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LNJ Logo 米国労働運動 : ニューヨーク市のアマゾン配達運転手、チームスターズ労組に加入
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【解説】7月の翻訳記事で、初めてアマゾン労働者を組織化したニューヨーク市スタテン島の独立労組アマゾン労働組合がチームスターズ労組に加盟したことを報道した。今月はニューヨーク市のアマゾンの配達運転手たちが同じくチームスターズ労組に加入したことを伝えている。これらの運転手は直接アマゾンに雇用されているのではく、下請配達会社に雇用されているが、アマゾンの雇用責任を追及している。ニューヨークだけではなく、全国的にアマゾン配達運転手の組織化が焦点化してきている。(レイバーネット国際部 山崎精一)*毎月1日前後に「レイバーノーツ」誌の最新記事を紹介します。
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ニューヨーク市のアマゾン配達運転手、チームスターズ労組に加入

2024年9月16日
ルイス・フェリス・レオン
(レイバーノーツ・スタッフ/オルグ)

*チームスターズ労組加入を通告するため下請業社への押しかけ行動に向かうアマゾン配達運転手たち

 9月16日、ニューヨーク市のクイーンズにあるアマゾンの配送センターで、運転手数百人がチームスターズ労組に加入することを通告するため、管理職に向かって行進した。運転手たちは巨大物流企業アマゾンが自分たちの労働組合を承認し、労働協約を交渉することを要求している。 「今日、みんなと一緒に管理職に向かって行進し、全員が組合として一緒に立ち向かって、すごく良かった」と、昨年11月から運転手としてアマゾンの荷物を配達している時給20ドルのラトリス・シェディー・ジョンソンは語った。

 アマゾンの会社側はどうだったろうか?「まったく不意を突かれ、怖がって裏に逃げ込みした。でも、私たちは裏まで追っていきました」と彼女は言う。運転手たちは携帯電話のカメラで撮影し、書類を手に管理職たちを追いかけ、四方から取り囲んだ。 「私たちは大声で叫び、言いたいことを声に出して言いました。会社側は聞くしかありませんでした。」 オレンジの上衣を着た管理職がさらに集まってきた。労働者たちは組合承認を求め、職場の問題を明らかにした。あまりに騒々しい雰囲気で、興奮した労働者たちは互いに叫びあっていた。その後、ひと段落してから一人ずつ主張し始めた。

 これが、ジョンソンと彼女の同僚たちが目指していた瞬間だった。何カ月も前から、この管理職への押しかけ行動を計画していたのだ。長年の過重労働への怒りが彼女の原点だった。人員不足のため、アマゾンの企業用語で「救援」を要請しても誰も助けに来てくれない。一人で重い荷物を持って家を周り、階段を駆け上がらねばならない。荷台には小便瓶が散乱しており、アマゾンの過酷な配送方法ではトイレに行く時間がほとんどないことを毎日漂う尿の臭いから思い知らされた。

 仲間と一緒に行動しながら彼女は考えていた。「娘が学校に通い始めたばかりの頃、学校で何か問題があれば声に出して言いなさい、立ち上がって闘うのが怖くても、黙っていてはいけない、と娘に言い聞かせました。今、チームスターズ労組と取り組んでいるこの小さな行動でそれをやって見せなければ」。

急増する請負業社

 この運転手たちはアマゾンの4,400のデリバリー・サービス・パートナー(DSP)プログラムの一員である請負業社に名目上は雇われているが、実際にはアマゾン社が全権を握っている。クィーンズのこの運転手たちは三つの別の請負業社に雇用されている。このような請負業社を通じて、アマゾンは39万人の運転手を雇用しているという。これはチームスターズが組織化している物流最大手UPS社とほぼ同じ規模の労働者数だ。 アマゾンはこの4月に宅配便事業でUPSを追い抜いた。物流サプライチェーン企業MWPVLインターナショナルの最新の数字によれば、アマゾンは米国内に695の配送センターと、空港のハブを含む577の倉庫を持っている。 今日行動を起こした運転手たちは、配送センターDB4Kから発送される荷物を扱っており、そこの倉庫労働者たちもまた、アマゾニアン・ユナイテッドという委員会の緩やかなネットワークを通じて、何年も前から組織化を進めてきた。

全国的な勢い

 7月、DB4Kで働くアマゾンの倉庫労働者は、ブロンクスの別の配送センターを含む5つの倉庫で組合加入を求める署名運動を組織する主要なリーダーだった。配送センターは、荷物が配送車両に積まれて、郵便受けや戸口に発送される場所である。

 600人の労働者が署名し、時給25ドル、7月のプライムデーの16〜17日の時給を1.5倍にすること、季節労働者を雇用後30日以内に正社員に転換すること、奴隷解放記念日の6月19日を有給休日にすることを要求した。

 また、このニュースは、ジョージア州とカリフォルニア州の全国労働関係局(National Labor Relations Board)の地方長官が、不当労働行為違反の調査の結果、アマゾンとその請負業社2社を共同雇用者と認定したことを受けて発表された。全国労働関係局はアトランタの配送DAT6施設で、アマゾンが従業員を監視し、労働者がチームスターズに加入すれば下請業社のMJBロジスティクスを閉鎖すると脅すなど、強圧的な発言をしたという組合の申し立てを正当と認めた。

 2023年4月、カリフォルニア州パームデールの施設のアマゾンの運転手は、下請業社で初めて労働組合の承認を勝ち取った。バトル・テスト・ストラテジーズという会社は、チームスターズ労組ローカル396と交渉し、労働協約を締結し批准した。

 次にアマゾンの運転手がイリノイ州スコーキーで組織化した。アマゾンが下請業社のフォースター・エクスプレス・デリバリーとの契約を打ち切ったとき、運転手たちはすでに組合承認カードで過半数の支持を得ていた。アマゾンが自分たちの組合を承認せず、交渉も行わないことは労働法に違反していると主張し、6月にはストライキを行った。

「アマゾンはもはや、私たちの低賃金と危険な労働条件の責任を逃れることはできず、不当労働行為を否認し続けることはできない。私たちはアマゾンの労働者であり、アマゾンの責任を追及している」と、アマゾンの運転手でパームデールのローカル396組合員であるジェシー・モレノは語った。「私たちはアマゾンの法律違反を阻止するためにストライキを行い、全国労働関係局で勝利している。アマゾン労働者を全国で初めて組織化している。」

団結し、モチベーションを維持する

 チームスターズの組織化の機運が広がるなか、アマゾンは運転手の賃金を引き上げている。同社は今月、時給を20.50ドルから22ドルに引き上げると発表した。同社は全体として、DSPプログラムに20億ドルを投資している。これは過去6年間の123億ドルに上乗せされるもので、アマゾンの収益にとって下請労働者がいかに重要かを示している。

 アマゾンの下請け運転手が初めて組合結成したのは2017年。デトロイト市のダウンリバーにあるアマゾンの下請業社シルバースター・デリバリーで働く46人の労働者がチームスターズ労組ローカル337に加入したが、その後すぐに同社は閉鎖された。

 2021年にアマゾンの組織化を支援する部門を立ち上げたことで、チームスターズの組織力は向上した。2年前に独立したアマゾン労働組合を結成したニューヨーク州スタテン島の巨大なJFK8倉庫の労働者が、6月にチームスターズへの加盟を投票したため、チームスターズはアマゾンの倉庫を組織する唯一の組合となった。7月に行われた役員選挙では、新しい指導部が指揮を執ることになった。

 南カリフォルニアにあるアマゾンのサンバーナーディーノ航空ハブKSBDの労働者は、経営陣の報復を撃退し、熱中症からの保護を勝ち取るために組織化している。そこの労働者は、独立労組のインランド・エンパイア・アマゾン・ワーカーズ・ユナイテッドの組合員である。

 また、ケンタッキー州北部にあるアマゾンのハブ空港KCVGの労働者は、別の独立組合に所属していたが、同じ空港に隣接する物流大手DHLの労働者がチームスターズに加入し、有利な労働協約を批准した後、4月にチームスターズへの加入を投票し、7月にはストライキを行った。アマゾンの組合つぶしには一定のパターンがあるが、最近の労働者の組織化も同様で、みなチームスターズに加入している。

「必要なのは、私たちが団結し、モチベーションを維持することだ」とジョンソンは言う。「アマゾンの労働者たちよ、自分たちの活動を続けよう。みんなチームだ、みんな労働組合員だ。」


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