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●韓国サンケン労組を支援する会・12月3日第13回木曜行動報告

大阪・名古屋営業所への抗議要請行動も始まった!サンケン電気は偽装解散撤回を!

 12月に入った。埼玉県新座市の空はどんよりと曇り、早朝の空気は冷たい。昼に池袋に移動しても、気温は一向に上がらない。しかし、国境を越えてオンラインで届く、韓国昌原市馬山の韓国サンケン工場前のテントで籠城して147日目を迎えた仲間、ソウルで上京闘争を展開する仲間の熱い怒りが、本社前・志木駅南口・池袋東京事務所前で行動する私たちを鼓舞する。12月3日の第13回木曜行動にも、延べ100人の仲間が結集した。

 翌4日には、大阪営業所と名古屋営業所に対する抗議要請行動が繰り広げられた。すでに3回目のアクションとなる大阪では、約50人が参加、要請書の受け取りも拒否する営業所に抗議の声を浴びせた。

 韓国でも日本でも、支援の輪は確実に広がっている。本社の和田社長は、グローバル資本としてのサンケン電気の企業イメージが決定的に傷つく前に、偽装解散を撤回し、韓国サンケンの工場を再稼働すべきだ。

<7時すぎ サンケン電気本社前「私たちは自らの尊厳を守り抜く!」>

 郵政ユニオンの仲間が本社前アピール開始のあいさつ。続いて馬山の韓国サンケン労組の仲間キム・ヒョンガンさんがオンライン・アピール。「90年代に労組が出来るとすぐに会社は工場閉鎖―インドネシア移転を計画したが、組合はこれを押し留めた。それから半年間休業したり、希望退職を何回も募り、多くの労働者が職場を去ることになった。私が入社時には500人もいた社員が数十名になった。そして4年前に整理解雇に踏み込んできた。これも跳ね返したが、今度は会社解散。労組との約束も破った。欺瞞的で許せない。私の心は怒りで一杯。2018年には別会社を設立した。本社は、他の会社にでなく韓国サンケンに投資すべきだ。会社清算で、労働者も家族も涙を流してる」。

 ソウルのキム・ウニョンさんが続く。「韓国も数日前から急に寒くなった。コロナの感染拡大と寒さ厳しい中の連帯行動に感謝したい。周辺住民のみなさんにもご迷惑をおかけします。しかし、私たちの生きる権利がかかっていることを、会社が労組との合意と、二度と整理解雇のような事態を起こさないという地域住民のみなさんへの約束を踏みにじっていることにご理解をいただきたい」「サンケン電気は大きな、地域でも世界的にも有数のグローバル企業。1973年に、無償で工場敷地を手に入れて、税制度上も恩恵を受けてきた。当初は労組も禁止されていた。韓国の地で莫大な利益を上げ、日本に持ち帰った。96年民主労総加入で会社解散―インドネシア移転を画策した。解散は今回で2回目。労組嫌いの体質は骨の髄まで染み込んでいる。労組の権利は法律で保証されている。そんなことをグローバル企業であるサンケン電気は知らないのか?労組が怖くて解散するのか?サンケン電気は道理を守れ!労使協定を守れ!私たちは自らの尊厳を守り抜く!」怒りの声がサンケン電気本社に響き渡る。「支援のみなさん、寒い中、体に気をつけて!」。韓国の仲間は発言の最初と最後に、必ず周辺住民への呼びかえと支援のへの気遣いの言葉を忘れない。

 埼玉市民の会が発言。「ご近所のみなさん、サンケン電気本社への抗議にご理解を!」。韓国サンケン労組のオ・ヘジンさんのアピールが続く。「私たちとの話の中で、韓国サンケンの社長は『3年前の解雇を撤回させた労組の存在』を本社が解散を決断した理由に挙げた。なぜ整理解雇を撤回させたことが、廃業の理由になるのか!3年前に労働委員会決定を受け入れ解雇を断念したのは会社側ではないか。会社は工場再稼働も約束したのに、嘘とベテンを重ねてきた。今回も解散を労組に正式に通知せず、秘密裏に廃業しようとしている。これで社会的責任を果たしていると言えるのか?なぜ労組と本社の話し合いに応じないのか?」

 府中緊急派遣村労組の仲間の連帯発言、本社に向かってシュプレヒコールで締めくくり、志木駅に移動。

<9時 東武東上線志木駅南口 「天も海も労働者民衆の国際連帯を遮ることはできない!」>

 まず韓国良心囚を支援する会全国会議からアピール。韓国サンケン労組のヤン・ソンモさんから訴え。「会社は今回の会社解散について、本社のホームページに廃業決定を載せるだけで労使協議をしようとしない。抗議の声にも知らんぷりを決め込んでいる。私たちはこの3年間、休業も賃金切り下げも受け入れてきた。3年前の整理解雇の撤回の時の会社の約束を信じたから。工場を再稼働する、重要な決定には労使協議するという約束を、なぜ踏みにじるのか?きちんと手続きを踏んで、人間として和田社長には行動してもらいたい」。

 さらにオンライン・アピールは続く。キム・ヒョンガンさんから。「会社は赤字を意図的に作り出し、私たちを解雇しようとしている。 『生産すればするほど赤字になったのは労組の責任があるから』と言っている。なぜ生産すると赤字になる製品を供給したのか。経営の責任を労組に押しつけるのか。別会社に投資して利益を上げたではないか。赤字を自ら作り出だす会社はサンケン電気しかない」「韓国には『一家の大黒柱がしっかりしていれば上手くいく』の言葉がある。家族のためにも廃業撤回を!」。

 埼玉市民の会が発言し、オンライン・アピールが続く。ペ・ウンジユさんから。「韓国も冬、厳しい寒さだが日が射すと暖かい。先日KBSで私たちの取り組みが紹介された。抗議行動しながら番組を視聴した。私たちの闘いと声を伝えていた。会社が1973年の設立以来、半世紀近く馬山自由貿易地域で恩恵を受け莫大な利益を得てきたこと。その間、労働者と家族がどんな苦痛と苦悩を強いられ、どんな闘いをしてきたか。番組を見て涙が出た。悲しみだけでなく、過去の闘いを振り返り勝利の確信をうちかためる涙でもあった。韓国で莫大な利益を上げておいて、労働者を切り捨ててはいけない。グローバル企業に見合う行動を求める!」。

 キム・ウニョンさんが続く。「3年前に、市民のみなさんの支援で現場に復帰することが出来た。私たちは工場の正常稼働を期待してきた。会社が約束したから。もうひとつは労使協議の約束。企業に大事なことは約束を守ること。サンケン電気は悪い企業、約束を守らない。法に反して労組を認めない。企業の利益は、労働者が作り出している。47年間も韓国で恩恵を受けてきたのに労働者を切り捨て、労組との約束を踏みにじっている。こんなことで今後、日本の企業が韓国で活動出来るのか。サンケン電気は韓国だけでなく日本の労働者の尊厳も踏みにじっている。日本のイメージを貶めている。日本のみなさん、大きな声をあげて!韓国でも、埼玉でも東京でも大阪でも名古屋でも闘いは拡大している。コロナ事態に便乗して廃業しようという和田社長の試みは、必ず破綻する。資本側は国家・権力を活用して何でも出来ると考えるが間違いだ。この世界には国境を越える熱い闘いがある。天も海も労働者民衆の国際連帯を遮ることは出来ない!」 明大生協労組の仲間の連帯発言で志木駅前の行動を締め括る。

<池袋駅東口東京事務所>

 昼休みの行動前に藤久ビル7階のサンケン電気東京事務所を訪問。代表団が総務のI氏と面会。韓国サンケン労組の仲間がオンラインで「決定権のある本社と話がしたい」と詰め寄るが、I氏は「私から話すことはない」と今回も誠意のない対応に終始。「このままではサンケン電気にとってはイメージダウンになるだけ。来週、答えを用意して」と申し渡して昼休み行動へ。

 日韓民衆連帯ネットワークの仲間の歌から昼休み集会スタート。「組合潰しの偽装解散♪ サンケン電気は撤回しろ!」。続いて埼玉市民の会、支援する会の渡辺共同代表、中部労組交流会旭ダイヤモンド争議団、所沢労音の仲間の歌を挟んで、藤久ビルすぐ近くの武蔵学園で争議を闘う連帯労組から連帯アピール。

 韓国サンケン労組の仲間からオンライン・アピール。ヤン・ソンモさん「冬の寒さに負けずに、工場前のテントで頑張っています!いま韓国サンケンの工場には管理に責任を持つべき管理職も、社長もいない。工場はガランとして何も残っていない。ただ私たち労働者が工場を守るために、24時間体制でテントを張り座り込んでいる。しかし工場は扉を固く閉められ、中に入れない。社員証はあるのに職場に入れない。なぜ自分の会社に入れないのか。こんなことは初めてだ。しかしおかしなことがある。工場が動いていないのに韓国サンケンの製品が欧州に輸出されている。管理職は希望退職にあたり秘密厳守を誓約した。何の秘密かというと、別会社で生産すること、韓国の財閥と手を組んで新たな工場をつくろうとしていること、私たちをぼろ雑巾のように使い捨てにするために、着々と準備してきたことを!一方的に廃業を決定し会社のホームページにこっそり掲載する。こんなことは許されない。和田社長はこれ以上韓国の労働者を踏みつけにしてはいけない。私たちと話し合いすることなく解決することなどあり得ないことを理解すべきだ!」。

 オ・ヘジンさんが続ける。「4年前の闘いが今回の会社清算の理由だという。労組が整理解雇撤回を闘ったことが、なぜ会社解散の理由となるのか。会社は労組潰しを虎視眈々と狙ってきたのか。会社への不信感しかない。160億ウォンも投じて別会社を買収して生産し、さらに巨額を投じて工場を設立しようとしている。本当に話にならない。私たちの望みは特別なことではない。工場を稼働して働くことだ!和田社長は直ちに話し合いを!」。

 昼休み集会の参加者は約50人に膨れ上がった。藤久ビル7・8階の東京事務所に向かってシュプレヒコールで木曜行動を締め括った。


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