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LNJ Logo レイバーネットTV詳細報告 : 日本のやりたい放題労働搾取がここにもあった!
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News Item 1022kasa
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報告を書きながら、悲しかった。日本の資質の下劣さが。サンケン電気といい、日本の企
業は韓国などでの工場進出に関して、ただ儲ければいい、そこで働く人の人権は考えなく
ていいと思っているのかと。やっと報告がまとめられたので、サッと読んで、関心が持て
たら、是非動画も見てください。(笠原眞弓)
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〈日本のやりたい放題労働搾取がここにもあった・「恥を知れ」である〉

韓国に進出した日本企業が、上から目線で韓国の労働者を見捨てる。サンケン電気と同様
なことが韓国オプティカルハイテックでも起きている。これは韓国に限らないだろうと思う。

韓国の労働運動は息が長く、要求を勝ち取るまで粘り強い。なぜなのだろう? 彼らの労組
は企業別ではなく、業種別だという。だから上部労組や近くの正常に業務の続くところが
、精神面も金銭的にも支えるとか。それにしても、300日もビルの屋上を占拠して闘う当
事者のエネルギーはどこから来るのか。2010年、空中のクレーンの籠の中に籠城して300
日以上をかけて要求を勝ち取った人達がいた。(途中経過がレイバーネットのHPにも記載
されている。参考までにURLを下記に示す↓。この闘いは映画にもなった。)

http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/strike/2010summer/1279296578859Staff

<日東電工の韓国での横暴を許さない!韓国オプティカルハイテック労組の闘い>

2024/10/22 レイバーネットTV・第207号

・視聴サイト https://www.youtube.com/watch?v=KkTGLPBDwm8

・企画・進行: 尾澤邦子(韓国オプティカルハイテック労組を支援する会)
・出席者:   チェ・ヒョンファン(韓国オプティカルハイテック労組支会長)
        加藤正姫(通訳)
        尾澤孝司(韓国オプティカルハイテック労組を支援する会・サンケン弾圧と闘う会)

◆韓国オプティカルハイテックとは? 会社概要

・韓国オプティカルハイテックは、日東電工の子会社でLCDの変光版を作っている。韓国
の東南部にあり、2003年に創業。韓国政府などから税金面など様々な支援を受けている。
7兆ウォンの利益あげ、6兆ウォンは日本に還流している。
2016年当時、日東電工は韓国のクミとピョンテクに生産拠点を持っていたが、統合を考え
た。それがきっかけでクミに労働組合ができた。会社は、ピョンティクの工場にも労組が
できることを恐れ、統合を取りやめたという経緯があった。
 
・解雇の理由は?
2022年の12月、工場で生産棟が全焼するという大火災が発生した。そのため1か月後には
クミの工場生産工程をピョンテクに移した。そこでは新規30名の新規採用もあったが、ク
ミの労働者17人(雇用継続を願っていた)は全員解雇とした。

・火災保険金の行方は?
1300億ウォンは、会社が受け取っている。それは工場再建のできる金額だが、会社はそれ
をしなかった。クミの工場で作っているものをピョンテクの工場で代替生産できたこと、
取引先のLPディスプレイが早期納品を要求したこともあった。
・労働委員会に訴えた結果は?
労働委員会に訴えたが、会社の言い分を認めてしまった。そこで行政訴訟を起こして闘っ
ている。

◆JTBC(韓国の動画配信サービス)の動画上映

希望退職を募り、残った人で闘争は続けられ、2名が今年1月8日から工場の屋上籠城闘争
をしている。クミ工場での闘争の様子(JTBCの動画)が流れる

・クミの工場と工場内の組合事務所をまもる闘いをしている。特に屋上に上がった二人の
仲間が無事に戻るまで頑張る。
そのためには日東電工が、こちらの要求を聞き入れることだという。
・会社側は、工場取り壊しにあたって、籠城などは妨害に当たるなどと損害賠償として組
合員の預金通帳まで仮押さえをしている。
会社側は、労働者の息の根を止めたいと簡単にできる損害賠償をかけてきた。

ところが労働者の要求は「雇用継承」が一番の要求だったので、一丸となって越えること
ができたという。

・ピョンテックでの雇用を要求しているのはなぜか?
これまでクミの工場で生産していたのだから、そこの労働者がピョンテックで働くのは当
然のことだと考えている。

ということで、ピョンテクの工場前でも座り込み闘争を続け、200日になっている。

◆「命がけの闘い」だが、闘いは常に明るく元気に!

・高空籠城=200日。日東電工はすぐできることをなぜやらない

日東電工のホームページには「人権尊重」とあるが…。実際は真逆なことをしているのは
なぜかと思うが、労働者側は粘り強く闘っている。

・クミ工場では毎週闘争文化祭をして歌を歌って元気になっている

韓国には民衆歌手という人がいて、そういう人たちの文化面での支えもある。

東京本社に来た時も、警備員に入場を阻止されながら「ストライキ歌」を歌っていた。

◆「ストライキ歌」(キム・ホチュル詞・曲)が流れる。

ばらばらになれば死ぬ
ぐらついても死ぬ

一つになってわれらは進む
勝利のその日まで

守るのだ 同志の約束
頭蓋骨が割れても守る
労組の旗のもと 団結したわれら
暴力団をはね返したわれら

◆乱鬼龍の川柳コーナー

高空籠城空より高い闘志湧く   乱鬼龍
使い捨てするなスクラム海を越え 信也

◆日本への遠征闘争・東京本社への要求闘争

・韓国オプティカル労組を支援する会とは  尾澤孝司

日本に伝わってきたのは、昨年の夏ごろだった。日系企業でまた争議が始まった。日本で
もどうにかした方がいいのでは?となった。本社は大阪だったが、東京にも本社があると
知り、こちらでも支援闘争をしなければとサンケンの闘争にかかわった複数の団体と協議
して1月に正式に発足した。
以来第4月曜日の朝8時からの駅頭宣伝と、東京本社への抗議申し入れを続けている。

・チェ・ヒョンファン氏の日東電工で株主総会への出席を拒否

チェさんは日東電工の株を買い、6月にあった株主総会での発言を計画したが、日東電気
は彼の出席を拒否する。

それに対しての抗議集会も行われた。韓国の国家議員96名が面談を申し入れるも拒否。7
月に3名の国会議員が来日し、議員会館で記者会見をした。
・社長への面談強要で訴えられる
――労働組合無視・労働運動否定・日韓連隊運動への弾圧

6月には「社長宅訪問」も企画。社長宅の最寄り駅、三鷹駅で情宣をする。
「社長宅訪問」は、労働運動の1つとして行ったのだが、尾澤孝司さんと尾澤邦子さんが
「社長への面談強要」として訴えられる。

社長の家の訪問禁止と近隣へのビラまきをしない、社長宅近くで大声をあげたり、徘徊、
たむろしないというもので、社長宅を中心に禁止範囲が徐々に広がり、現在は半径1700m
以内ということになった。それは三鷹駅と吉祥寺駅が含まれるという。つまり、駅頭での
宣伝活動を制限した。尾澤孝司さんは、禁止範囲を徐々に広げていったのは、この訴えの
効果を物語っているという。
仮に会社側の主張が通ると、その範囲での活動は禁止となる。それを破ると損害賠償の対
象になるし、破らなくても間接条項というのがあり、もし破った場合には1回につき何十
万円払えという別な裁判を申し立てることができる。

◆高空籠城の女性に「女性労働運動賞」が授与された

・「消えゆく工場 消えない抵抗の火花」

この賞の他にキム・ションソクさんという賞も授与されることに。10月25日にクミ工場
で授与式が行われ、全国から連帯の人々が集まる予定。

この要求が通らなければ、自分たちは降りてこないという要求をしてから11月2日で300日
になる。市民団体、上部団体である金属労組、民主労組がクミ工場に集まるとか。

◆会場から質問タイム

・仕事内容がテープのようだけど…(写真)。

我々のところでは光学用のテープ(偏光板フィルム)を作っていた。

・仕事はきついのか?

忙しいときには、12時間昼夜交代で働いていた。特に光学フィルムの検査は暗いところで
の作業で、担当者の中には視力が落ちた人もいる。
・高空籠城の人はどういう基準で選んだのか?
高空籠城の始まりは、クミ工場の撤去計画の承認が降り、(取り壊しの)作業員が押し寄
せてくると聞いて「自分たちは人間バリケードになる」と2人で上がって行ってしまった
。会社は、それにも関わらず、撤去計画を承認。裁判所では、仮処分を認めた。クミ工場
を守っている人たちに間接強制金を申請し、住んでいる住宅や、積立貯金やその他の通帳
も差し押さえるなどの暴挙が行われた。
このようなことをやられながら、闘っているのは、「雇用の継承」一つ。そして「労働者
の人権を守れ」だ。
・高空で闘っている方の日常生活はどうなっているのか?

今や、この闘いは、我々だけのものではなく、地域の労働者のそれとなっている。食材が
差し入れられ、食事も作って持ってきてくれている。一緒に料理して、籠城の人にも届け
、一緒に食べている。

・会社側はどんな対応をしているか
会社は韓国の法律に従ってやっていると言っている。しかし日東電工は、先ほど話したよ
うに、韓国の二つの子会社の経営をしている。クミの工場の廃業も日東のホームページで
お知らせし、クミの工場の代替生産をピョンテクの工場で行うということも、日東電工が
決めたもの。
クミの工場もピョンテクの工場も日本人の社長だし、社外重役も同一人物なので、同じ会
社だと認識している。従って、もう一度我々が日東電工で働き続けられるようにすること
を要求する。
・労働者数は?
組合が結成された2000年代初めは700人ほどで、売り上げは1兆ウォンあった。2018、19年
と大規模リストラがあり、組合員は57人にまで減少した。しかし、労働者数は減少したが
クミでは売り上げは4000億ウォンで260億ウォンの純利益を上げていた。2022年の4月にコ
ロナ禍で中国の工場がロックダウンしたため、クミの工場では100名の新規採用があった。

・賃金や福利厚生はどうなっているのか?
ここは、クミの地域では中小企業に相当する工場で、12時間交代制で働いていたので、残
業手当を含め、それなりにもらっていた。2016年に労働組合ができてからは、休暇が自由
に取れるようになったが、リストラなどで、残った人の仕事がきつくなっていた。

・写真で見るとピョンテクの工場前の集会に、たくさんの方が集合しているが、どういう
方たちなのか?
(写真を見せ)これは今年の2月から4月かけて行われた雇用継承決意大会のもので、上部
労組の全国金属労働組合の仲間がピョンテクの工場前で一緒に集会をしたときのもの。
・籠城している女性の生の声は?
高空籠城の仲間と毎日18時に略式集会をしている。二人は「勝って土を踏みたい」と言っ
ている。二人とも雇用継承を望み、みんなも継承させたいと思っている。
日東電工にとって、1000万人がピョンテクの工場で働いていることを考えれば、7人の雇
用はそれほど難しいことではないはずと判断している。
先に話したようにピョンテクの工場で組合を結成されることを嫌い、統合をやめた経緯が
あり、日本本社には「労組嫌悪」「労組ヘイト」という風土があるのではないかと我々は
思っている。クミ工場管理者は、雇用継承の前例を作りたくないと言っている。

・損害賠償と聞くと、怖いなぁと思うが、ご家族はどうしているのか?
正直言って、組合員の家族も辛い思いをしている。でも、勝利すれば、こういう問題も吹
き飛ぶと思っている。今重要なのは、どれだけ粘れるか、どれだけ闘えるかということ。
・韓国へ進出した企業、例えば韓国サンケンの他にもそのような企業はあるのか?
外国人投資企業が韓国に多く進出していて、利潤のためには、労働者の首を切るというこ
とが平気で行われている。「食い逃げ防止法」という法律を設定しようと、野党とも協力
しながら取り組んでいる。「日東防止法」という別名がつくかもしれません。

・11月の労働者大会へ行って応援してきたいと尾澤邦子さん。
◆出席者の一言
尾澤孝司さん:日東電工の会社側は問題解決を目指して労働者側と誠実に話し合うことが
大切だと思う。

加藤さん:韓国の女性労働者の闘いは長い歴史があるが、この韓国オプティカル労組の闘
いでもよく表れていると思う。最後まで頑張ってください。
チェさん:OACDの多国籍企業ガイドライン違反ということで、10月のはじめに韓国のナシ
ョナルコンタクトポイント(韓国NCP)に提訴した。今度は日本の番です。日本政府に対
して、この問題の解決の責任を問う闘いをおこなっていきたい。

尾澤邦子さん:日東電工の高崎社長は100%投資して韓国に作った会社で働く人の仕事を
奪った人である。その人が市民である私たちに、面談強要ということで訴えるのか、腹が
立っている。これからの長い闘いになりそうだが、ご協力をお願いします。

○10/23の集会への呼びかけがあった。

次回は特別番組として総選挙に関して10月30日19時30分の予定


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