なくしたい!郵便局の「過労死・自死・パワハラ」/「郵便局員過労死家族会」が発足 | |||||||
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なくしたい!郵便局の「過労死・自死・パワハラ」〜「郵便局員過労死家族会」が発足→動画(本社前宣伝行動 9分半)・動画(尾林弁護士スピーチ 17分半) 郵便局でこれだけ人が死んでいるのか! 「郵便局員過労死家族会」発足記者会見の資料をみて、まず驚いた。2001年から2024年の間に、会が把握している突然死・自死の記録が25件も並んでいる。そのうち労災認定を受けたのは2件しかない。そんな異常な郵政の職場をなんとかしたいという思いで、9月19日、「郵便局過労死家族とその仲間たち」(略称=郵便局員過労死家族会)が正式に発足した。全国から集まった会の一行は、12時に日本郵政本社前でマイクアピール行動をした。 そして午後には参院議員会館で「発足の集い」(写真上)を開催し、夕方には厚労省で発表記者会見を行った。会の共同代表は、「さいたま新都心郵便局過労自死事件」遺族の小林明美さんと札幌豊平局パワハラ裁判の原告、そして郵政労働者が事務局を担っている。 小林明美さんの夫・小林孝司さんが過労自死に追いこまれたのは2010年12月の「さいたま新都心郵便局」だった。同局は、完全民営化のモデル局で、経営効率と過重なノルマが押しつけられていた。年賀状7000枚やお歳暮販売のノルマがあり、達成できなければ叱責された。やむなく自分で購入する「自爆営業」もはびこった。そして些細なミスがあれば、朝礼で多くの職員に囲まれ、「お立ち台」でつるし上げられる。そんな光景が常態化していた。そんななかで孝司さんはうつ病を発症し、局内飛び降り自死に至った。
妻の明美さんは責任を回避しようとする会社の姿勢に納得がいかず、たたかう道を選んだ。そして郵政ユニオンと職場の同僚の支援を受けて、「安全配慮義務違反」裁判で会社の責任を追及し、解決金・謝罪・労災認定という和解を勝ち取った。明美さんは「声を上げるのは本当に大変。私の場合はたくさんの支援を受けて解決できた。今度は私が恩返しする番だと思っている」と共同代表を引き受けた思いを語った。 事務局長の倉林浩さんは「さいたま新都心事件以降も突然死・自死があとをたたない。しかし大半の被害者・遺族は声を上げられず沈黙しているのが現状。この状況を変えていくために、この会をつくった。相談活動や日本郵政グループ各社に実効対策を求めるなどの活動を通じて、過労死のない社会をめざしたい」と抱負を述べた。 また集いでは、尾林芳匡弁護士が「郵政と過労死を考える」と題する特別スピーチを行い、過労死多発の背景に迫った。
事態は深刻である。今年に入ってからも4件の死亡事例が確認されている。そのうち3件は「新東京郵便局」で起きたもので、「深夜勤」の非正規社員が持病はないのに突然死(心不全)で亡くなっている。61歳・51歳・51歳のベテランだった。会見では、新東京郵便局の労働組合、東京中部ユニオンのメンバーが事例を具体的に説明した。 「61歳の方は勤続14年、仕事中に体調をこわし早退したが、翌日に心不全で亡くなった」「51歳の方は勤続26年、出勤してこないので家に行ったら、座ったまま亡くなっていた」。新東京郵便局は数千人が働くマンモス局で、翌日配達物などを種分けしている。拘束11時間の重労働で健康破壊が懸念されているという。ユニオンメンバーは続けた。「嫌なら辞めればいい、という声がある。しかし深夜手当は1.5倍つくので、生活のために辞めるに辞められなくなっている」。便利社会の裏側では、命が削りとられているのだ。 10月から郵便料金が値上げになる。郵政民営化の失敗と歪みはだれの眼にも明らかになってきた。日本郵政グループには約40万人が働いているが、郵政の職場環境の改善をすすめることは日本全体に大きな影響を与えるだろう。「過労死のない社会」を実現するためにも、「郵便局員過労死家族会」の発足と役割は大きい。(M) ↓会見で示された「突然死・自死」の事例(会のホームページに詳細あり) Created by staff01. Last modified on 2024-09-22 15:14:00 Copyright: Default |