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世代を超えて引き継がれる戦争〜黒井秋夫さんと戦争PTSD堀切さとみ 毎年毎年、戦争を直接体験した人が亡くなっていく。戦争を語る人がいなくなったらどうなってしまうのか。そんな心配をするのは私だけではないだろう。 今年の8月15日の朝日新聞は、二面にわたって戦争PTSDをとりあげた。PTSDはトラウマの一種で「心が絶えられないほどの衝撃を受け、現在に至るまで恐怖や不快感をもたらし続ける状態」をいう。 中国戦線からの復員兵だった黒井さんの父は、定職につかず家族と話もしないまま生涯を終えた。まるで「でくのぼう」のようだったと、黒井さんは父を軽蔑し続けていたという。
欧米では、戦争から帰った兵士の精神の病は、早くから問題にされていた。アメリカではベトナムやアフガンからの帰還兵の20〜50%が発症したといわれている。しかし、日本ではほとんど聞いたことがない。 2018年に黒井さんは「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」を立ち上げ、武蔵村山市の自宅に小さな資料館をつくった。戦争トラウマを抱えた日本兵とその家族は、少なくないと思うからだ。 「自分のしたことを話せる環境があれば、父の人生は違ったものになっていただろう」と黒井さんは悔やむ。「隠したい」「しかし誰かに聞いて欲しい」という感情は、心の奥深く、潜在していたに違いない。PTSDはその人間性の発露ともいえた。 この本の中で一番驚いたのは、731部隊に軍医として派遣された父を持つ、野崎史郎さんの証言だ。まだ6歳だった野崎さんに、父は細菌培養、人体実験のことを、手柄話として語ったという。幼心に異常だと感じていたが、父に反省を促すような言葉をかけられなかった自分を苛み、野崎さん自身が精神を病んでしまう。
黒井さんが開いた資料館には、たくさんの子どもたちがやってくる。手りゅう弾や手りゅう弾に触らせ、「人を殺したり、殺されたりする人間になってはいけない」「何事(戦争)があっても生き延びろ」と話す。子どもたちは真剣に聞くそうだ。 「戦争する覚悟が大事だ」と発言した麻生太郎氏は、戦争の何を知っているのだろうか。ぜひ資料館に来て、子どもたちと対峙してもらいたい。 『PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会』ホームページ 9月3日(日)13時から武蔵村山市民会館大ホールで「PTSDの日本兵と家族の思いと願い 東京証言集会」が開催されます。 Created by staff01. Last modified on 2023-08-26 07:16:09 Copyright: Default |