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LNJ Logo 第21回サンケン木曜行動報告 : 「100万民主労総の闘いで、サンケン電気に挑む!」
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●韓国サンケン労組を支援する会・2月4日第21回木曜行動報告

「100万民主労総の闘いで、サンケン電気に挑む!」 〜キム・ウニョンさんが民主労総副委員長に選出されました!

2月4日(木)第21回木曜行動。新座市内は天気快晴、立春を過ぎ寒さは大分緩んできた。しかし先週と同様に、本社前から志木駅南口、池袋へと移動するにつれて冷たい風が強まり、体感温度は下がる一方。東京事務所前の昼休み集会は強風で幟と横断幕がちぎれそうにはためき、ポールを縮めて何とかしのいだ。行動参加者は延べ100人。酷寒の地から海峡を越えてオンラインで届く韓国サンケン労組の仲間の熱いアピールが響き渡った。

韓国内外での闘いの拡がりに焦りを募らせるサンケン電気資本は、韓国サンケンの廃業・解雇を予定通り1月20日に強行し、電気・水道遮断、「工場売却のためのテント撤去・組合事務所退去」を求める内容証明郵便送達と、矢継ぎ早に労組への圧迫を重ねている。会社側のこの脅迫じみた挑発行為、刑事・民事の裁判をちらつかせてのあからさまなに恫喝に対し、怒りの声が高まっている。2月1日に韓国現地及び新座市内本社前と池袋・東京事務所ビル前で抗議行動が展開され、また3日には大阪営業所への抗議行動も大阪の仲間たちによって取り組まれた。さらに4日午後に馬山自由貿易地域管理センター前で慶南地域対策委員会による抗議行動も展開された(下の写真。慶南新聞から)。

「もはや『16人の労組』だけの闘いではない。民主労総傘下の組合員100万人の闘いでサンケン電気に挑む!」―韓国サンケン労組副支会長のキム・ウニョンさんが本社門前のオンライン・アピールで民主労総副委員長に立候補する決意を明らかにしたのは1月21日の第19回木曜行動だった。2月5日の民主労総第7回代議員大会で、キム・ウニョンさんが民主労総副委員長に選出された(写真)。

キム・ウニョンさんが宣告した通り、今後も韓国での事業展開を継続するのであれば、サンケン電気本社の経営陣は100万民主労総と全面対決することを覚悟しなければならない。いまからでも遅くはない。和田社長は、労組潰しのための偽装解散・解雇を撤回し、韓国サンケン労組に全面謝罪した上で、工場正常化に向けた労使協議を直ちに始めるべきだ。

≪2月4日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「労組との話し合いに応じるしか道はない!」≫

出勤するサンケン電気社員の中にも、支援する会の配布するニュースを受け取る人が少しずつ増えているように感じる。郵政ユニオンの仲間の発言から木曜行動スタート。「2月1日にも本社前で緊急行動を実施した。サンケン電気のやり方には怒りを通り越して、あきれている。韓国国内での偽装廃業批判の世論の高まりをも無視して1月20日に廃業・解雇を強行したばかりか、テント撤去・組合事務所退去まで求めてきた。この会社の強硬姿勢に抗議して緊急行動も実施した。サンケン電気が事業を続ける気があるならば、労組と話し合いに応じるしか道はない!」。「そうだ!」の掛け声が飛ぶ。

馬山の組合事務所から、韓国サンケン支会長のオ・ヘジンさんがオンライン・アピール。「清算人が、2回目の配達証明で退去を求めてきた。これに抗議して2月1日に緊急行動を展開した。会社は、3年前から不動産会社に工場を売却する準備をしていた。売れないのを組合のせいにしている。籠城テントや組合事務所の物品があるから売れないのだ、と。これまでも老朽化した工場を補修しないのは資金がないから、本社にも要求できないと言っていた。雨漏りする工場を、誰が買うというのか?漏電の危険もあったが、私たちは工場を守ってきた。工場を正常に稼働することを期待していたから、耐え忍んできた。これまでの歳月は何だったのか?悔しくて堪らない。なぜこんな仕打ちを受けねばならないのか?工場を守ろうとしている労働者に、なぜこのような暴力的な手紙を送ってくるのか。本社は韓国サンケンの社長を案山子のように押し立てて、その後ろにこそこそ隠れて奇襲的に会社を解散してきた。その一方で、LGグループと組んでEKEという会社を16億円も投入して買収し事業展開している。私たちはサンケン電気本社と正面から闘う。責任ある和田社長が話し合いに出てくるまで、あきらめない!」。

事務長のキム・ヒョンガンさんが続ける。「私は韓国サンケンに16年通った。一方的にHPで通告した廃業決定は、多くの人に苦しみを与えた。16人の労働者だけでなくその家族もいる。累積赤字が廃業の理由と言うが、その赤字は誰が作ったのか?労働者のせいだと言っているが、とんでもない。労働者は労働力を提供し、賃金を得るのであって、会社が赤字かどうかは関係ない。利益を上げるために他人のことはどうでもよいと考えるのが資本の特質、それがサンケン電気だ。一方的に、奇襲攻撃のように、嘘ばかりついている。清算人にも腹が立つ。清算の残務ではなく、テントの撤去や組合事務所からの退去、トイレの使用禁止を求めてきた。人権をも踏みにじる行為だ。本当に腹立たしい。怒りで張り裂けそうだ。元の職場と平凡な日常を返してほしい!」

埼玉市民の会の仲間が、地元の市民として発言。続いてソウルで上京闘争を展開するペク・ウンジュさんがアピール。「いまソウルに来てます!日本大使館前で訴えている。どこからきたの?と警察から聞かれたりする。国会、サンケン電気本社前などでスタンディングする。サンケン電気のみなさんは知らないかもしれないが、韓国では韓国サンケンの偽装解散への批判の世論が広がっている。このことを本社は知るべきだ!」。

最後に中部地域労働者組合の仲間が発言。本社に向かってシュプレヒコールで社前行動を締め括る。

≪2月4日9時 志木駅南口「電気・水道の遮断、トイレの使用禁止は人権問題だ!」≫

志木駅南口では、まず埼玉市民の会の仲間が訴え。「零下15度を下回る寒さの中で、テントに籠城して解雇撤回を求めている韓国の仲間に思いを寄せてください!」。

続いてソウルからキム・ウニョンさんがオンライン・アピール。「半年以上も一緒に闘ってくれている日本の仲間のみなさんに、早くお会いしたい!」。スマホの画面に映し出される韓国サンケン労組の仲間は、いつも笑顔だ。「昨年7月からテント闘争、24時間座り込み体制に入って200日が過ぎた。夏はとても暑く、蚊も大量に発生した。零下18度、零下15度が続き、寒い冬を越して立春を迎えた。自然は節度がある。なぜサンケン電気は節度ある行動ができないのか!働く人を踏みつけにして作る製品を、誰が買うのか!48年間も韓国で事業展開して利益を出しながら、30年間働いた労働者をぼろきれのように路頭に迷わせた。そして私たちを会社から追い出すために虎視眈々と緻密な計画を立ててきた。労組がある職場だけを潰す。本当に腹立たしい。イソップ寓話をサンケン電気は知っているのか?欲張りな骨をくわえた犬が、水面に映った自分の姿を見てそちらの骨が大きいと思い口にくわえた骨を落とし、しかも川に映る骨めがけて飛び込んで溺れ死んでしまう。強欲は度が過ぎると身を滅ぼすことを、サンケン電気は知るべきだ。たとえ法に反しなくても、道徳的に問題があれば批判される。サンケン電気は知るべきだ。踏む付けにされた労働者の汗は怒りになって、サンケン電気にはね返ってくる。踏みつけにすればするほど労働者の怒りはサンケン電気本社に向けてさらに大きく燃え上がる。私たちはやられてばかりいる人間ではない!私たちは闘いのみが難局を突破することを知っている。そしてそのような闘いのみが私たちを救うことを知っている。日本の仲間のみなさん、共に闘い勝利しましょう!志木駅周辺のみなさん、サンケン電気の不道徳なやり方に怒りの声をあげてください!」

同じくソウルで上京闘争を展開するペク・ウンジュさんが続く。「昨年7月からの闘いがもう2月。月日がすごく早く感じる。寒い中で路端に立っていると、自分は何をしているのかと思うことがある。早朝に出勤し、同僚とおしゃべりしながら昼食に向かう人々を羨ましく思うこともある。しかし、自分のハチマキ姿、スローガンを着けた姿を恥ずかしいとは思わない。恥ずかしいというよりも、一人でも多くの人が韓国サンケンの非道を知ってほしいと思う。外資系企業の問題が韓国の中で大きく取り上げられているが、一日も早く職場に戻りたい!日本のみなさんから勇気を得て、頑張っている。4年前のように勝利できると確信している。韓国サンケン労組の仲間と大きな声で笑って勝利を喜び合う、そんな姿を想像しています!」。

全日建連帯ユニオンの仲間から訴え。続いて埼玉市民の会の仲間が、韓国サンケン労組を支援する自作の歌を披露。拍手と歓声。

馬山のキム・ヒュンガン事務長がオンライン・アピール。 「サンケン電気は私が16年働いた職場を奪った。累積赤字で休業を余儀なくされたこともあり、希望退職も2回あった。私はそれに応じることなく、会社の正常化を願った。4年前にも指名解雇があったが、撤回させて工場に戻った。その時の労使合意も踏みにじって一方的に解散となり解雇された。今回も会社廃業という重要な問題について説明会が一回もない。清算人は工場売却の脅しをかけているが、そのためには清算の手続きを終えることが必要だ。テントがあり、組合事務所もあるので会社側の思い通りにはいかない。それで清算人から内容証明郵便で、撤去退去を2回も通告してきた。脅迫じみた通告だ。夜のテントは寒くて辛い。電気カーペットを使っているが電気も遮断してきた。水道も遮断して、トイレの使用も禁止してきた。これは人権問題だ。サンケン電気本社に抗議の声を!闘争!」

馬山のオ・ヘジン支会長が続く。「韓国サンケンで18年働いた。韓国でも日本でも支援の輪が広がっているが、サンケン電気本社はすべて無視して、奇襲的なやり方で、廃業を強行した。このような一方的で不当なやり方に対して、3年前の約束を守るように求めてきた。赤字を意図的に作り出しておいて、赤字だから廃業するなどということをどうして認められるか!すべて本社が指示している。サンケン電気が恥知らずな行動をしないよう、労組と話し合うように声をあげてください!」

最後に地元新座市のミュージシャン、ジョニーHさんがギターを弾きながら連帯の歌『アイゴアイゴ』を熱唱し、拍手と歓声で締め括る。

≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「サンケン電気が韓国で事業展開する限り、闘い続ける!」≫

今回も昼前にビル7階のサンケン電気・東京事務所に出向き、オンラインで韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長がI氏と直接やり取りするが、「知らない」「わからない」とまったく無責任な対応に終始。

正午からビル前で昼休み集会。埼玉市民の会の仲間の発言でスタート、日韓民衆連帯ネットの仲間の歌、ユナイテッド航空争議団、支援する会の渡辺共同代表の発言、所沢労音の仲間の歌、明大生協労組、三多摩合同労組の発言、ジョニーHさんの歌と演奏と続いた。

幟のポールが折れそうなくらい強風が吹き荒れる中、韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「きょうも東京事務所のI氏が対応したが、知らない、わからないとのらりくらり、納得いかない応答に終始した。もはや一企業の問題ではない。日本の外務省すら外交問題に発展しないように気を揉んでいる。韓国の国会議員でも知事や市長、地方議会も関心を寄せ注目している。にもかかわらずサンケン電気本社がまったく対応しない。サンケン電気というグローバル企業の本質を見せつけられている。確かに退職金をもらって終りにすれば、という人もいる。面倒な問題に関わりたくないという人もいる。ある意味、その言い方にも一理あるのかも知れない。なぜなら、いつまで闘いを続ければいいのかわからない状況にあるから。しかし私たちは違う。生きている労働者だから、巨大な資本に立ち向かう勇気を持っている。人間としての自主性を持ち、それを踏みにじる輩には、毅然として立ち向かい、不条理に対して沈黙しない。労働者は、不条理や弾圧に団結して立ち向かい、労働者の力で一歩一歩歴史を前進させてきた。力強い労働者の闘いが世界の歴史を前進させ動かしてきた。だから私たちは巨大なグローバル企業に真正面から立ち向かう!グローバル資本が私たちを踏みつけにしようとしても、あとに引かない。3年前の闘いで私たちは勝利の味を知った。あのときも『勝利は無理だ』という声もあったが、不可能な闘いを勝利に導いた。団結した労働者の力、国際連帯の力を、身をもって体験した。サンケン電気がいかに卑劣で、悪辣か。闘いを通じて、そのことを徹底的に暴露する。私たちに残された道はひとつしかない!闘いを止めない、勝つまで闘う意思と組合員の団結、国際連帯の力だ。サンケン電気のあらゆる脅迫、懐柔策に負けずに勝利への道を突き進む!醜悪で卑劣なサンケン電気に、闘いで負けるわけにはいかない!困難が待ち受けていても、闘いを止めるわけにはいかない!私たちは日本の闘う仲間、組合員の団結を信じている!」

ソウルからキム・ウニョン副支会長が続く。「ソウルの日本大使館前で集会して、現在、歩いている。韓国サンケン労組の仲間は休むことなく闘いを続けている。寒くても風が強くても闘いを止めないのは、サンケン電気の横暴があまりにひどいから。それに負けるわけにはいかないという思いから。資本の横暴に怯むことなく闘う労働者の闘いがあるからこそ、世の中は発展してきた。馬山の自由貿易地域で、たくさんの労働者の闘いがあった。1987年韓国民主化で、雨後の筍のように労働組合が結成されると日本企業が我先にと韓国から撤退した。多くの労働者の闘いがあったが、日本企業の前で挫折し、勝利できなかった。なぜなら韓国からの撤退で戻る職場、会社がなくなったからだ。サンケン電気の和田社長は知るべきだ。韓国からこれまで撤退した日本企業は、韓国で事業をしていない。しかしサンケン電気はこれまでも、これからも韓国で事業を行おうとしているではないか!ソウルにも営業所を置いて、LGグループと一緒に合弁会社を作り事業展開しているではないか!サンケン電気が韓国で事業展開する限り、私たちは闘い続ける。これ以上、韓国労働者と揉めたくないなら、韓国から撤退すべきでないか。私たちはどこでも働き続ける、ソウルでも馬山でも。サンケン電気は、韓国の労働者を甘く見ない方がよい。あの強大な朴槿恵政権を倒したのは韓国の労働者であり民衆の力だ。私たちは韓国労働者の名前にかけて、サンケン電気資本に真っ向から闘いを挑む!グローバル企業サンケン電気に挑み勝利する!サンケン電気の和田社長は、コソコソ隠れずに、私たちと向き合い、話し合って解決しなければならない!日本の闘う仲間のみなさん、尊敬しています!闘い続けます!闘争!」。冷たい風が吹きつける中、韓国サンケン労組の仲間の、怒りのこもった熱いオンライン・アピールが池袋のビル街に響き渡った。

最後に東京事務所のビル前に集まった約50人の参加者は、シュプレヒコールで木曜行動を締め括った。


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