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公共部門非正規職、クビになってさまよう...「1月が恐ろしい」

[インタビュー]政府の公共部門非正規対策? 現実はとんでもない解雇

ユン・ジヨン記者 2012.01.10 13:07

公共部門の非正規職労働者は毎年末が恐ろしい。『契約期間』に縛られて働く 彼らにとって、年末と年初は『解約』か『契約更新』かの悩みの時期だからだ。

すでに12月30日、仁川空港税関労働者をはじめ、九老区訪問看護師、労使発展 財団、学校清掃労働者、期間制教師など、全ての公共部門の非正規職労働者が 一方的に解約通知を受けた。政府の公共部門非正規職対策が発表されて一か月 で、大量解雇が続出した形だ。

[出処:チャムセサン資料写真]

政府傘下の公共機関、A社で働いていたキム・ソンハ(仮名、28)氏も、12月30日 に突然、解約通知を受けた。すでに会社幹部と口頭で契約更新を約束していたので、 当惑感はさらに強かった。

政府の公共部門非正規職対策や、ソウル市の非正規職無期契約職化の政策も、 キム氏には役立たなかった。期間制で契約を更新して働くキム氏は、2年未満の 契約職労働者で、常に雇用が変わる境遇なので、政策施行と無関係に現場で多 くの雇用不安と便法による差別にそのまま露出するほかはないためだ。

再契約に言及して、契約最終日に『解雇』通知

キム氏は2011年12月末まで、政府傘下公共機関と3か月の雇用契約を結んだ。 キム氏の業務は業務補助で、出産休暇代替人材に投入された形態であった。

契約期間が終わろうとする12月末、キム氏の担当商社は契約期間延長を薦めて きた。だからキム氏も再契約を念頭にして業務を進めてきた。だが契約満了日 の12月30日、突然上司はキム氏に契約解止を通知した。

「あきれました。勤務態度が気に入ったとし、口頭で来年まで一緒に働こうと 言われ、私も他の職場の準備をしていない状態だったんです。でも12月30日に 突然私に代替人材を一人も取らないと言って契約解止を通知されました。代替 人材予算を他の事業に使うことにしたそうです。

事実、再契約を要求された時、再契約時には賃金が削減されるという話もあり ました。現在の月給は手取りで140万ウォン程ですが、予算が削減されたのか、 さらに月給を下げるしかないといわれました。それも考慮した状態でした」。

現在キム氏が働いている公共機関は、正規職と無期契約職、受託職、期間制の 労働者が混在して働く。受託職は政府機関で、プロジェクト事業を受けて、1年 単位で働く労働者だ。

「受託職労働者は、政府機関から1000万ウォンの事業があれば、そこで人件費 を策定し、契約期間中だけ使う労働者です。彼らは正規職、無期契約職と事務 室の階も違います。ほとんどの会議は一緒にしますが、内部の主要会議は排除 され、受託職労働者は疎外感や乖離感を感じました。受託職労働者は10人程度 いましたが、年末に残った人は3人程度です。残りは2週ほど休んでまた契約を 更新して働きます。政府の予算で契約するので1月初日から金が入らず、特に、 契約時に1年にならないようにします。彼らはまた契約をすれば延長して働き、 契約できなければクビです。

無期契約職もいますが、事実『無期契約職』というものがあることを、ここで 初めて知りました。一緒に働く同僚の1人が無期契約職で、正規職の採用だと思っ てきたら無期契約職でした。時々、内部で無期契約職を採用することもありま す。採用すると受託職が受験し、外部でも受験します。採用も、誰もが受験で きるのではなく、実績がなければなりません。、あののような人々は資格もあ りません。受託職も無期契約職への転換が難しいのです。この前の採用で外部 から人を取ったからです」。

公共機関非正規職...2年以上働くのも困難

その上、A社は以前働いていた公共機関のB社より月給や勤務環境がいい方だっ た。キム・ソンハ氏は、2010年から1年ちょっと働いたB社は、すべての面で劣 悪な条件だった。

キム氏は2010年、B社に事務インターンとして入社した。業務補助をしながら、 日給制で賃金を受け取った。B社は12月末、キム氏に契約延長を要求し、キム氏 は会社と1年契約を結んだ。

「ここは賃金がとても悪いのです。契約書上の基本給は113万ウォンです。契約 の時、当事者と交渉をするのではなく、内部基準を適用して賃金を策定しまし た。経歴がなければC級、1年〜3年の経歴ならB級、3年以上ならA級に区分され ていました。契約して1月2日から働きましたが、契約書では1月5日から2011月 末までと書かれています。1年になると退職金などの予算がかかるので、わざわ ざ幾日か少ない契約をしました。

とても月給が少ないので、会社でも残業手当てを目一杯受け取れといいました。 超過手当ては1時間6500ウォンです。それでたくさん夜勤をしました。手当てを ぎりぎりまで取って、1か月に130万ウォン程度でした」。

2年以上働いた非正規職労働者の正規職転換は、期間制法に明示されている原則 だが、まさに公共機関の労働者は2年以上働く環境も与えられない。特に、公共 機関で多い補助人材は、2年以上の勤務が事実上制限され、常時的な雇用不安に 苦しむ。

「ここでは補助人材契約職が多いのです。ソウル市からの研究が多いですね。 B級やA級は、修士、博士以上の研究員で、あとは補助業務従事者です。しかし ここでは2年以上従事できない構造です。契約書自体、2年以上の契約はしませ ん。今までここで2年以上の契約職で働いている人はいないでしょう。補助人材 契約職は事実、運営や業務補助だと思って入ってくるのですが、実際の業務は 上の人の補助や大して重要ではないことなので、経歴にならず、2年以上頑張る のは難しいのです。雇用も不安です。

経営チームで事務をしていた20代女性がクビになったこともあります。市の予 算が減ったからと。その人の業務はファイリングや文具類の整理などでしたが、 既存の職員が業務を手分けしています。事実、公共機関では、ソウル市や政府 の政策が一つ変わっただけでまた予算が策定されたり、監査があっても全体が 揺れ動く雰囲気です。予算が削られれば私たちのような期間制の非正規職や アルバイトが一番先にクビになります」。

政府とソウル市の公共部門非正規対策、形ばかりどころか無茶苦茶な政策

全国公共部門機関1万490か所の政府の実態調査によれば、直接雇用期間制は17 万6646人(51.9%)にのぼる。時間制は5万4360人(16%)、間接雇用は9万9643人 (29.3%)、在宅や日雇などは9962人(2.9%)と集計されている。

このように公共部門から非正規職が拡大し、政府は昨年11月29日、公共部門の 非正規対策を発表した。今回の対策は、公共部門全体非正規職34万1千人のうち 9万7千人を無期契約職化することを骨子にしている。

だが無期契約職化の対象は2年以上働いた『常時的・持続的な業務従事者』の中 でも、『職務分析、評価基準による一定の基準に該当する者』に制限される。 そのため公共機関で蔓延する受託や業務補助期間制は、『無期契約職』で選別 されることも難しくなる。

また雇用労働部は1月12日、無期契約職化の基準を各機関に示達し、該当機関は また選別して、一定の基準に該当する者を無期契約職に転換する過程を踏むよ うになる。だが機関も2年以上の契約更新を回避している状況で、多くの期間制、 非正規職の労働者は相変らず2年未満の雇用契約を最後に解雇の威嚇に苦しむほ かはない。結局、期間制法が明示する正規職化の対象者だけを無期契約職にす る形で、事実上、解雇の威嚇に苦しむ期間制、用役労働者は、相変らず雇用の 死角地帯に留まることになる。

特にソウル市は、今年傘下機関の非正規職の無期契約職化を推進する計画だが、 これも政府の公共部門非正規政策と同じように進める方針で、公共機関非正規 職の『雇用安定』は遅れるしかない状況だ。

全国不安定労働撤廃連帯のキム・ヘジン活動家は、「期間制法により、2年以上 働いた非正規職労働者は、当然正規職に転換されなければならないが、政府は 差別的な便法を使い、彼らを『無期契約職化』している」とし「12日に雇用労 働部が各機関に示達する予定の無期契約職化の条件も『常時的業務に属する者』 という便法基準になる可能性が高い」と説明した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-11 10:07:25 / Last modified on 2012-01-11 10:07:29 Copyright: Default

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