「労働者」になりたい人々...「人権蹂躙、搾取に耐えられない」
家庭破綻、労組弾圧、労働災害、自殺にも保護されない彼ら
ユン・ジヨン記者 2013.11.08 19:15
10年以上「労働者として生きたい」と声をあげてきた人々が一つの場に集まった。会社に従属して働いても、労働三権を保証されない別名「特殊雇用」労働者だ。
90年代以後、特殊雇用職の拡大は、産業と職種の区分もなかった。11月8日午後、
国会議員会館に集まった特殊雇用職労働者たちは、学習誌教師をはじめゴルフ
場競技補助員、代理運転記者、貨物運送労働者、建設機械掘削機記事、ミキサー
運転手、介護人、馬匹管理士、保険設計士、タワークレーン設置解除、ダンプ
運転手、補助出演者、宅配ドライバーなど多様な職群で構成されていた。
彼らは二大労総と民主党などが主催した「特殊雇用労働者労働実態証言大会」
に参加して、10年以上味わってきた不当な事例を放った。
何度も変わる労働者の法的地位...裁判所の判決も一進一退
労組弾圧、労働災害、生活苦、自殺にも保護されない彼ら
2027日という長期間の闘争で現場に復帰した才能教育の学習誌教師は相変らず
安心できない。学習誌教師たちは法的に「労働者性」を持てないので、会社が
団体協約締結を拒否しても法的に保護されないからだ。
学習誌労組才能教育支部のオ・スヨン支部長は「長い戦いで団体協約を回復し、
現場に戻ったが、今日にでも使用者側が労働組合ではないのから、これ以上の
団体協約はないと宣言すれば、われわれはまた街頭に、空に追い出されるほか
ない」と吐露した。
実際に1999年に労組を結成した88CCのゴルフ場競技補助員は「特殊雇用」とい
う雇用形態のために、日常茶飯事のように団体協約解約と職場閉鎖、不当解雇
に苦しんでいる。政権が変わり、新しい社長が就任してからは、労組脱退強要、
48人への不当解雇、団体協約解約などの弾圧はさらに強まった。不当解雇闘争
はもう6年目をむかえた。
法的に労働者性を認められるべきだという切実な思いで何度も法廷闘争をした
が、裁判所と雇用労働部はいつも異なる判決をした。キム・ウンスク全国女性
労組88CC分会長は「これまで14件の訴訟を行い、30回以上の判決を受け、現在
は大法院に5件、高裁で4件が進行中だ」とし「判決内容のうち、競技補助員の
法的地位に関しては『勤労基準法上の勤労者(6回)』、『労働組合法上の労働者
(22回)』、『労働組合法上の労働者ではない(1回)』だ」と明らかにした。
続いて「私たちがしている仕事は、10年前も今も全く同じだが、労働部は勤労
基準法上の勤労者だと言った(2000.5)後、他事業場の判決を理由に勤労基準法
上の勤労者ではない(2003.6)と行政解釈を変えた」とし「また不当解雇されて
訴訟をしてみると、一つの勤労条件をめぐる裁判所の判断によって、私たちの
法的な地位が何度も変わるという経験もしている」と吐露した。
「自営業者」を夢見て会社に入った保険設計士は、会社から出退勤と営業実績、
活動状況まで管理されて仕事をしている。オ・セジュン保険人協会代表は、
「会社は保険設計士を対象として商品内容への虚偽、誇張された教育を通じ、
商品販売を督促して不完全な販売をさせながら、その責任はすべて販売担当の
保険設計士に押し付けられる」と強調した。
実際に昨年、A生命の保険設計士は保険会社から誤った教育を受けて営業をして、
顧客の苦情に苦しんで自殺したし、今年4月にも営業不振に悩んだある保険会社
の支店長が命を絶った。また、保険営業実績が良ければ正職員として採用する
という話を聞いて就職した青年求職者が、実績のストレスで自殺した事例もある。
ドラマ補助出演者労働者も撮影の過程で命を失うことがあるが、労働者性を認
められずに、労災処理も容易ではない。ムン・ゲスン全国補助出演者労働組合
委員長は「昨年TVで放送されたドラマのカクシタルという番組を撮影している
ときに事故で死んだ補助出演者の故パク・ヒソク氏の痛みを誰が関心を持って
くれるか」とし「労災処理の過程で責任を転嫁する態度を見て、私たちを二回
泣かせる」と声を高めた。
続いてムン・ゲスン委員長は「衣装返却、メイクを落とす時間などは勤労時間
ではないとし、1か月に受け取るのはせいぜい50万ウォン水準」とし「使用者は
労働組合を否定し、組合脱退などの悪行を行っており、労組を脱退すれば仕事
の機会を与えるといい、労組を脱退して働かざるを得ないわれわれは、乙の涙
で前が見えない」と吐露した。
「横暴を越え、人権蹂躙、恐喝などの搾取が蔓延」
代理運転手と貨物運送労働者をはじめ、建設部門にも特殊雇用という慢性的な
問題が蔓延している。
2007~2009年に、代理運転による交通事故で24人が死亡し、1859名が負傷した。
だが代理運転手は労働者としての地位を認められず、労災保険をはじめとする
四大保険の恩恵を受けられない。25%もの不当なコール手数料と、ペナルティと
いう名の罰金、不当な管理費徴収、センターの談合の三重苦を味わう。
ソン・ジェソン全国代理運転事務局長は「混乱と横暴を越え、人権蹂躙、恐喝、
横領、背任、詐欺、脱税などの搾取が、犯罪の意識もなく蔓延している」とし
「団体保険への加入を強要しつつ、それによる領収書を交付されずに、保険の
内容を知らられず、保険加入を確認することもできない」と説明した。
「走る奴隷」と言われる貨物労働者の場合、最低賃金にも満たない収益と奴隷
契約などで苦しんでいる。ユン・チャンホ貨物連帯組織局長は「2008年の全面
ストライキ前後と較べると、2012年1/4分期の運賃は2008年1/4分期より7%上がっ
たが、燃料費は24%上昇した」とし「現在、仁川で20ftコンテイナ運搬をしてい
る貨物労働者は、すべての費用を支払うと実収益は69万ウォンでしかない」と
明らかにした。
ハ・ギホ建設生コン委員長も「われわれ特殊雇用職は勤労者の身分なのに個人
事業者に編入されている。カボチャに線を引いてもスイカにはならないように、
私たちはただの勤労者」とし「1日8時間拘束、時間外手当などを支給されない
中で一日15時間走り、仕事に追われているのに、医療保険、雇用保険、労災保険、
国民年金などは全額自費で処理しなければならない」と吐露した。
60M以上の高空で危険な仕事をしているタワークレーン労働者の事情も同じだ。
パク・ハン国全国タワークレーン設解除労働組合委員長は「現場は工事入札の
名分でタワーの賃貸会社に押し付け、賃貸会社は個人事業者のチーム長に責任
を転嫁する下請け体制が、深刻な弊害をもたらす」とし「労災療養申請も受け
取れず、被害者が自費で医療費を払うという不祥事も一二度ではない」と説明
した。
ドゥ・ウォンギュン建設機械組織本部長もまた「われわれ建設機械労働者は、
最低価落札制度により1日10時間、11時間労働を強要され、低価格の受注による
被害はそのままわれわれがかぶる」とし「建設機械労働者ははるか前に車両の
ローン、キャピタルなどで家庭経済が破綻している」と声を高めた。
一方、証言大会に参加した金炅侠(キム・ギョンヒョプ)民主党議員は「昨年、
特殊雇用労働者保護法案を国会に提出し、一回法案審議があった」とし「労働
基本権保障という原則には与野が合意しつつあるが、問題は、特殊雇用職種の
範囲と、解職者、失職者、求職者の範囲問題が争点に残っている」と説明した。
続いて金議員は、「今回の定期国会で法案の審査が行われる予定だが、与野が
合意できなければ法案の通過は難しい」とし「二大労総をはじめとする労働界
全体が労働法改正のために力を合わせてほしい」と強調した。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
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Created on 2013-11-10 05:41:53 / Last modified on 2013-11-10 05:41:53 Copyright:
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