韓国:現代車不法派遣正規職化の判決と、私たちすべての課題 | |||||||
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現代車不法派遣正規職化の判決と、私たちすべての課題[寄稿]自分が暮すアパートの清掃・警備労働者から正規職化を
ハ・ブヨン(蔚山革新ネットワーク) 2010.08.31 18:23
不法派遣に制約を加えた判決だが、情勢は侮れない 7月22日に大法院は、現代自動車非正規職労働者による不当解雇救済と不法派遣 正規職化訴訟で、完成車コンベア流れ作業で同じ労働をする非正規職は偽装請 負形式の不法派遣だとし、2005年7月1日以前に入社して2年以上経った者は雇用 擬制により、すでに正規職だという判決を下した。タイムオフ制の実施で労組 抹殺の危機に追いやられた民主労組運動には驚天動地の事件が起きたのだ。 だが大法院の判決で、不法派遣労働者が簡単に正規職化を争奪できるような情 勢ではない。現代自動車は今回の大法院判決をひっくり返し、不法な搾取経営 を続けようと全力をふりしぼっている。蔚山地域の某弁護士は「大げさに騒ぐ」 と不当に搾取される非正規職労働者の希望に冷水を浴びせ、大韓商工会議所は 8月29日の説明会で「社内下請け関連最高裁判決は不当」と「世界的傾向に逆行 しており、企業の現実を否定する判決」とし、翻意しろという立場を表明した。 大韓商工会議所はやはり「大工場正規職労働者たちの高賃金、雇用の硬直性」 で、非正規職による労働の柔軟性を確保すべきだとし、正規職労働者のせいに するためあらゆる努力を傾け、司法府が新しい解釈をするようにという意志を 明らかした。 執権与党のハンナラ党は、昨年から派遣期間を2年から3年に延長し、全業種に 派遣を拡大する方針を定めている。労働部は4月に段階別派遣業種拡大方案を進 めたが、社会的な反発で待機状態だ。労働部の派遣業種拡大は現在の派遣法に 違反しており、製造業の生産工程にまで広がった不法派遣に合法化の道を開き、 企業に免罪符を与える意図は明白だ。 現代車は掌で雨をふせごうとするな もちろん大法院は、ソウル高裁に事件を破棄差し戻したので現代車が新しい証 拠を提出すれば、また弁論を経て裁判をしなければならない。期間がかかるだ ろうが、ソウル高裁は大法院が破棄の理由とした事実上、法律上の判断に拘束 されるため、判決が翻る確率はほとんどゼロに近い。 また、チェ・ビョンスン組合員個人の判決なので、約8000人の全体に集団的に 適用するには労使間の交渉で解決するか、会社が応じなければ集団訴訟は避け られないように見える。しかし現代自動車工場をなくさない限りコンベア作業 場の証拠隠滅も不可能で、決定的な新しい証拠が出てくるはずもなく、今回の チェ・ビョンスン組合員への判決は、全非正規職労働者にも値すると見なけれ ばならない。 そして最も重要な点は、現代自動車不法派遣判定はすでに2005年に労働部でも 不法を認めた事項で、派遣法第5条1項で『製造業直接生産工程』は派遣勤労の 対象から除外しているということだ。 エイリアンではない以上、現代自動車のコンベア作業場に行けば『製造業直接 生産工程』なのは明らかで、正規職と非正規職が混在して同じ車を組み立てて いる姿が見られる。当然、出退勤時間も同じで、同じように延長と特別勤務も して、休暇と休業日も同じだ。車両組み立ての問題でコンベアが止ればね同じ ように作業を中断して、安全教育時間も昼休みも共にして、不良が発生すれば 全工程の正規職労働者が修正して、正規職管理者が問題を解決するが、単に非 正規職という身分の差別で同じ労働でも賃金は半分で、整理解雇は1順位だ。 世の中にはひとつしか太陽がないように、現代自動車非正規職労働者は派遣法 に違反する偽装請負で、社内下請業者に人材を不法に派遣させ、中間搾取を行 う不法経営の産物だ。したがって大法院判決は変わらない。
正規職労働者との社会的連帯で不法経営の中間搾取を正す機会 現代車非正規職労働者たちにとって、不法派遣の罠から抜け出し、正規職化の 道に進む最後の機会かもしれない。大法院の判決と共に、金属労組は全製造業 の不法派遣問題に拡散させ、現代車非正規職支会は労組加入組織化に心血を注 ぎ、特別交渉要求と集団訴訟を準備している。 だが、社内下請業者の社長による労組加入の妨害と脱退誘導は不当労働行為に あたり、組織率は停滞状態に留まっている。元請の現代自動車非正規職特別対 策チームは非正規職労組加入率を7月22日以前に戻せという秘密の指令を出し、 下請け業者の社長に次期再契約の審査から脱落させると脅迫しているという。 結局、全州工場では社内下請業者管理者が非正規職支会代議員頭をビンで殴り つけ、重態に陥るという事件が起きてしまった。現代車は、まだ全く不法経営・ 搾取経営を解決する意思がないことが確認された事件だ。 現代車不法派遣正規職化を解決する最も早い方法は非正規職労働者が正規職支 部に直接加入し、大々的な組織化により正規職支部が協議をする方法だ。大法 院の判決は、非正規職労働者も正規職だという判決であり、同時に正規職組合 員だという評決でもある。 正規職支部は、過去に三回も否決されるという恥ずかしい歴史を今回の機会に 解消し、非正規職との連帯闘争に立ち上がるべきだ。正規職支部が決心すれば、 組合員は既得権ではないことを知り、大法院の判決に従うだろう。 2番目は、進歩政党と市民社会勢力が非正規職と社会的連帯を実践する方法だ。 本来、非正規職問題の本質は『中間搾取』にある。 現代自動車の不法派遣非正規職を正規職化する問題は、どんな形であれ解決す るだろうが、社内下請以外の派遣労働者低賃金差別問題、90%に達する中小零細 企業の多段階下請けによる中間搾取問題の解決なしでは茶碗の中の台風に終わ る公算が大きい。 したがって、進歩政党と市民社会団体は現代車不法派遣闘争にさじをのせる形 ではなく、地方政府の公共工事と用役業者に中間搾取がないのか、『特別監査』 を要求して搾取が見つかれば返済と共に再発防止のための『賃金直払い制』の 実施を要求しなければならない。さらに、非正規職を正規職化して直接雇用に 改善すれば、現代車不法派遣が少数の労働者の利己主義問題ではないというこ とを社会的に広めることができ、実質的な役に立つ。 今回の大法院判決を現実にするために最大の役割を果たすのは、やはり国民の 世論だ。大法院判決に従えば、政府と企業が判決を逆転することはできず、不 法経営を正す労働者の声が説得力を失えば、永遠に機会は消えるだろう。した がって、勝負のカギは世論戦だ。 私が暮すアパートの清掃と警備労働者は非正規職ではないかを調べ、正規職化 を進め、非正規職問題が他人事ではなく自分の問題であり、私の子供と子孫の 未来を明らかにする問題として受け止めなければならない。そうした時、この 社会で非正規職という身分差別制度と中間搾取が消える日がはやく近付いてく るだろう。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-09-01 13:03:17 / Last modified on 2010-09-01 13:03:22 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |