「私たちは未来に向かっていく人間だ」〜毅然として闘う韓国サンケン労組 | |||||||
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「私たちは未来に向かっていく人間だ」〜毅然として闘う韓国サンケン労組尾澤邦子韓国から海を越え、日本のサンケン電気本社に対して「解雇撤回」「職場復帰」を求めて遠征闘争を行っている韓国サンケン労組。10月来日からすでに100日になる。寒さ厳しい中で、毎朝の出勤闘争、東武東上線「志木」駅頭情宣、毎水曜日昼休み池袋メトロポリタンビル前での海外営業部に対する要請行動、川越工場門前での宣伝行動など行っている。労組からじっくり話を聞きたいと、1月14日懇談会が東京ボランティア・市民活動センター会議室で行われた。 出席者は約40名でほぼ満席だった。開始前、映像スクリーンには「10万集まれば情勢を揺るがせる。50万集まれば労働分野の改悪を阻止できる。100万が決起すれば世の中が変わる」という民主労総ハン・サンギュン委員長の、獄中書簡からの言葉が映し出されていた。 韓国サンケン分会解雇者復職闘争委員会議長のキム・ウニョンさん(写真上)が通訳をいれて約1時間、「韓国サンケン分会の現況と闘い」について、またパワーポイントを使ってこの間韓国で闘われているパク・クネ退陣のろうそく抗争について話した。話は、今まで民主労総が引っ張ってきていた市民運動が、ひとりひとりの闘いで、旗もそれぞれ独創的な旗を創って持ってくるというような国民が引っ張る闘いに発展し、民主労総として新たな社会への政治ビジョンを提示しているという、とても刺激的な内容だった。女性で髪の毛を全て剃ってハチマキを巻いて闘う姿には、とても驚かされるが、話の内容は緊張感と重みのあるものであり、またここまで考えているのかと教えられた。労組指導部としての毅然とした闘う姿勢に、韓国労働運動の核心を見るような思いがした。 キム・ウニョンさんは韓国サンケンで26年間働いてきた。韓国サンケンは韓国の南、慶尚南道昌原市の馬山自由貿易地域にある。埼玉県新座市にあるサンケン電気が1973年に100%出資して設立した子会社だ。1970年から1987年、馬山自由貿易地域には自由貿易特別法があり、労働組合の活動は禁止されていた。しかし、民主化を求める87年の民衆抗争には多くの労働者が立ち上がり、労組を作り、先頭に立った。労働者の権利を保障せず、多くの利潤を上げてきた外資企業は撤退を始めた。韓国スミダやシチズン、韓国山本などのように、民主的な労働組合に加入しようとすると会社は撤退した。現在馬山自由貿易地域には労組のある企業が30くらいになってしまった。その中でも民主労総に加盟しているのは韓国サンケンのみ。そのことによるさまざまな嫌がらせなどがある。 97年には日本での株主総会で、韓国サンケンの生産部門をインドネシアに撤退させるという決定が出された。労組は1年半闘い、決定を覆させた。インドネシアに工場はできたが、韓国からの撤退はなかった。2000年には労働者は400~500人に増員され、黒字続きだった。しかし2007~2011年には構造調整があり、300~400人がリストラされた。2015年原因不明の火災が起こった。生産部門のある2階はなんでもなく、廃棄物のある1階と労組事務所のある3階が燃えた。それから解雇へのシナリオが稼働した。労組は解雇阻止のため、あらゆる努力をした。国会議員、道・市議会議員、地元チャンウォンの市長も解決に乗り出した。しかし会社は全く応じなかった。社長は、労働者の解雇を撤回すると、自分の首が飛ぶと言っていたようだ。 2016年6月、日本での株主総会で、韓国サンケンの生産部門の廃止、外注化が決まった。韓国サンケンは本社の指示がなければ何もできない。労組は責任者である社長に直接会って話をするために日本に来た。12月27日には韓国の地方労働委員会で、解雇は不当であるとの判定が出た。「私たちは中労委でも裁判でも勝てると確信している」とウニョンさんは話した。 続けて、2016年ろうそく抗争の話に移った。抗争の原因として、若者の貧困、就職難、自殺率の高さ、労災の多さ、解雇を自由にできる労働法の改悪、正規職を追い出して非正規職になどの問題をあげた。2014年のセウォル号事件では、子どもたちが沈んでいく姿を、テレビで見ているしかなかった。「そのような怒りがたまり、破裂していくようだった」と話した。抗争の特徴、到達点、発展方向と課題など適格な指摘であるように思った。そして、民主労総が新たな社会へのビジョンとして、政治ビジョンとしての主体的な大統領選挙の勝利、また新たな社会の労働ビジョンとして、働く人々が労働基本権、経済基本権、政治基本権を持つことを掲げていることを紹介した。 ウニョンさんは「世の中を変えようとするならば、今組織されている労働者の量的・質的発展が必要だ。また87年6月の民主化闘争のあと労働組合が多数設立されたように、闘っている大衆が入ってこれる民主労総に変わるべきだ」と話した。最後に「あなたができると思えばできるし、できないと思えばできない。私たちは未来に向かっていく人間であり、労働者の未来を考えていく人間だ。労働者が解放される、人間らしく暮らしていける世の中のためにがんばっていこう」と結んだ。 Created by staff01. Last modified on 2017-01-17 11:40:05 Copyright: Default |