韓国:[2005チャムセサン問題](1) -無限疾走開放型通商国家「大韓民国」 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
2006年は開放通商政策にブレーキをかけよう [2005チャムセサン問題](1) -無限疾走開放型通商国家「大韓民国」ラウニョン記者 hallola@jinbo.net 民衆言論チャムセサンは「2005チャムセサン問題」を振り返る。 編集局は今年チャムセサンのページを熱くした問題を独自に選び、一年を振り 返る。 「2005チャムセサン問題」は、チャムセサンが一年間、取材してきた問題で 構成され、10項目ほどの内外の問題を連続して掲載する予定だ。 まずラウニョン記者が選び、盧武鉉政権の開放政策を扱った「無限疾走開放型 通商国家、大韓民国」を載せる。 '2005チャムセサン問題'とともに一年を振り返り「チャムセサン(真の世の中)」 を作る気持ちで2006年を準備するように願う。[編集者 注] 2005年の開始は盧武鉉大統領の開放型通商国家具現の展望の提示で始まった。 盧武鉉大統領は第3次対外経済委員会で「FTA推進と開放型通商国家具現のため に、国内条件を整備すべき」と強調した。結論として、対策は不備だったが政 府の積極的な交渉化、法制化の努力が多角的に進められた2005年だった。 これまで提起されてきたように、交渉の主な内容が公開されない問題、交渉の 進展過程に利害当事者間の調整がないこと、法的手続きで押し通す進行など、 2005年も多くの葛藤を呼び起こし繰り返された。コメ裏合意の論議、農民ゼネ ストの中で処理された「コメ批准」は、以前と特に違わない政府の押し通し 以上でも以下でもなかった。 また、こうした韓国政府の政策は、国内の状況や政策だけでなく国際的な波紋 も少なくなかった。代表的な例として、5月のWTO DDA 2次サービス交渉譲歩案 を提出して各国のサービス市場開放を促したこと、11月DDA特別声明を採択し てWTO DDAの機会を提供したこと、通商交渉本部長がWTO DDAサービス協定の議 長として12月の基礎合意を引き出したことなど、盧武鉉政権は今や「一国家の 範疇の中での開放型通商国家」という指向を越え、全世界的に新自由主義世界 化の尖兵として、開発途上国をはじめ、全世界民衆の権利を商品化する役割を 自任している。 無限疾走のアウトバーンを走る盧武鉉政権、韓国政府の無差別的な通商政策に 対する制約を加える契機を2006年には作るべきではないだろうか。 広がらない自由貿易協定(FTA) 自由貿易協定(FTA)後発走者の韓国政府は短い期間中に色々な国とFTAを推進し ており、政府はこれを「同時多発的FTA推進戦略」と呼ぶ。 内容面では、包括的で高水準のFTAを指向している。これはFTAにより商品分野 だけでなく、サービス、投資、政府調達、知的財産権、技術標準など広範囲な 分野を含むということだ。したがって、WTOによる自由化の隙間を埋め、さら により大きな自由化を推進しているのだ。 政府はこうしたFTA推進ロードマップにより、20余か国の主要有望対象国と同 時多発的にFTAを推進している。2004年4月1日、はじめての韓チリFTAと2005 年12月に国会本会議を通過した韓シンガポールFTA、ASEAN首脳会議に参加した 盧武鉉大統領は韓ASEAN FTA基本協定(Framework Agreement)に署名した。WTO 閣僚会談に反対する韓国民衆闘争団の三歩一拜が進められた日韓EFTA FTAが妥 結した。 現在漂流状態の日本とのFTA、進行中のカナダとのFTA、共同研究を終えたメキ シコとのFTA、包括的経済パートナーシップ協定(CEPA)の妥当性検討を含む共 同研究が進められているインド、その他ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ などが参加するMERCOSURとも貿易協定(Trade Agreement)の共同研究、中国、 米国とのFTA推進などが近い将来進められる予定だ。政府の同時多発的FTA推進 戦略は、2006年も続く予定だ。 反対、反対、それでも提出された2次サービス協定譲歩案 去る2003年、政府はWTO DDAサービス協定1次譲歩案を提出した。そして2005年 の5月の末は、サービス交渉2次譲歩案提出期間だった。 2次譲歩案提出を控え、公共部門の労働者を主軸として、政策討論会および共 同闘争企画団を構成、共同闘争が進められた。彼らは口を揃えて「政府の市場 開放と外資誘致を絶対目標で想定する経済政策は、事実上、国内の雇用不安を 促進し、資本流入のための労働柔軟化、急速な構造調整を惹起させる」と批判 して2次譲歩案提出中断を要請した。 それにもかかわらず政府は、5月23日、対外経済長官会議で第2次譲歩案を確定、 5月31日の期限に合わせてWTOに提出した。労働社会団体はいっせいに反対の立 場を発表して集中闘争を展開した。提出目前の30日まで、『提出反対』の立場 を明らかにしたが、結局譲歩案は提出された。2次譲歩案を期限内に提出した 国家は150余か国の会員国中70余ケ国に過ぎなかった。 政府は2次譲歩案に自然人の移動(Mode 4)のうち、1次譲歩案(2003.3月提出)に 含まれなかった契約サービス供給者(Contractural Service Supplier:CSS)に 対し、外国の専門担当者が国内に進出して活動できる分野は、会計と建築、経 営コンサルティング、機械設置・保守、技術諮問、そしてコンピュータ・ハー ドウェア設置とソフトウェア研究開発基盤の施行、データ運営、データシステ ム、自動車設計など10領域とした。 当時の民主労働党政策補佐官のヒョンセウォン氏は「政府が2次譲歩案を提出 すれば提出と交渉で終わるわけではない。これを背景として、3次と4次譲歩案 に急速に変わるようになる」と指摘し、「これはまた二国間合意の一括基準に なり、交渉のガイドになって、すべての交渉に影響をおよぼすことになる」と その危険性を警告した。 譲歩の水準で見ると、大きな範囲を包括しているわけではないが、2次譲歩案 の提出内容を基盤として、3次と4次まで交渉の内容が拡張されること、そして サービス交渉が進む間、国内サービス市場に対する自発的な自由化措置に基づ く整備作業が併行するだろうという点が、さらに大きな危険と指摘されていた。 今回のWTO 6次閣僚会議で、2次譲歩案未提出国の提出期間は2006年7月までに 延長された。また、合意導出の期限も2006年10月に確定合意した。このような 合意は、2006年、サービス協定に含まれる水、エネルギー、教育、医療など民 衆の基本権をサービス市場に対する全面的な商品化の嵐を予告している。 市場化のテスト版、済州特別自治道 政府は「済州島を高度な自治権が認められる済州特別自治道にする」根拠とし て、済州特別自治道計画を推進してきた。そして9月21日、済州島基本計画案 政府提出以後10月14日政府基本計画案確定、11月4日「済州特別自治道設置お よび国際自由都市造成のための特別法」と「済州島行政体制などに関する特別 法」など3法案を立法予告した。そして11月21日、政府はイヘチャン総理主宰 で国務会議を開催、「済州特別自治道設置および国際自由都市造成のための特 別法」制定案を議決して政府案を確定、立法予告から半月で一瀉千里に進めた。 現在、保守政党の抵抗で進行が滞っている臨時国会のおかげ(?)でこの法はま だ処理されていない。 済州特別自治道の核心の争点は、済州島を特別な自治都市にするという内容で はない。特別な自治道にするという構想の下で進められる、必須規制の緩和、 教育と医療市場の開放、全面市場化を前提にしている。すなわちサービス市場 の開放を前にして、自発的な自由化措置のテスト版、サービス部門の市場化の 実験を済州島ですると解釈されるほかはないためだ。 これに関して、済州住民自治連帯のキムサングン代表は「何よりもこの戦略の 背景が何なのかについては、根本的な疑いを持たなければならない」とし「済 州島と道民を規制緩和の実験対象にするのか」と述べ、隠された政府の意図を 問うた。また、金サングン代表は「自治という観点より、産業経済的な側面、 特に資本のためだけの特例に変質するのは自明だ。簡単に規制緩和という名目 で含まれた内容は、公共性を放棄する代わりに企業と資本のための政策に過ぎ ない」とし、ネガティブシステムは済州はもちろん、今後、済州を拠点として 全国化する可能性が大きいだけに、軽く見られる事案ではない。核心産業とし て推進される教育、医療分野の場合、ひとまず留保的立場を取るようだが、第 2段階ではすべての規制を除去するという内容で、「必須規制を除き、すべて の政府規制を全面撤廃することを基本としている。これはつまり資本のための 特例だという批判から自由になれない部分」と批判されている。 全世界的な寄与、韓国政府の役割 おそらく2005年の、政府の開放通商政策の白眉は、APEC会議の開催とWTO議長 参加だろう。APECと2次サービス交渉譲歩案提出と他の国の督励など、国際社 会内でも別格の功績を認められた韓国政府は、サービス協定の議長 (Facilitator)として今回の閣僚会議合意書を引き出す役割を果たした。 外交通商部が明らかにしたDDA交渉進展寄与事例を見ると、△05.5月OECD小規 模閣僚会議時農業交渉でAVE(従価税相当分)算定方法の合意導出、△6月APEC貿 易相会合時に通商交渉本部長はAPEC議長国通産長官としてNAMA分野スイス公式 合意を導出、△11月APEC首脳会議時、DDA特別声明文を採択(通商交渉本部長は 議長国の通産長官として声明文案を作成)、△5月OECD小規模閣僚会議時にAVE (Ad-valorem Equivalents:従価税相当分)計算方法合意導出など。韓国政府は、 WTOの模範生として決定的な危機にモメンタムを提供し、共感の形成に寄与し たという。11月18日に釜山で進められたAPEC会議で韓国政府は貿易自由化の内 容を含む釜山宣言で、難航に陥っている交渉を救うためのDDA交渉特別声明を 採択した。 続いて12月13日から開かれたWTO閣僚会議は、2006年末の交渉終了のために、 農業、非農産物、サービス、開発など主要交渉分野で閣僚会議最終日の18日夜 の全体本会議で閣僚宣言を採択して会議を終了した。 閣僚宣言文には、農業、非農産物、サービス、開発など主な交渉分野別の合意 内容と今後の交渉指針、本文および農業、非農産物、サービス、規範、貿易円 滑化、開発途上国特別待遇など6つの付属書を含む。また、農業と非農産物の 場合、交渉の細部の原則合意期間を06年4月末、最終譲歩案提出期限は06年7月 末と各々合意し、サービスは第2次修正譲歩案提出期限は06年7月末、最終譲歩 案提出は06年10月末で合意した。 政府が明らかにしているように、農業、非農産物などの核心交渉分野の具体的 な交渉指針が確定できなかった。実質的な議論はほとんど来年以後に延期され ている状況だ。結局、2006年末まで交渉の最終妥結のためにWTO会員国は、 2006年冒頭から交渉で忙しいものと見られる。 2005年12月28日14時47分 翻訳/文責:安田(ゆ) Created byStaff. Created on 2006-01-04 02:59:10 / Last modified on 2006-01-04 02:59:10 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |