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「コロナ禍のため閉店、所持金200円」〜相談村に3日間で300人超え

レポート=松本浩美

 1月2日(日)、新年2日目。労働問題に詳しい弁護士や労働組合が主催する生活困窮者向けの相談会の取材に新宿・大久保公園へ。これまで年末の12月29日、30日と開催、そして年が明けて本日は最終日だ。

 主催者の発表によれば、訪れた相談者は3日間で260人を超えたという。1日当たりの相談者は、初日は56人〜57人、2日目は70人、そして3日目は80人を超えたという(14時30分時点/最終実数は337人 下段参照)。

 ちなみに、本日は女性の相談も10人を超えた。女性の場合、女性専門のブースがある。私がいる間にも若い女性、小さいお子さんを連れた30代くらいの女性が訪れた。女性の場合、身なりだけでは困窮しているかどうかはわからない。スタッフに連れられている姿を見て初めて、「この人は相談に来たのだ」とわかったくらい。

 男性でも、相談ブースへ向かうところを見て、「あ、この人は相談者か」と思った人も少なくない。本当に身なりだけではわからない。
 主催側から発表された具体的な相談例は次の通りであった。いずれも日本人。

1.64歳男性
 日雇いで建設の仕事に従事していたが、コロナ禍のため仕事がなくなり、生活費が足りなくなった。

2.48歳男性
 寿司屋で働いていたが、コロナ禍のため閉店することになったため、店主から「明日から来なくていい」と言われた。店主はに休業補償、雇用調整助成金を求めたが応じてくれない。ネットカフェでしばらく過ごしていたが所持金がなくなり、相談会へやってきた。所持金200円。

3.52歳女性
 派遣社員としてホテルで働いていたが、コロナ禍の影響で仕事がなくなった。ネットカフェで暮らしていたが、体を壊してしまった。相談会が開かれる前から会場で待っており、体調が悪くてうずくまっているところを、スタッフによって発見された。住まいを失った人向けの東京チャレンジネットを希望しているが、まず病院へ行くことになった。

4.37歳男性
 日雇いの仕事で食いつないでいる。食料品がほしくてやってきた。

5. 38歳男性
 都内K区に住む。所持金数百円となり、生活保護を申請しようとしたが「働けるのだからダメ」と水際作戦に遭ったため、相談に訪れる。スタッフが同行して申請することとになった。

 このほか、外国籍の人たちも10人ほど相談に訪れた。難民申請が認められず、2年間野宿生活を余儀なくされたミャンマーの人。同じく、路上に放り出されはしないまでも、難民申請が認められず、働くことも公的支援も得られないエチオピアの人も相談にやってきた。


*終了後の集会(写真提供=指宿昭一弁護士)

 なお、本日はずっと外にいることが予想されたので、セーターとジーンズの下にはヒートテック、マフラー、耳当て、ロングのダウンコート、ブーツと完全装備で来たのだが、会場の大久保公園はビルの間にあるため、日当たりが悪かった。ずっと日陰にいることになってしまい、プレス向けの発表を待つ間、かなり寒い思いをした。これだけフル装備でも、外気10度ぐらいであっても、ずっと外にいれば寒い。夕方になると鼻水が出そうになった。

 それにしても、こういう話は何度聞いても慣れてしまっているようで慣れない。今は「ああそうなんだ」と聞いていられるが、あと数時間したら我に返って打ちのめされる。いつもそんな感じだ。どうか1人でも多くの人が支援につながってほしい。屋根のあるところで暖かい部屋で過ごしてほしい。 わずか半日、外で過ごしただけだが、心の底からそう思った。日の当たらない場所は本当に寒かったから。

*本部の最終集計。相談者の実数は337名(男性274・女性57・不明6)、ボランティアスタッフ延べ350名、カンパ200万円以上(事前・会場含めて)でした。

レポート「外国人の相談」


Created by staff01. Last modified on 2021-01-05 09:48:05 Copyright: Default

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