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タガがはずれた大軍拡!〜「殺傷武器輸出」に反対する市民集会開かれる

動画(杉原発言/12分)

 岸田政権は、今まで禁じていた「殺傷武器の輸出」を年内にも解禁しようとしている。それは日本製の武器で他国の人々が殺傷されるという事態を意味している。「平和国家」を投げ捨て「死の商人国家」に堕落していいのか? 10月1日、東京・文京区民センターで開かれた市民集会には110名が集まった。参加者の表情、反応からは、タガがはずれた大軍拡に対して「なんとかしなくては」との危機感にあふれていた。主催は「STOP大軍拡アクション」。

 まず青井未帆さん(学習院大学教授・写真上)が講演し、憲法の平和主義とまったく相容れない「殺傷武器輸出」の問題点をこれまでの歴史的経緯を踏まえて、厳しく批判した。日本国際ボランティアセンターの今井高樹さんは、これまで日本政府自身が進めてきた「非軍事的国際協力」を放棄すれば、平和国家としての信頼が失われる、とNGOの立場から警告した。

 この日は、東芝の技術者だった海老根弘光さん(写真上)が登壇して、軍需産業を起きている現実を生々しく語った。
「軍事生産に従事する人は、飲み屋でも家族でも、何も話していけないことになっている。従事者は、家族全員の経歴調査が実施され、それを防衛省に提出する。そして『防衛秘密業務従事者適格証』の交付をうけるが、交付を受けたあとは毎月1回の保全教育があり、講師から“家族にも話さない。特に飲み屋、食堂、トイレ等は要注意”とたたき込まれる。身辺調査も行われ、思想信条や労働組合活動などが調べられて、不適格となれば、防衛生産から排除される」。

 経歴調査書の現物(写真上)を公開しての海老根さんの発言に、会場は釘付けとなった。「人権侵害の経歴調査は中止すべきです。職場は暗くなり、労組は何もいえず自由な活動も阻害される。三菱電機は今回、防衛部門を1000人増員するが、東芝よりひどい状況だ。電機連合(大手の電機関係労組)が政権寄りになってしまったのは、そういう背景がある」と嘆いた。

 武器取引反対ネットワーク代表の杉原浩司さん(写真)は、「殺傷武器輸出は解釈壊憲の最終形」であり、今秋の一大争点にしよう、と訴えた。そして日英伊で共同開発しようとしている戦闘機の第三国輸出問題について、具体的に説明した。「2015年に起きたサウジのイエメン軍事介入では、サウジの戦闘機100機中72機が英国が輸出したユーロファイターだった。そして2724回に及ぶ無差別空爆で多数の民間人が殺された。この武器輸出については、国連専門家グループからも批判されている。これから日本が英伊と共同開発でつくる戦闘機は、まさにこういう形で第三国に輸出され、他国の人々を殺傷することになる。許してはならない」。

 「STOP大軍拡アクション」は10月25日に、「子どもたちを殺すな! 次期戦闘機の日英伊共同開発をやめろ!」というアクションを計画している。この日は、「死の商人」めぐり(仮)と題して、軍事企業である「BAEシステムズ(イギリス)「レオナルド(イタリア)」「三菱重工(日本)」のビルを回って、要請行動を行う予定だ。(M)

→STOP大軍拡アクション メール anti.arms.export@gmail.com


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