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晴れやかで、凜々しいストライキ!〜「そごう・西武労組」が雇用維持を求めて立ち上がる

動画(8分)

 晴れやか、凜々しい。たたかう「そごう・西武労組」の人々の顔は光っていた。8月31日、「雇用維持と事業継続」を求めて、そごう・西武労働組合はストライキに立ち上がった。大手百貨店では61年ぶりというストライキに、マスコミの取材が殺到した。

 午前9時には支援の労働者や個人が池袋の西武本店前に集まってきた。午前10時、本来ならお店が開く時間である。マスコミは一斉にカメラを入口に向けた。撮影対象は定刻に開店しないデパート入口のシャッターだった。

 午前11時からは「そごう・西武」労組は池袋本店近くの公園に集結し、そこから東口の繁華街を一周するデモ行進を行った。出発集会で寺岡泰博委員長(写真上)は、「きょう一日お客さまにはご迷惑をおかけして心苦しいが、このまま永遠にシャッターが閉まったら元も子もない」と呼びかけた。

 デモ行進の参加者は組合員ら300人以上。若い人が多い。「西武池袋本店を守ろう!」「池袋の地に百貨店をのこそう!」のシュプレヒコールをしながら、東口の繁華街を練り歩いた。ひときわ目立ったのは「ストライキ決行中!!」の赤いプラカードだった。

 デモのマイクアピールでは、「私たちは労働組合だ。だから全国10店舗4000人の雇用を守りたい。そのためには会社の存続が必要だ。社員の心情、地域への影響などが考慮されず、協議がつくされてないまま会社譲渡を決めていいのか」と丁寧に訴えていた。

 またデモの先頭に立つのは、「そごう・西武」の寺岡委員長ら執行部だけでなく、ライバルのはずの高島屋など百貨店組合幹部たちで、「あすは我が身」と顔をそろえた。この問題が一企業をこえて百貨店業界の問題にもなっているのだ。

 この日は気温がぐんぐん上がり炎天下のデモで参加者は汗だらけだった。慣れないデモで、最初はシュプレヒコールの声も小さかった。ところが本店ビルが見えてくるあたりから声のトーンが上がった。そしてコールにあわせてこぶしを突き出すようになっていた。なにか吹っ切れたようだった。ふだんはデパートの販売職だった人がプラカードを手にした。晴れやかで、凜々しいストライキになった。

 デモ後の囲み会見で、61年ぶりのストライキの意義を問われた寺岡委員長はこう答えた。「組合員の全員投票をストを決め、組合の総意として会社に意見をぶつけることができた。そして今回もう一つ大きなステップとして、世論に訴えることができたことだ。競合の百貨店の仲間も加わった。そういう意味で歴史的役割を果たすことができたと思っている」と。

 通行人や街頭の人々の声も組合を支持するものばかり。「池袋はやっぱり西武と東武。池袋には電気屋はもういらない。いろいろあっても西武を残してほしい」という声が聞かれた。しかしこの日午後、親会社「セブン&アイ」が「そごう・西武」を米投資会社に売却することが決定した。「そごう・西武」労組のたたかいは新たな段階に入るが、この日の61年ぶりのストライキは、各界に波紋を広げることは間違いない。(M)


Created by staff01. Last modified on 2023-08-31 18:54:54 Copyright: Default

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