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その手をギュッと握りしめた〜「表現の不自由展かんさい」始まる

志水博子

 受付のお手伝いをする前に展示を観た。私が何より会いたかったのは「平和の少女像」だった。彩色された少女像は済州島で出会った銅像よりずっとあたたかみがあり、いきいきしているように見えた。こんないたいけな少女を恐れている輩たちがいる。恐れるあまり少女像を侮辱し、その存在を認めようとしない。私たちはちゃんと向き合わなければならない。戦争中、日本軍はこのいたいけな少女たちに何をしたか、ということを。
 そのことを知らないで平和を語ることなどできないはずだ。奴らのように知ろうとしない人々がいる限り平和は遠い。それは天皇の戦争責任と表裏一体の問題だ。外では「天皇教」の奴らががなり立てていた。それを許したのは、天皇の戦争責任を曖昧なままにして来た私たちの責任かもしれない。
 少女像の隣に座り、その手をギュッと握りしめた。表現の不自由展かんさい実行委員の皆さん、ありがとう。こういう機会を作ってくれたことに感謝したい。(7月17日)


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