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数百万が立ち上がったスペインの『緊縮反対』ゼネスト[闘争する世界労働者](3)経済危機に挑戦する下からの闘争
労働者運動研究所 2012.04.05 15:30
スペインの第一、第二ナショナルセンターのUGT(社会党系)、CCOO(共産党系)は 3月29日、一日ゼネストを展開した。その日、スペイン労働者と市民数百万人が 路上に溢れ出た。マドリードで80万人、バルセロナで90万人が街頭を行進する など、多くの都市で大規模な集会が行われた。各地で集会隊伍が警察と衝突し、 170人以上が連行された。 ▲3月29日ゼネスト ストライキの影響力ストライキの影響は大きかった。航空便の80%が欠航し、ルノー、フォード、 フォルクスワーゲンなどの自動車工場ではほとんどの夜間交代組が作業を拒否した。 この日一日、スペイン全体の電気消耗量が17%減った程にストライキが重工業 部門に与えた影響は大きかった。UGTのフェルナンデス事務総長によれば、 公共部門の労働者の57%、製造と建設部門労働者の97%が参加して、全ゼネスト 参加率は77%に達したという。スペイン全体で60都市から150万人以上が集会に 参加したと報道された。 労働法改悪に対する大衆の怒り3月29日のゼネストと大規模集会は、最近施行された労働法改悪のためだった。 昨年12月に任期が始まったマリアノ・ラホイ総理(国民党)は、2月10日に労働法 改正案を発表した。しかし3月初めに法案が国会を通過する前にも、すでにほと んどの条項は行政命令で施行された状態だった。新しい法は1年勤務時45日分の 賃金を退職金に積み立てる基準を全体で33日に下方修正し、企業の収益が3分期 連続減少すれば年20日の賃金に該当する退職金だけが支給される。新しい法に よれば、収益が2分期連続減少すると、使用者側が団体協約を一方的に解約でき るようになり、企業単位の団体協約を産別団体協約に優先すると規定し、産別 団体協約を無力化する。また政府の承認なく整理解雇をできるようにするなど 解雇をさらに容易にさせた。 労働法改悪は、スペイン労働者が数十年間守ってきた権利を一気に剥奪し、 労働者の怒りを呼んだ。怒ったのは労働者だけではない。この法はヨーロッパが 誇りを感じる社会モデルの重要な要素である団体交渉権、職業安定、社会保障に 対する攻撃だったため、多くのスペイン市民も今回の改悪を自身のアイデンティティ と生活方式への攻撃と理解した。 続く経済危機と民衆の苦痛果てしない経済危機の中で、労働者民衆が労働法改悪で感じる威嚇がさらに深 まっている。2008年まで、ユーロ圏の平均を上回る成長の勢いを維持してきた スペイン経済は、金融危機後は成長不振、高失業率と財政赤字の増加が続いた。 現在、スペインの双子の赤字(財政赤字と経常収支赤字)は、アイルランドに 次いで世界2位だ。 経済危機に対応するために、2010年から前ホセ・サパテロ政権(社会労働党)が 緊縮財政、財政、労働、金融部門に対する構造改革措置を推進した。こうした 政策は財政赤字を減らすことに失敗しただけでなく、スペイン民衆に高失業率、 社会サービス縮小、公共部門解雇など多くの苦痛を持たらした。緊縮財政政策 への不満と政府への不信が高まり、昨年11月の総選挙で社会労働党が大敗北し、 政権が保守国民党に渡された。 新政府ができた2011年12月21日以後も経済状況は悪化し続けた。今年1月に S&P社がスペインの国家信用等級を二段階下方調整した。これによる借入関連 の財務費用上昇により、政府債務の清算がさらに難しくなった。3月には政府が 約束したヨーロッパ執行委員会財政赤字限度規定(GDP 3%)に合わせた赤字減少が 達成できないと認めた。 現在、スペインの失業率は23.6%で2008初めの3倍になっている。青年失業率 (25歳未満)は50.5%でユーロ地域青年平均失業率(21.6%) 2倍以上だ。 一方、ラホイ政権下では構造改革政策が加速した。12月に政府は78億ドルの賃金 削減と115億ドルの公共支出削減を含む新しい緊縮財政措置を発表した。最近の 労働法改悪も同じ文脈だ。 高まる民衆の不満と活発になる大衆闘争▲怒れる者たちのチラシ: 「新しい奴隷制度反対、 新しい運動形態を作ろう! ストライキを改造しよう! 機械を止めよう! 99%と連帯するか?」 3月29日のゼネストは、CCOO、UGTにより宣布されたが、ストライキの実際の動力 は下から出てきた。労働法改正が発表され、両労総が内容修正を要求し、政府 との交渉を試みて、象徴的な集会を組織したが、ゼネストには言及しなかった。 だが2月19日に集会には予想を超える100万人の労働者が参加した。集会隊伍が 労働法改悪に対する明らかな反対立場を表現し、ゼネストの必要を強調した。 一般労働者のゼネスト要求がマスコミを通じて報告され、両労総は結局3月9日に ゼネスト計画を発表した。 外信はゼネストを新政府への初の挑戦と報道している。今回の労働法改悪は、 正当な労働権への露骨な攻撃であり、ラホイ政権に対する特別な反感を呼んだ のは明らかだ。しかし2月の集会と3月のゼネスト闘争は、社会労働党政権下で 始まったスペイン民衆の緊縮反対運動との連続性を持つ。 昨年5月に本格的に始まったこの運動は、『怒れる者たち』という名で行われ、 若いスペインの青年はSNSで互いを組織した。政界の既得権除去、雇用創出、 財政緊縮反対、住居権保障、インフラ投資、教育と保健医療などの社会サービス 拡大、国防費削減、金融資本統制などの要求を掲げ、5月から8月までマドリード の太陽の門(Puerta del Sol)広場とバルセロナのカタロニア広場で座り込みを 行った。その期間に数回の大規模集会を行い、ヨーロッパ全域に怒れる者たちの 運動を触発した。 同じ時期にCCOO、UGTは、数回の緊縮反対デモを組織したが、ストライキに積極的 ではなかった。対応が不充分だったために、怒れる者たち、左派陣営、一般人など さまざまな方面から批判を受けた。 このような批判も続いた。ゼネストを控えて怒れる者たち運動を代表する『本当の 民主主義を今』 (Democracia Real Ya)に労総のエリート主義と穏健主義への 批判が上がってきた。同じサイトで怒れる者たちが99%のゼネスト、つまり本当の 大衆闘争を訴えてゼネストのチラシを作り集会日程を開始した。 怒る者たちの運動が、労組指導部に相対的に批判的だが、労働者の闘争を支持 していないわけではない。昨年から今年に続き、労働者と共に路上に出て、共 に戦ってきた。3月29日のゼネスト闘争にも組織労働者、未組織労働者、怒れる 者たち、学生、一般人など、多様な大衆が参加した。もう我慢できない経済危機 への怒りと政府に対する不満がゼネストの動力になった。 さらに強力な闘争の必要性▲UGT-CCOO:「労働改革反対 3月29日ストライキ」 今、スペインはいつよりも強力な大衆闘争が必要だ。CCOOとUGTは、3月29日の ストライキを宣布することによってこの事実を認めたわけだ。スペインの一部 左派は、3月29日の成果を拡大するために48時間ストライキ日程を即刻発表し、 今後のストライキ日程をさらに増やす計画を提案している。しかし両労総は まだ具体的な闘争計画を発表していない。 具体的な方法はともかく、さらなる闘争の拡大が必要だ。昨年から続く緊縮 反対運動の教訓からみて、労組がさらに積極的な役割を果たすべきだという ことは明らかだ。労組、左派団体、怒れる者たちなど、多様な勢力が共に闘争を 構成し、作らなければならないのも明白だ。スペインの労組が先導的な役割を 果たして、怒れる者たちなどの大衆的運動と建設的な関係を作ることができるか どうかを見守らなければならない。 [編集者注]30年間の新自由主義世界化の一環として超国籍資本が巨大な力を持ち、その支配力を高めた。こうした資本は生産地の海外移動、投機、オフショア(海外アウトソーシング)、労働柔軟化戦略などで莫大な利益をあげると同時に労組を弱め、労働者に厳しい競争を強要した。だが労働者はまだ一国的な次元で組織され、互いの理解が足りない。超国籍資本と戦うには、国際的な組織と共同行動が必要で、これは互いを知らなければ不可能だ。 労働者運動研究所の〈闘争する世界労働者〉は、超国籍資本の生産戦略、供給網管理、投機、労働柔軟化などの破壊的な戦略に対する闘争に焦点をおいて毎回、闘争地域を一つずつ紹介する。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2012-04-06 16:12:22 / Last modified on 2012-04-06 19:41:19 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |