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公共部門に拡大する『無期契約職』...『雇用安定』は空念仏

政府、2年後の正規職化を避けるため、いつも『無期契約職化』

ユン・ジヨン記者 2011.11.28 17:47

政府とハンナラ党は11月28日、公共部門の非正規職9万7千人を無期契約職に 転換すると明らかにした。

ハンナラ党政策委のイ・ジュヨン議長とイ・チェピル雇用労働部長官は、この 日の午前、国会で党政協議を開き、来年1月から公共部門非正規職の無期契約職 転換方針を決めた。また彼らは1年以内に9万7人の無期契約職適用を完了するこ とにした。

また、党政は非正規職の賞与金支給、連携型福祉、外注労働者保護などの政策 を含む非正規職差別改善ガイドラインも発表した。彼らは今回発表したガイド ラインは、9月9日に発表した非正規職総合対策の後続で、公共部門非正規職の 特性を考慮した追加対策だと明らかにした。

しかし労働界では、今回の公共部門の無期契約職への転換政策が、2年以上働い た非正規職の正規職化を避ける政府与党の『便法』だと反発している。特に 『無期契約職』という職制が拡大し、彼らの賃金と福祉の差別など、日常的な 差別が蔓延する憂慮も提起されている。

公共部門から拡大する『中規職』...正規職との差別は相変わらず

党政の政策によれば、来年1月から現在公共部門非正規職34万1千人のうち常時、 持続的な業務に従事する9万7千人が『非正規職』から『無期契約職』に転換さ れる。『常時、持続的業務従事者』は2年以上業務を続け、今後も続く業務を 担当する期間制労働者だ。

雇用労働部は12月から来年1月に職務分析と評価基準を出して、各機関はこれに より該当労働者の無期契約職化転換を進める。現在、党政が決めた検討対象者 は9万7千人程度だが、各機関別の転換過程でまた検討し、実際の規模と人員は 減る可能性がある。

『無期契約職』は非正規職より雇用が安定している形態だが、相変らず正規職 との差別を内包する雇用形態だ。賃金と福祉などは非正規職の処遇と同じだが、 雇用の安定性が保障されるだけで、一部では『中規職』という用語を使ったり もする。特に、非正規職の無期契約職化は雇用形態さえ変えて設定すれば良い ため、該当政策のための政府の別途予算を必要としない。

このように、無期契約職化は今まで労働界が要求を続けてきた『同一労働・ 同一賃金』の適用とは無関係で、このような政策をめぐる労働界の批判が 続いている。事実上、政府が『無期契約職』という別途の下級職を作り、 差別を拡大させているという主張だ。

不安定撤廃連帯のキム・ヘジン活動家は、「常時的業務を遂行してきたのは、 これまで繰り返し契約を更新し、正規職と同じように働いてきたのだから、 当然正規職に転換すべきだが、政府は『無期契約職』という差別的職制を 別途の下級職として作り、賃金と差別を拡散させている」と指摘した。

そればかりか、政府は無期契約職化による雇用安定性を打ち出しているが、 実は無期契約職も深刻な雇用不安に苦しんでいるという。鉄道などの公共部門 の無期契約職は、契約書に使用者側が一方的に契約解止できる条項が含まれて いる。キム・ヘジン活動家は「ほとんどの公共部門の契約書には、構造調整と 外注化が必要な時は、甲が一方的に契約を解約できると明示されていて事実上、 雇用安定と見るのは難しい」と説明した。

2年後の正規職化を避けるため、いつも『無期契約職化』
『非正規職差別改善ガイドライン』も不備

期間制法によれば、2年以上働いた非正規職労働者は正規職に転換すると明示さ れている。だが政府はいつも公共部門の非正規職対策の発表で、2年が経過した 非正規職を『無期契約職化』しており、事実上、法の網を避ける政策ではないか という批判に苦しんでいる。

政府は2007年にも『公共部門非正規職総合対策』を発表し、20万6千人の期間制 労働者のうち7万1千人を無期契約に転換した。その当時も、労働界は政府が パフォーマンス効果を狙った不良対策で、公共部門非正規職の差別の固定化を 加速したと批判した。

そのため民主労総は11月28日、論評で「政府の今回の対策は、2007年公共部門 の非正規職総合対策の二番煎じでしかない」とし、「政府が各論で公共部門の 非正規職処遇水準が不十分であることと、不合理な慣行を指摘したが、これを 全面的に解消する意志はないように見える」と批判した。

実際に雇用労働部によれば、公共部門の非正規職は計34万1千人で、2006年より 2万8千970人増加した。また労働部は期間制、時間制など直接雇用非正規職は 24万1千人で、2006年より15.9%から14.3%に減少したと主張しているが、民主労総 公共労組は政府が政策の失敗を隠すために統計を歪曲していると指摘している。 派遣、用役労働者は2006年には20.8%、現在は29.3%に増加し、過去の公共部門 での直接雇用非正規職が外注化による間接雇用に転換されているということだ。

このように、公共部門の非正規職労働者の拡大にもかかわらず、政府はいまも 非正規職の必要性を強調している。雇用労働部は今回の政策の基本方針として、 「公共部門も行政需要が増加し、効率的な予算および人材運営に対する国民的 な要求もあり、非正規職の活用は不可避だ」と明らかにした。

一方、政府と与党は『非正規職差別改善ガイドライン』を発表して、公共部門 の非正規職の雇用を改善するための追加対策を用意したと明らかにした。

該当ガイドラインには、△連携型福祉制度、賞与金、社内勤労福祉基金などの 恩恵を拡大し、福祉拡充と処遇改善企図、△用役契約制度の改善により、清掃 用役などの外注勤労者の勤労条件保護、△雇用構造公示制、毎年実態調査など の非正規職雇用改善状況を管理して評価するといった政策が含まれている。

これに対して公共運輸労組、連盟は、「用役業者の適格審査強化と契約締結時 の用役労働者保護関連の事項を明示することにしたが、これによる用役単価の 値上げが財源により裏付けられなければ実効性が保障されない」とし「また、 福祉ポイントと柩御輿級支給の拡大程度では、非正規職の不合理な差別解消を 期待するにはあまりにも不足」と指摘した。

韓国労総も声明書で「外注委託と派遣勤労者の数は増加したが、そのための対策 は、社内勤労福祉基金拡充、最低賃金以上の賃金水準保障、4大社会保険適用など 宣言的な水準に留まっている」と批判した。

続いて韓国労総は「公共部門が先導的に公共部門の派遣、用役、社内下請勤労者 の原則的正規職転換の対策を出さなければならない」と要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-29 00:31:16 / Last modified on 2011-11-29 00:31:18 Copyright: Default

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