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コロナ「分科会」メンバーが証言した安倍政権の詐欺的体質

2020年08月04日 | コロナ禍と政治・社会

    
 安倍政権が「専門家会議」を突如解散し、「幅広く専門家の意見を聴く」として設置した「分科会」。しかし、それは政権が事前に決定した内容を「専門家」の名で追認するだけの傀儡組織ではないか、という疑念は以前からありました。それが7月31日、当の「分科会」のメンバー(複数)の証言で証明されました。

 証言を報道した番組は同日夜9時からのNHKニュース9。証言した「分科会」メンバーは、釜萢(かまやち)敏・日本医師会常任理事と、経済学者の小林慶一郎・東京財団政策研究所研究主幹の2人(写真)。

 釜萢氏は、本来政府の政策は「分科会」の議論の結論を受けて決定すべきだが、現状は「政府の方針と分科会の結論があらかじめ擦り合わされており、政策決定に至るプロセスがブラックボックスだとの思いが醸成される」と述べました。

 釜萢氏はその例として、「GOTOトラベルキャンペーン」の政策決定を挙げました。

 安倍政権は7月10日、「分科会」に諮ることなくキャンペーンの前倒し開始を決定しました。その後感染者が拡大し、批判が強まる中、西村担当相は国会で「明日の分科会で判断を戴く」(7月15日衆院予算委員会)と述べました。

 ところが翌16日、政府は「分科会」開催前に、東京を除外してキャンペーンを強行する方針を記者団に明らかにしました。その後開かれた「分科会」でこの方針が「了承」されたとしました。

 しかし釜萢氏は、「東京、神奈川、千葉、埼玉は一体だから、ひとかたまりとする選択もあった」「地域の指定についてはもう少し検討してもよかった」と議論が尽くされていなかったことを明らかにし、「(国民としては)納得がいかないですよね」と述べてうつむきました。

 小林氏は、「感染拡大期にGOTOキャンペーンをやるのはそもそもの発想から違っていたので、早く方針転換をすべきだったと個人的に思う」と述べたうえで、「先に政府が発表した方針を覆すのは、あってもいいと思うが、自分が全部リスクをとって発言するところまでいかなかった」「分科会の結論は事前に決められていた。その枠の中で話をさせられた印象が強い」と自戒を込めて内実を明かしました。

 さらに小林氏は、持論であるPCR検査の抜本的拡大について、「(議論は)遅々として、非常にゆっくりゆっくり進んでいる」と議論が進展していないことを示し、PCR検査の拡充に「慎重」な「感染症の専門家」(尾身分科会会長ら―引用者)がPCR検査の拡充にブレーキをかけている実態を告発。「この状況を打破しなければ経済はさらに深刻な状況に陥る」と警鐘を鳴らしました。

 釜萢氏と小林氏の証言は、「分科会」が政府の決定を追認するための傀儡組織にほかならず、また「感染症の専門家」なる者たちが安倍政権と一体となって自由な議論を封じている実態を、「分科会」メンバー自身が告発したものとしてきわめて重大です。

 2人の告発で判明した事実は、たんに「分科会」だけの問題ではありません。安倍政権がいかに科学的知見・真の専門家を軽視・無視して独断・独走しているか、そして、傀儡組織でいかに自らの独裁をカムフラージュしようとしているかを明らかにしたもので、安倍政権の反民主主義・詐欺的体質が白日のもとになっています。

 このような「分科会」なるものは直ちに解散すべきです。そして、政権から独立した真の専門家組織をつくり、自由闊達な議論で政策提言すべきです。そうでなければ、これからますます重大な事態を迎えるコロナ・感染症社会で、生命と健康を維持していくことはできないでしょう。


Created by sasaki. Last modified on 2020-08-04 07:27:19 Copyright: Default

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