●韓国サンケン労組を支援する会・3月4日第24回木曜行動報告
和田社長は退任する前にやるべきことがある!
偽装解散・解雇を撤回し韓国サンケン再稼働を!
3月2日の夜、支援する会はサンケン電気営業所への抗議行動を展開している全国各地の仲間とオンラインで交流した(写真)。韓国サンケン労組の仲間も加わり、偽装廃業・解雇撤回闘争の更なる強化を誓い合った。韓国国内は言うまでもなく、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、福岡、広島、大阪、愛知など支援の輪は確実に広がっている。グローバル資本・サンケン電気の非道に真正面から闘いを挑む韓国サンケン労組の正当性―闘いの〈大義〉が誰の目にも明らかだ。支援する会は、今後、サンケン電気の取引先から株主へと取り組みを拡大強化する。和田社長も、その後継社長も、解決を先送りするほどサンケン電気資本が被る打撃は甚大になることを知るべきだ。
村上ファンドOBらによる公開株買い付けから一ヵ月。サンケン電気本社の「中立」意見表明から一週間。3月3日に和田節社長の退任と高橋広上級執行役員の新社長就任が発表された。6月下旬の株主総会をもって新体制に移行し、和田社長は取締役会長職に就くという。組合つぶしに15年間も執念を燃やした和田社長の退任が何を意味するのか、サンケン電気の内部事情は私たちには知る由もない。確かなことは、和田社長は新体制に移行する前に、韓国サンケン争議を解決する必要があることだ。
3月4日第24回木曜行動。3月に入ったが、まだ足元からジワジワと冷えてくる。韓国は日本よりも10度以上気温が低いようだが、「馬山は春めき、花が咲き、暖かい風が吹き始めた」「しかし新座市内の本社周辺は冷気が漂い冬のように感じられる」韓国サンケン労組の仲間は語る。オンラインで届くアピールは、いつも聞く者の心を強く揺さぶる。新座市内の本社前から志木駅、池袋東京事務所前まで、延べ約80人が木曜行動に参加した。
≪3月4日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「毎日コンクリートの上で弁当を食べる気持ちがわかるか!」≫
いつものように郵政ユニオンの仲間の訴えで、サンケン電気本社前から木曜行動スタート。
韓国サンケン労組のペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。「すっかり春、花も咲き始めた。闘い始めて8ヶ月になる。私たちにとって青天の霹靂のように首切りがあり、いつの間にか月日が経ってしまった。韓国サンケンは、韓国の地で48年間も大きな利益を上げて来たが、その利益を投資に回さずに、その結果として経営も厳しい状況になった。韓国人の社長は『会社がこうなったのは組合のせいだ』と言うが、会社を守ろうとしてきたのは組合だ。そんな私たちを会社は路上に放り出した。5年前の指名解雇も撤回させ現場に戻ることができたが、職場復帰すると、ガランとした工場に椅子がいくつかあるだけだった。職場復帰にあたり、『工場の正常化』と『重要事項の労使協議』を会社と確認し、本社の承認のもとで合意書を結んだ。いつかは本社が韓国サンケンに設備投資するだろうと思っていたが、サンケン電気はこっそりと別会社を買収し、新たな投資も予定している。なぜこんな理不尽なことが許されるのか!私たちが歯をくいしばって守ってきた工場を、屑を捨てるように潰してしまうサンケン電気本社を、絶対に許すことはできない!一日も早く話し合いに応じるよう求める!」
ヤン・ソンモさんが続いて訴える。「明日は韓国も『啓蟄』、長い冬が開けて春が近づいた。しかし新座市内の本社周辺は冷気が漂って冬のように感じられる。馬山は暖かい風が吹くようになり、春めいて来ている。月日の経つのは早い。和田社長、お元気ですか!あなたは一日にして韓国労働者と家族を苦しみのどん底に落として平穏でいられるのか!私たちは韓国全土で闘いを繰り広げている。韓国労働部、与党民主党本部、国会前で声をあげ、冷たいコンクリートの上でお弁当食べている。和田社長はどこでご飯を食べてますか?私たちの息子や娘たちは怖いのを我慢して家で寝ている。あなたの家族はどうしてますか!和田社長の誤った判断で、家族もつらい思いをしている。私たちが、家族が、子どもたちが、サンケン電気に何か悪いことをしましたか!何の権利があって、家族を苦しめるのか!私たちに苦しみを与えながら、こっそりと別会社で生産して輸出までしているではないか!和田社長の誤った判断により、サンケン電気は恥知らずな企業として非難の的になっている。韓国だけでなく、日本各地の営業所でも抗議の声が沸き起こっているではないか!今からでも遅くはない。一日も早く解決をすべきだ。話し合いに応じるべきだ。和田社長は時代の流れをわからないのか!労働者が生き延びなければ、企業は発展できない。まもなく株主総会の議題が決まると聞いている。株主総会で、韓国サンケン廃業の過ちを認め工場の再稼働を決定すべきだ。韓国労働者の決意を甘く見ない方が良い!」。
埼玉市民の会の仲間から発言。「近所にいる知り合いの80歳を超える元社員が、『会社が夜間高校に通学させてくれた。サンケン電気には感謝している』と話していた。サンケン電気の社員であったことに誇りを持っているというその元社員に、現在のサンケン電気の実態、韓国労働者への非道なやり方をとても伝えられなかった。和田社長、恥ずかしくないのか!」。
韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長が続く。「厳しい冬が去り、少しずつ春が近づいてきた。馬山は、朝はまだ冷え込んでいるが、昼は暖かくなる。眠気覚ましにアイスキャンディーを食べることもある。当たり前の日常が、私たちの前から消えた。朝コーヒーを飲んで、ラインの仕事にかかり、同僚と話す。昼過ぎのラインで眠気をかみ殺す。そんな日常が、朝の出勤闘争、要請行動、街頭宣伝に変わった。なぜこんな変わったのか?問題の根源は、取締役会の一方的な解散決定にある。韓国サンケンの問題を労働者に責任転嫁するのは、本当に無責任だ。別会社を設立し、こっそりと生産し輸出して、労組のある韓国サンケンは潰していく。そんなことが許されるのか!私たちは4年前に指名解雇を撤回させ、会社と合意書を交わした。その約束をサンケン電気は反故にした!話し合いどころか、本社のホームページで取締役会の廃業決定を知った。韓国人社長は、最初は『自分も知らなかった』と嘯いたが、後に『実は知っていた』と居直った。嘘八百ではないか!韓国人労働者を無視し、欺瞞する態度で一貫している。日本では『サンケン電気は社会貢献する企業だ』と宣伝し、他国では別の姿を見せている。韓国ではサンケン電気の非道さに批判が高まり、日本のイメージを貶めているではないか!」。
キム・ヒュンガン事務長が続く。 「何度も話し合いを求めたが、本社の答えがない。和田社長、それほど韓国人労組が憎いのか!偽装廃業で労働者と家族を苦しめていることを、和田社長は分かっているのか!子どもを家に置いて闘争に駆けつける労働者を、偽装廃業で解雇されて心を病む労働者の思いを、分かるのか!和田社長にも、経営陣にも良心はないのか!なぜ労働者と家族を崖っぷちに追い込むのか!いくらお金が中心の世の中といっても、社会は人間で成り立っている。労働者を人として扱わない、話し合いもしない。そんなことがあっていいのか!赤字が廃業の理由だというが、赤字はどうやって作り上げたのか?本社と経営陣が意図的に作ったのではないか?なぜ労働者の責任なのか!本社のホームページで廃案を知ったときに、社長は『知らない』と嘯いた。案山子のような韓国人社長を押し出し、後ろで糸を引いて赤字をつくりだし、韓国人労働者を追い出した。民主労組を破壊する行為、職場を潰す行為は許すことはできない!工場と職場を守るために私たちは闘い続けてきた。私たちは使い捨てにされる機械の部品ではない。社会を動かす原動力となる労働者だ。あなた方が私たちを無視しようとしても、許さない。労組嫌悪と弾圧に怯むことはない。闘いで和田社長を交渉に引きずり出す!」
最後に中部地域労働者組合・旭ダイヤモンド工業争議団の仲間が発言。門前から本社に向かってシュプレヒコールで志木駅南口に向かう。
≪3月4日9時 志木駅南口「奇跡は待ってもやってこない、生きている人間が自ら作り出すものだ!」≫
志木駅南口のアピール行動は、埼玉市民の会の仲間のアピールからスタート。
まずキム・ウニョンさんから訴え。「2016年に解雇撤回を訴えて、この志木駅に立ったことがある。1年半近く、毎日訴えた。多くのみなさんに賛同していただき、解雇を撤回させることができた。労使合意書も結んだが、会社は全く守らなかった。そして廃業となった。約束を守らないような企業の製品が信用できるのか?新座市民のみなさん、サンケン電気本社に批判の声を!韓国でも春めいてきたが、東海岸では雪が降った。まだ朝晩は冷え込むが、その中でビニールテントで寝泊まりしている。なぜ韓国サンケンにこだわり、苦しい闘いを続けるのか?そう問いかける人もいる。奇跡は待っていて来るものではない。奇跡は生きている人間が自らの力で作り上げるものだ。闘う相手がグローバル企業ならば、相手に不足はない。酷い会社のやり方に我慢することはありえない。なぜこだわるのか?この職場にあたしたちの青春があった、仲間がいた、労組があった、私たちの歴史があった、だからこだわって闘わなければいけない。我慢ばかりしてはいられない。そう答える。闘い続けた26年間、韓国サンケンで流した涙、流した汗を全部集めると大きな川になる。職場で労組をつくり、職場で生きてきた。悲しみも喜びも苦しさも腹立たしさも、そこに詰まっている、その職場と労組を守るために闘い続ける。和田社長は、陰に隠れていないで、コソコソ逃げ回らずに話し合わねばならない。私たちは諦めない。私たちには労組があり、闘う仲間がいて、支援し連帯する日本の仲間がいる。だからこそ私たちは闘い続ける。人倫に悖るやり方に、サンケン電気とそこで働く労働者の名前が汚されている。闇は光に勝てない。私たちはあきらめない。最後まで闘い続け、勝利を手にする!闘争!」
キム・ヒュンガン事務長が続く。「私たちに対して、会社から廃業の説明が何もなかった。5年前にもこの志木駅で訴えた。今回は韓国から日本に行けないが、日本のみなさんが支援してくださり、こうしてインターネットで訴えることができている。闘いの中で多くのことを知った。会社が労組を潰そうと躍起となっていたこと。LG系列の家族経営で問題があった会社を16億円で買収していたこと。100%子会社があるのに別の会社を買収していく。労組潰しの恥知らずなやり方だ。韓国サンケンに残っている仲間は16人だ。1万人の雇用を抱えている、業界売り上げ世界8位のグローバル企業が16人の雇用に責任が持てないことなどあり得ない。サンケン電気は直ちに廃業を撤回し、4年前の労使合意内容を履行すべきだ。累積赤字があるので廃業すると言うが、企業にとってピンチをチャンスに変えて、新たなアイテムで再生させるのが経営の役割ではないか。危機だから、赤字だからと切り捨てるのではなく、労働者と話し合い、危機を克服していくのが経営者の任務だ。一緒に考え、韓国サンケンを再生させるために何ができるのか、話し合うべきだ。コロナ危機だと切り捨てるのではなく、共に生きる道を探るべきだ!」。
埼玉市民の会の仲間が韓国サンケン労組を激励する替え歌を熱唱。「私たちはあきらめないぞ、韓国サンケンの労働者を職場に戻すまで♪」
ペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。「韓国の地で私たちは闘いを続けている。街頭で実情を訴え、サンケン電気のヒドイやり方を宣伝している。街頭にいると酷い言葉をかけられて怖いこともあるが、日本の仲間の闘いが支えになる。正直言って、時々泣いてしまうこともあり、言い争いもある。しかし日本のみなさんの支援を思い、気を取り直して出かける毎日だ。終わりが勝利であれば喜びになる。毎日自分にそう言い聞かせている。1月20日の廃業の後も、会社の管理職が出勤している。『清算の仕事がある』と会社に時々顔を出す。韓国サンケンの名前で色々画策しているのかなと思う。管理職は多額の慰労金をもらって退職したが、誓約書を出している。秘密保持の約束を破ると違約金を取られるので情報、内部事情は聴きだすことができない。韓国サンケンの廃業は長い間に計画されてきた。赤字も作られた。私たちの主張が間違いだというなら、詳細な資料を出して説明すべきだ。サンケン電気とLGとの合弁会社の内容についても明らかにすべきだ。私たちは黙っている組織ではない。今後も不当なことは不当だ、間違いは間違いと指摘していく。和田社長は合意書を守り、直ちに話し合いに応じるべきだ!解雇撤回まで闘う!」
オ・ヘジン支会長が訴え。「私たちが200日以上にもわたって訴えているのは、サンケン電気の不道徳で恥知らずなやり方を知ってほしいからだ。4年前に結んだ労使合意書を全く守らない。こっそりと別会社を作り、韓国サンケンの廃業のチャンスを狙ってきた。グローバル企業がなぜこのようなことをするのか問いたい。サンケン電気が正しい道を歩むようご支援を!」
明大生協労組の仲間の発言で志木駅南口の行動を締め括り、池袋に向かう。
≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「子どもがテントで震えている。サンケン電気は残忍な会社だ!」≫
昼休み行動の前に、池袋・東京事務所の入る藤久ビルの7階に総務のI氏を訊ねる。I氏には1週間前にオ・ヘジン支会長が「何ができるか自分で考えること」「責任ある本社の人間を連れてくること」の2点の宿題を課した。オ・ヘジンさんがオンラインで追求したが、今回も誠意のない対応に終始した。
ビル前の歩道で、昼休みアピール行動。最初に日韓ネットの仲間が韓国サンケン労組を激励する「さっちゃん」の替え歌を熱唱。大きな拍手。支援する会の渡辺共同代表の発言に続き、埼玉市民の会の仲間の歌、埼玉市民の会、ユニオンネットお互いさま、連帯労組武蔵学園の仲間のリレートーク。所沢労音の仲間は人目を惹く面をつけて「アリラン」を披露。
三多摩合同労組の仲間の訴えに続いて、韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長のオンライン・アピール。「いま組合員が4ヶ所に分散して街頭宣伝活動を展開中で、池袋の昼休み行動をオンラインで見ている。5年前の指名解雇攻撃に対して労働委員会で勝利命令を勝ち取り4年前に解雇を撤回させ労使合意書を結んだ。しかし会社はその合意を履行せず、労組を無くすための悪事を働いてきた。偽装赤字を膨らませ、一方でLGグループと組んで16億円で別会社を買収し、虎視眈々と廃業を狙ってきた。コロナを利用して昨年、廃業を決定した。一方的で卑劣な廃業解雇は直ちに撤回されなければならない!和田社長は話し合いに応じるべきだ。4年前にもサンケン電気と正面から渡り合って勝利した労働者だ。勝利への固い意思と連帯で勝利した。今回も勝利する!」
キム・ウニョンさんが続く。「1995年に民主労総に加盟すると96年から会社の弾圧が開始された。当時はインドネシア移転を本社の株主総会で提案した。その時から私たちの闘いが始まった。一年半の闘いで、会社の食堂に寝泊まりしながらインドネシア移転・工場閉鎖を撤回させた。当時は休業状態から突然仕事が増え、社員も600人にもなり忙しくなった。しかし膨れ上がった人員を維持するためにはアイテムが必要だと会社に要求した。しかし会社は都合のいい時には労働者を増やして利潤を上げるとリストラに打って出て、多くの労働者が去っていった。5年前には組合員の指名解雇攻撃があり、これを跳ね返した。しかし復職の時の労使合意書も破られた。約束を破る、サンケン電気はそんな会社だ。子どもがテントで震えている。サンケン電気ほ残忍な会社だ。3歳にしかならない子どもをやむを得ずテントに連れて寝泊まりする組合員、家に子どもを置いて闘争する組合員がいる。30年も働いた労働者に話も説明もなく廃業する。そんな会社がどこにあるのか!職場と組合員、家族を守るために最後まで闘う!日本のみなさんから大きな力を得ています!勝利集会をする日まで闘い続ける!共に手を結びあって、頑張りましょう!闘争!」
最後に池袋・東京事務所に向かってシュプレヒコールを浴びせて、第24回木曜行動を締め括った。
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staff01.
Last modified on 2021-03-10 12:33:05
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