犯罪の根っこにあるものと向き合いたい〜映画『前科者』 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(フェスタ投句先) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
犯罪の根っこにあるものと向き合いたい〜映画『前科者』乱鬼龍映画『前科者』を観た。私はこの作品が、元々は「ビックコミックオリジナル」に連載されたものであるということをまったく知らなかったので「コミック」も数冊買ってみた。 はじめは「前科者」が主人公の映画なのかと思ったが、実は前科者を世の中に更生させようとする「保護司」(有村架純が好演)が主人公で、前科者との間に織りなす様々な物語が展開される。こうした映画はややもすると、「更生しようと頑張る前科者」と「それを支える保護司」という、ステレオタイプな美談になりがちだが、この映画はそれだけではない。周りにいる「警察」「行政」「地域の人々」などを、なかなか巧みに組み合わせていて、肉厚な作品に仕上がっていると思った。 森田剛が演じる「前科者」の、つらく貧しく過酷な生い立ち。彼には弟がいて、子どもの頃、母親が二人の目の前で殺されてしまう。兄弟は施設に預けられるのだが、その後、限りなき恨みをはらすために、関係者を弟が次々と拳銃で射殺していく。それを知った兄は、弟の逃亡を助け、共に逃げ廻っていくのだが、その中で、弟がなぜ射殺事件を引き起こしたのかが、次第に明らかになっていく。殺された側にも、それぞれの責任があり、そのことに対する積年の恨みや怒りが、ついに爆発して犯行に至る。この展開は単に「前科者」「保護司」という関係性だけではなくて、なぜ「犯罪者」が出て「前科者」が出るのかという、この世の中の矛盾の根底を描いていて、佳作だと思った。 いい映画は、私たちの血となり肉となりビタミンとなる。それを私は「栄養映画」と呼びたい。そして私は今、この矛盾と劣化に満ちた世の中に生きていて、この映画が放つ深く思い問いかけに、どう応えるべきか考えている。 Created by staff01. Last modified on 2022-02-09 19:43:55 Copyright: Default |