇用拡散の批判を認識 しているかのように「企業が下請の勤務形態を使うことについて、費用を下げ ることを考えるのか、雇用柔軟性を考えるのかという話があるが、費用のため だと考えているわけでも、雇用柔軟性のために一部で社内下請を使うわけでも ない。仕事を完成させるために必要なら、生産のために使う。費用と雇用柔軟 性のためではなく、多様な生産方式と現代産業社会の不可避性により使うのだ ということをはっきり認識しなければならない」と強調した。

「最高裁の判決をひっくり返そうとする疑いも」

韓国労総のイ・ジョンシク事務局長は基調発表では「直接雇用費用計算は実証 分析ではなくても、賃金の差だけを計算すれば5兆4千億増えるというのはすぐ 出てくる」とし「全産業で5兆4千億の追加費用が発生するというのは、経済は 不安定だが相当な内需創出も可能だという意味」と反論した。イ・ジョンシク 処長は「ピョン・ヤンギュ委員の方法論は、基本的に最高裁の判決は誤りで、 長期的に他の労働者の役に立たないということを前提にしている」とし「ある いはこんな議論が大法院の判決をひっくり返し、憲法訴訟をしようとする整地 作業ではないかという疑いを感じるが、現代車は最高裁の判決を尊重して責任 のある姿を見せるのが正しいのではないか」と反問した。

イ・ジョンシク処長はまた「野4党と韓国労総、民主労総には、使用者性の概念 を拡大しようという立法請願の内容がある」とし「多様な雇用形態と産業構造 の変化に対応できず、判決が混乱するのであれば、早く使用者性を含み、法を 改正すべきだ。企業の不確実性をなくすためにも、明快に立法化しなければな らない」と強調した。

一方、この日の討論会で祝辞をした国会環境労働委のキム・ソンスン委員長(民 主党)は「資料集を見ると社内下請を直接雇用すると経済的な効果などがある」 と述べ「心に響く。この結果を私がしっかり活用したい。討議される内容が討 議で終わらず、政策に反映されるよう努力する」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-08 07:08:15 / Last modified on 2011-06-08 07:08:16 Copyright: Default

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