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市民が伝える沖縄の現実〜見雪恵美『2016年夏・わたしの見た沖縄』上映と報告

    堀切さとみ

*写真=見雪恵美さん

1月9日、新社会党浦和支部主催で「沖縄が孤立させられるか、本土が見切りをつけられ るか」という集いが行われ、およそ30人が集まりました。 (会場はさいたま市下落合コミュニティーセンター)。 沖縄の現状を伝える本土のメディアは少ない中で、何が起こっているのか自分の目で確か めようと、辺野古や高江に駆けつける人は増えています。 そんな人たちが実際にみた沖縄を報告し、意見を交わす試みでした。

最初に、見雪恵美さんが制作した『2016年夏・わたしの見た沖縄』(35分)が上映されました。 ビデオカメラを始めて一年足らずの見雪さんでしたが、昨年夏に何度か沖縄に行って撮影 したものをこの日に向けて編集。 沖縄在住の作家・目取真俊さんが、米兵による女性殺害をとめられなかった悔しさを語るシ ーンから始まり、 6万5千人が集まった県民大会でのインタビュー、嘉手納で出会った青年との対話をきっ かけに沖縄の歴史をたどる場面などが盛り込まれた力作でした。


  加須市民の赤嶺菊江さんは「つれあいが沖縄出身で、息子が加須で沖縄料理店をひらいて いる。沖縄への差別がひどくて、息子の店にも石を投げられるんじゃないかと心配するこ ともある。 でも沖縄はやはり素晴らしいところ。一人でも多くの人に行ってみてほしい。人が集まれ ば勝てる闘いだ」と訴えました。

郵政ユニオンの倉林浩さんが伝える次のエピソードは印象的でした。「沖縄の集会では『 沖縄を返せ』や『座り込め』などが歌われるが、闘いの歌だけではない。 ある若いミュージシャンが自作の歌を歌ったとき、その場にいた機動隊が泣き崩れてしま った。隊列からその機動隊員は外されたが、その後も何人かの隊員が泣き出していた」と 。

座り込む住民たちをごぼう抜きする時「お願いですから立っていただけないでしょうか」 「只今より手と足を持たせていただきます」と言いながら職務を遂行する彼ら。 粛々と職務を遂行する彼らに「自分がやっていることを一人の人間として考えて」と市民 が直に問いかけることが出来るのも、現地に行ってこそだと感じます。 一人一人の市民が「伝える」ことの力を感じた集いでした。


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