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「君が代不起立」のたたかいは終わらない〜根津公子さん「高裁結審日」に語る

インタビュー動画(8分)

 河原井・根津「君が代」裁判で最後の2009年事件が、12月18日東京高裁で結審を迎えた。判決は来年(2020年)3月25日の予定だ。13年にわたる闘いが実質、幕を下ろすことになる。

 結審の当日、原告の一人、根津公子さん(69歳)に話を聞いた。冒頭、裁判の感想を尋ねると「裁判はおわっても一生、日の丸・君が代問題とは縁を切らないつもり。裁判はその一過程だった」という答えが返ってきた。根津さんは、合計5件の判決をもらっている。勝敗は1勝4敗。けして良い成績ではないが、「1勝した2007年事件の須藤判決がわたしを救ってくれた。他の4敗の方が間違っていると思うことができた」と語る。停職6か月の処分を、3回もされながら不起立を続けた思いは何だったのか。「最初は子どもたちに嘘はつけないと思った。退職が迫ってくると、なぜ不起立なのかを若い教員たちに理解してもらいたかった。そのために行動を続けた」と。

 根津さんは、八王子に在住し、市外に異動させられるまでは組合も八王子教組に所属していた。その八王子で今年の4月、前天皇夫妻が退位の報告をしに多摩陵を訪れた。当日、小学生が日の丸を持って奉迎に動員された。そのことを知った根津さんは、「そんなことはあってはならない」と、一人で反対行動を始めた。9月には、仲間を集め「天皇奉迎に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成、学校と市教委交渉を連日行った。電話を拒否する校長には10回も電話をかけるなど、根津さんの粘り強さが運動を引っ張った。市議会でも議員による関連質問が認められた。10月3日新天皇が陵を訪れたが、今回動員はなかった。

 八王子市は萩生田文科大臣の出身地だ。4月の動員は、彼が張本人だったことを、自身がブログで暴露している。今回の根津さんたちの行動に、文科大臣も肝を冷やしたにちがいない。「わたしたち世代の父親たちの戦争責任は、わたしの問題だと思っている。この問題から離れることはできない」と根津さんはいう。来年は、オリンピック。国威発揚のため、オリ・パラ教育に血道を上げる都教委に対して、根津さんはアクションを続けるつもりだ。裁判は終わっても、闘いは終わらない。(佐々木有美)


Created by staff01. Last modified on 2019-12-22 20:06:05 Copyright: Default

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