韓国サンケン第15回木曜行動報告 : 厳寒の中で闘う韓国サンケン労組に支援を! | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバー映画祭(報告) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第367回(2024/11/7) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
●韓国サンケン労組を支援する会・12月17日第15回木曜行動報告 厳寒の中で闘う韓国サンケン労組に支援を!1.20廃業・解雇を許すな!12月17日第15回木曜行動。雲一つない晴天。埼玉県新座市内のサンケン電気本社前の朝7時の気温は2度。北風が冷たい。韓国サンケン労組の仲間たちは、零下6度(馬山)、零下12度(ソウル)というさらに過酷な寒さの中で闘っている。この日も朝から新座市内の本社前、志木駅南口、池袋の東京事務所前の3カ所に延べ80人が参加、国境を越えて伝わるオンライン・アピールを交えて、抗議・宣伝行動を展開した。前日の16日には大阪で4回目、17日には北九州で初めての営業所への抗議要請行動が繰り広げられた。 韓国内ではKBSの外国資本=サンケン電気の「食い逃げ」を批判する特集番組放映、馬山自由貿易地域を管轄する産業資源部との話し合い、国会議員連名の抗議文提出や韓国キリスト教協議会の支援の動きがあり、日本国内では大阪・名古屋に続いて北九州でもサンケン電気営業所への抗議行動が展開されるなど、闘いの輪は韓国―日本を貫いて確実に広がっている。しかしこのような闘いの拡がりに挑戦するかのように、数日前、サンケン電気は3回目となる解雇予告通知を改めて労組に送りつけてきた。配達証明郵便だけでなく、夜の家族団らんの時間帯を狙って組合員一人一人の携帯にメール配信するという念の入れようだ。これらは労組の反撃と問題の社会的国際的広がりに対するサンケン電気資本の焦りと動揺の表れでもある。 偽装廃業を許さず、1月20日組合員全員解雇を阻止する闘いを進める韓国サンケン労組の仲間に、熱い支援と連帯を! ≪12月17日7時過ぎ サンケン電気本社前「唯一の解決の道は、本社が交渉のテーブルに着くこと」≫ 横断幕と幟、プラカードを掲げ、出勤するサンケン電気社員や通りかかる市民に支援する会のニュースを配布する。プラカードは木曜行動の回を重ねるごとに枚数が増えてきた。郵政ユニオンが木曜行動開始のあいさつ。「コロナを利用して組合つぶしを目的とした偽装解散であることがますます明らかになった。絶対に許せない」。 韓国サンケン労組の仲間からオンラインアピールが続く。「偽装赤字の責任を労働者が負うわけにはいかない。55億の赤字と言うが、30数人の社員でそんな巨額の赤字がどこから出てくるのか。責任は韓国サンケンの経営陣と本社にある。和田社長の責任ではないか。3年前の労使合意書を投げ捨て、解雇するのか。約束は守るべきものであつて無視してよいものではない!」。 さらに韓国の仲間が訴える。「韓国は急激に寒くなって、馬山は零下5度、ソウルは零下10度でとても寒い。日本のみなさんは大丈夫ですか!数日前に会社は私たち組合員に一片の紙切れを送ってきた。内容証明郵便だけでなく携帯メールも来た。解雇が迫る組合員を浮き足だたせる狙いがある。この解雇予告通知は3回目になる。門は相変わらず固く閉じられていて、組合事務所とトイレしか使えない。1月20日が近づき厳しくなるが、私たちは闘い続ける。会社が一方的に廃業を決定し、労使協議もなく一方的に解雇を予告したに過ぎない。組合事務所も社員の休憩室を改修したものにすぎず、賃金の削減も求めてきた。組合は様々な譲歩をしながらも、会社の再稼働を信じて働いてきた。韓国サンケンの社長は何の裁量もなかった。事態の責任は本社にある。本社が投資をしないのに、黒字が出るはずがない」。 埼玉市民の会から発言。「本格的な冬になった。年末年始の準備はできるのだろうか。韓国の仲間が心配になる。今すぐにでも韓国に飛んで行って、お餅を韓国サンケンの仲間に届けたい!」 韓国の仲間ヤン・ソンモさんからアピール。「寒い北風が吹き、身が芯から凍りつく日々が続いているが、日本の仲間の闘いに励まされる。韓国サンケンの工場には今回の事態の責任を果たすべき社長たちはいない。捨てられた工場を守っているのは私たち組合員だけだが、工場に出入り出来ない。3年間こんな状態が続いている。現場の労働者が入れない空間が会社の中に出来た。長く働いてきた私にとっても、かつてない経験だ。そんな空間ができた理由を、テント闘争の中で知るようになった。韓国サンケンで作るべき製品を他の工場で生産していた!労働者に知られて困るようなやり方をしたのは経営陣であり、本社の和田社長だ。この偽装生産に関与した管理職は希望退職で追い出された。彼らは『自分が関与してきたことを口外しない』という誓約書を書かされた。彼らが守ろうとしている秘密は何か?別会社を買収し、そこに投資し、利益を上げてきたことだ。なぜそんなことをしたのか?サンケン電気とLGグループが連携して、金属労組さえなければと4年間、虎視眈々と狙ってきた。数日前に各組合員宛てに送られた解雇予告のメールは、夜の家族団欒の時間に届いた。労働者と家族を苦しめるやり方は4年前と同じだ。和田社長、あなたにも大切な家族がいるでしょう。これ以上、私たちの大切な家族を苦しめるのはやめて欲しい。和田社長は、私たちと同じ時間を生きている。社会は真実があってこそ前に進む。嘘は必ずばれる。真実には勝てない。嘘で韓国サンケンを潰し、韓国の地で別会社でいま以上の利益を得るのがサンケン電気の狙いだ。和田社長は胸に手を当てて考えるべきだ。唯一の解決の道は、交渉のテーブルに着くことだ」。 最後に中部労働者交流会の仲間が発言。本社に向かってシュプレヒコールを浴びせ、門前行動を締め括った。 ≪12月17日9時 志木駅南口「企業倫理を守らず、労働者を大切にしない企業は存在価値がない」≫ 志木駅南口に移動すると、北風が強まり、体感温度はさらに低く感じる。埼玉市民の会が最初に「サンケン電気に抗議の声を!韓国の労働者が温かい新年を迎えられるように、支援と連帯を!」と呼びかけ。 韓国サンケン労組のキム・ウニョンからオンライン・アピール。「オンラインで見える日本の様子は、とても寒く見える。いま馬山は零下6度を記録している。工場の前にビニールテントを張って、寝泊まりしながら抗議の声をあげている。ソウルで上京闘争を展開する仲間からは、零下12度にもなると連絡が入った。寒空の中で、国会前で会社前で日本大使館前で、抗議の声を上げている。時折、心が折れそうになるが、頑張っている。10分もいれば全身が凍り付きそうな厳寒の中で、ビニール・テントを張り、子どもたちも連れて寝泊まりしている。なぜそこまでするかと言えば、サンケン電気の不当なやり方に怒りと悔しさが一杯だからだ。 サンケン電気は1973年に100%子会社を自由貿易地域に創設し、半世紀近く様々な制度上の優遇措置、税制上の恩恵を受けながら莫大な利益を上げて来た。90年代になって、会社に民主労総傘下の金属労組が出来てから、何度も労組潰しの攻撃を仕掛けてきた。三度の事業部閉鎖、七度のリストラを実行し、会社を滅茶苦茶にしてきた。私が入社してからの 30年間は、会社の労組潰しとの闘いの歴史だった。 会社は民主労総を徹底的に嫌った。3年前にも組合員を整理解雇してきたが、日本に遠征闘争を展開して撤回させ職場に復帰した。今年の7月7日に「雇用問題を毎月話していこう」と労使で確認したが、7月9日にサンケン電気のHPに韓国サンケンの会社解散を掲載した。サンケン電気は、本当に悪質で、ひどい会社。このやり方は労働協約にも3年前の合意にも違反する。日本の企業に対するイメージが韓国内でどんどん悪くなっている。韓国だけでなく国際的にも批判されるやり方だ。コロナでみんなが大変な時に、労組を騙して偽装解散するやり方は、国際的に大きな批判を浴びるやり方だ。サンケン電気は韓国の労働者の権利を踏みにじり、日本の企業イメージを傷つけている。日本政府はOECDに加盟しており、多国籍企業ガイドラインを守らなければならない。各国の労働者は労組を結成する権利があり、労組と話し合いながら企業を運営しなければならない、とある。労組を認め、私たちと話し合いをしなければならない。ソウルの寒さが零下20度になっても、コロナが感染拡大しても、私たちの闘いを止めることはできない。世界には労働者と労働組合の歴史があることを知っている。先輩の労働者たちが築き上げてきた歴史を守り抜いていく。私たちは不当な偽装廃業と闘い、職場に戻る」。 韓国サンケン労組のペク・ウンジュさんが続く。「テントを張って、157日になる。瞬きする間に、もう12月になった。当初はコロナで日本に行けずにお先真っ暗だった。2017年の闘いも大変だった。また繰り返すのかと暗い気持ちになったが、でも日本のみなさんの支援を想いながら自分自身を励ました。12月18日に組合員全員で話し合う。その時には本音で話し合い、勝利しようと心を一つにしたい。私たちの希望は、労組を守り、工場に戻ろうという素朴で小さな願い。職場が与えられれば今後も一生懸命働いて、サンケン電気に大きな利益をもたらすと考えている。そのためにも別会社に投資するのではなく、韓国サンケンを正常に稼働させなければならない。労組は労働者にとって当然の権利。労組があるから廃業することなどあってはならない。日本の労働者も韓国の労働者も同じ。労働権は保護されなければならない!」。 支援する会からの20日の本社デモへの呼びかけ続いて、ヤン・ソンモさんからもオンライン・アピール。「1月20日の廃業まであと38日。私たちに最後の作業指示をしているかのようだが、私たちは従わない。工場に戻る。一方的に廃業を決定し、労組と話し合いもなくどうして解雇できるのか。累積赤字が理由と言うなら、説明すべきではないか。赤字の原因は、本社の発注にあり、私たちに責任はない。利益の出る発注を別会社にして製品を輸出している。その説明もない。数日前に解雇予告通知が送られてきた。郵便と携帯へのメールが届いた。4年前にも同じことをしてきた。脅迫じみたやり方をなぜするのか。今回もメールは家族といる夜の時間。家族に傷をつけるようなやり方を、どうしてできるのか!企業で働いているのは人間だ。働く人間を大切にしない企業は、存在価値がない。企業倫理も良心も持ち合わせない会社は存在する価値がない!志木駅をご通行中のみなさん、サンケン電気が正しい道を歩むよう、企業倫理を守るように、どうか声をあげてください!」 最後に争議団連絡会から訴えて志木駅南口の行動を締め括り、池袋に向かう。 ≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「韓国国会議員連名でサンケン電気に抗議文提出の動きもある」≫ 南池袋にある藤久ビル7階の東京事務所で総務のI氏と代表団5名が面会し、韓国の仲間もオンラインで労組と本社の交渉を求めるが、今回も誠意のない応答に終始。 正午から、ビルの前で昼休み抗議行動を始めた。新たな参加者も加わり、40人ほどに膨れ上がる。北風がさらに強くなり、横断幕や幟、プラカードは吹き飛ばされそうに揺れる。埼玉市民の会、支援する会の渡辺共同代表、荒川区労協の仲間がリレートーク。ノレの会の仲間はサンケン争議の歌を熱唱、所沢労音の仲間は東京音頭の替え歌で韓国サンケン労組支援をアピール。ビルのすぐ近くの武蔵学園で解雇撤回を闘う連帯労組の仲間、ユニオンネットお互いさまから発言が続き、韓国サンケン労組のキム・ウニョンさんがオンライン・アピール。 「木が揺れ、横断幕がはためく姿を見て、池袋のビルの前がどれほど寒いのか、風が強いのか、良く分かります。日本の仲間のみなさん、本当にありがとう!どれほど私たちに勇気を与え、力づけていることか!韓国もコロナの感染が拡大し、外出の自粛も呼びかけられている。コーヒーショップにも入れない。寒さに凍えながら、足をバタバタさせて、寒さをしのいでいる。ソウルは零下17度を記録した。朝7時に国会前でまだ真っ暗の中、誰もいないところで登庁する国会議員にアピールする。外資の『食い逃げ企業』を規制する法制定を求めている。国会前には様々なテントが林立しているが、7時には誰もいない。だから登庁する国会議員に私たちが目立つ。もうこの国会スタンディングも60日になり、国会議員連名で日本大使館やサンケン電気本社に抗議文を出そうという動きが出てきている。外国から来て、恩恵を受けながら、韓国の税金と労働者を酷使して、都合が悪くなると解散するような企業は罰せられなければならない。日本大使館前では、サンケン電気のような悪辣な企業を指導しろと訴える。サンケン・コリアなど関連企業、LGと連携して作った会社の前でも抗議活動を展開している。韓国サンケンの社長自宅にも毎日訪問して抗議している。ソウルでも朝早くから夜遅くまで、寒さに震えながら、歯をくいしばって、お互いを励まし合いながら行動を続けている。夜は金属労組本部の事務所で椅子を並べて寝泊まりを続けている。ソウルの仲間に負けずに、馬山では街頭宣伝活動、釜山の領事館への抗議などを展開し、夜は工場前のテントの中で寝泊まりしている。夜のビニール・テントはとても寒い。工場の前は海。海風でテントがパタパタとする音を聞きながら夜を明かす。寒さでゆっくりとは眠れない。船のエンジン音や、夜明けにはトラックの音も聞こえる。10歳,8歳、4歳の子とテントで一緒に寝泊まりする母親もいる。そんな組合員の姿を見るにつけ、サンケン電気に対する怒りを抑えることはできない。罪もない組合員と家族に、なぜそんな苦しみを与えるのか。私たちは負けない。歯をくいしばって闘う。切羽詰まった気持ちがあるから、そこまでして闘う組合員がいる。サンケンの経営のみなさん、あなたたちは知るべきだ。子どもを連れてテントの中で歯をくいしばって闘う組合員の思いを!お金は確かに大切だが、いくばくかのお金で終わりにすることなど許されない。サンケン電気は韓国から撤退するわけではない。これからも事業展開しようとしている会社が、韓国の労働者をここまで踏みつけにするのは理解できない。労働者は人間だ。労働協約を踏みつけにし、法に背いていることを知らないのか!労働者としての魂、権利を必ず取り戻す!私たちは子どもたちに伝える。働く人間、闘う労働者はどれほど美しいのかを。母親がどれほど果敢に闘ったのか。サンケン電気は覚悟するべきだ。会社の仕打ちにどれほどの反撃が来るかを。風が強くなってきたようです。みなさんの姿が寒そうに見えます。みなさんに温かい柚茶やコーヒーを差し上げたい。健康管理にくれぐれも気をつけて!」―強風と寒さで聞き取りにくい瞬間もあったが、偽装廃業を撤回させ、職場に戻るという韓国サンケン労働者の強い決意が伝わって来た。 最後に「廃業撤回せよ」「組合破壊を許さないぞ!」「和田社長は話し合いに応じろ!」「日韓連帯で闘うぞ!」とビルに向かってシュプレヒコールで第15回木曜行動を締め括った。 Created by staff01. Last modified on 2020-12-20 14:48:01 Copyright: Default |