根津公子の都教委傍聴記(7/11)/教科書採択には、それ以前の問題が | |||||||
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●根津公子の都教委傍聴記(2019年7月11日) 教科書採択には、それ以前の問題が今日の議題はただ一つ、教科書採択に関する報告。都教委が教科書選定審議会に次のア)∼ウ)について諮問したところ、次の答申を得たというもの。前回定例会も公開議題は2件のみで要した時間は30分、今回は25分。まとめて1回の開催でいいではないかと、腹立たしい。こちらは傍聴のための交通費が1回1600円もかかるのだから。 答申は、ア)都教委が作成した「特別支援学校(小学部)用教科書研究資料」(来年度から使用)は適切であり、都教委はこれと「教科書調査研究資料(小学校)」(区市町村教委へ配布済み)等を資料とし、都教委の責任と権限において、適正な採択を行うこと。 イ)今回作成した資料も、区市町村教委に配布し指導、助言・援助を行うこと。 ウ)都立中学校(特別支援学校も)で来年度使用する教科書(2015年採択)は、新たに検定を経て採択の対象となる教科書がないため、前回採択時の教科書が採択対象となること。 例年通り、7月下旬の定例会で採択を議題にするという。都教委は教科書採択の際に、教育委員が発言すると市民から圧力がかかる危険も心配されるとの理由で教育委員は発言しない、実質非公開としてきた。私たちはこれを問題にしてきたが、これについて都教委が選定審議会に諮ったことはない。選定審議会は形だけのものであろう。 また、採択以前の問題がある。そもそも教科書の内容が、「国定教科書」というべきものになってしまったこと、「アベ内閣宣伝誌」でもあることだ。 社会科の教科書検定基準に「政府見解」を書くことを加え(2014年)、書かなければ検定を通らないようにした。2014年採択の現行教科書でも領土についての記述が大幅に政権寄りの記述になり、地図帳にも領土の境界線が入るなどしたが、今回は検定基準の変更だけでなく学習指導要領の改訂(2017年 社会科では領土問題を入れ、自衛隊についての記述を増やすなどした。)もあって、教科書会社は検定の際に、こと細かに書き換えをさせられた。 教科書の「国定教科書」化も、アベ一次政権での2006年教育基本法の改定「成功」が生み出したもの。人格を持った一人の人間として育つ権利を子どもたちから奪い、国家に命を差し出すイエスマンを育成することに怒りを持ち、また、元教員として責任を感じる。 本日の議案には、非公開議題とされる懲戒処分案件がなかった。この案件がないのは記憶の限り、この数年で初めてではないかと思う。 中井教育長が退任し、藤田裕司氏(元産業労働局長)が新教育長に就任。就任の挨拶は傍聴者が入場する前に行なうとのことで、傍聴者は定例会開始時刻の10時を2分過ぎての入場となった。挨拶を非公開にする理由はないだろうに、と思う。 Created by staff01. Last modified on 2019-07-14 10:53:58 Copyright: Default |