ホンダのインドネシアにおける四輪車生産販売合弁会社であるピー・ティ・ホンダ・プロスペクト・モーター(以下、HPM 本社:ジャカルタ 社長:内田知樹)で新しく労働組合を結成しようとしたところ、会社側と既存の御用労組により深刻な妨害を受けています。
以下は、労組側から受け取った経緯に関する文書の翻訳です。
FEDERASI SERBUK
[ FEDERASI SERIKAT BURUH KERAKYATAN ]
Address :
Perumahan Sari Indah Permai – Blok B No. 9
Lamaran Palumbon Sari RT. 06 RW. 05 Karawang
Jawa Barat Indonesia | email : serbuk.indonesia@gmail.com
ホンダは組合潰しをやめろ!
インドネシア・カラワンのPTホンダ・プロスペクト・モーター人民労働組合への弾圧
- 私たちはPTホンダプロスペクトモーター・カラワン(以下 PT. HPM)の工場で1999年から働いている労働者です。
- 以前、私たちがこの会社で働き始めた時には、私たちは強制的にインドネシア金属・電子・機械労連PTホンダプロスペクトモーター支部(以下 SPSI LEM PT. HPM)に加入させられていました。SPSI LEMの組合員のほとんどは加入の書類を書いたことはありませんでしたが、本人の意思確認もなく自動的にSPSI LEM PT. HPMの組合員になっていたばかりでなく、会社は組合費を毎月の給与から天引きしていました。
- SPSI LEM PT. HPMへの強制加入が続いていた時に、私たちは組合が組合員の組織として機能しておらず、それが大きな失望につながっていると考えました。
SPSI LEM PT. HPMの組合員はSPSIを改革するために役員に対し、SPSIの財政状態に関する集会を何度も要請しましたが、この試みはSPSIの役員によりすべて却下されました。
- 2015年に入り、私たちはさまざまな問題を明らかにし、組織構造を改革する方法を探るために激しい議論を行ってきました。
私たちの最終的な結論は、組合員の利益のために、そして組合員の権利のために闘う新しい労働組合を発足させるというものでした。
そうして私たちはSERBUK(人民労働組合)傘下のPTホンダプロスペクトモーター支部(以下 SERBUK HPM)を立ち上げました。
- 2015年4月12日、SERBUK HPMの設立宣言期間に3500人の組合員を獲得しました。
これらの組合員は労働者自ら組合加入書に記入した組合員です(加入書は自主的にSPSI LEM PT. HPMから脱退し、SERBUK PT. HPMに加入するという内容でした)。
- 2015年4月14日、私たちはSERBUK PT. HPMの設立要件を記録した書類をカラワン地方雇用局本部(the Head of Manpower Dept of Karawang District)に提出しました。
- さまざまなことがあったが、管轄地域の新しい労働組合について、雇用局本部はSERBUK PT. HPM登録のすべての手続きは関連諸法(Act No. 21 of 2000 on Trade Unions/labour Unions and The Decision of the Minister of Manpower and Transmigration No.16 of 2001 on Recording of Trade Union/Labour Union)に適合していることを法的に確認署名する立場ですが、
カラワン地方雇用局本部はSERBUK PT. HPMの法的組合としての登録番号の発行を拒否しています。
- 新規組合員の募集に対抗し、これを妨害するためにPT. HPMは2015年4月13日に告知(No. 10/HPM/PGA/IV/2015)を出し、PT. HPMの労働者に加入用紙の配布を禁じ、新規組合を設立して新しいSERBUK PT. HPMに加入することを妨害しました。
会社側はまた、この告知の中でレイオフなどの制裁を加えたり、犯罪として警察に通報するなどと脅しました。
- 2015年4月17日13時30分、カーリーという労働者(新しくSERBUK PT. HPMの役員に指名されていました)はHRD本部(Bernama Dodod)に呼び出され、新しいSEBUK PT. HPM組合の設立と加入用紙の配布に関する尋問を受けました。
- この尋問の中でDododはカーリーがSEBUK PT. HPMの加入用紙を配布したことについて脅迫と非難を行いました。
この尋問に続き、Dododは本人の許可もなくカーリーの机の引き出しを開け、SEBUK PT. HPMの登録用紙を押収していきました。
この名簿の情報を元に、会社側は労働者に圧力をかけ、SEBUK PT. HPMから脱退させるための脅迫を行いました。
- そしてDododはカーリーや他の労働者たちに対し、SERBUK PT HPMの組合員に加入したり、役員になればレイオフの対象にすると脅迫しました
(この脅迫はSERBUK PT. HPMの組合員、特にKrisnan、Rujito、Hendrika、Ahmad Sunedi、Adbul Royanの面前での発言です)。
- 2015年4月27日、Joko Wiryawan(SPSI LEM PT. HPM議長)とRuswandi(SPSI LEM PT. HPM書記)はSPSI LEMの41人の組合員に指示を出し、カラワン雇用局を占拠し、
SERBUK PT. HPMのメンバーに対して暴力、撃退、暴言、投石などで新規組合の設立申請を妨害させました。
- 会社や既存の組合による事件と脅迫が続いています。会社はSEBUK PT. HPMに加入し、役員になった労働者を停職処分にしました。
以下のリストは、現在まで停職が続いている労働者の一覧です。
番号 | 氏名 | 勤続年数 | 備考 |
1. | Kerly | 16年 | 停職書類番号 01/PGA/SK/IV/15 dated 24 April 2015 |
2. | Yohanes Masang | 14年 | 停職書類番号 02/PGA/SK/V/15 dated 5 May 2015 |
3. | Lutfi Firmansyah | 16年 | 停職書類番号 03/PGA/SK/V/15 dated 14 May 2015 |
4. | Uut | 12年 | 停職書類番号 04/PGA/SK/VI/15 dated 11 June 2015 |
5. | Rizky | 15年 | 停職書類番号 05/PGA/SK/VI/15 dated 22 June 2015 |
注:
- これらの労働者が停職処分になった理由は「重大な違反」とされています(ただし彼らが具体的に行った違反行為は指摘されていません)。
これは、最高裁への司法審査により無効になった2003年の法律第13号の規定に違反しています。
- 停職処分により、これらの労働者は会社の敷地に入ることを禁じられています。
- 停職処分により、これらの労働者は月給の75%しか受け取れませんが、これは法律第13号の規定に違反しています。
- 2015年8月、停職になっても4か月分のボーナスを受け取る権利があるにもかかわらず、会社側は停職処分にした労働者にボーナスを支払いませんでした。
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- 会社はSERBUK PT. HPMの組合員であるKrisnan、Rujito、Hendrika、Ahmad Sunedi、Abdul Royanを他の部署に配置転換しました。
- 組合員やSERBUK PT. HPMの役員への脅迫、停職、配置転換の脅しは、
SERBUK PT. HPMに加入して組合員としての義務を果たしたり活動に参加する労働者に影響を与えています。
- SERBUK PT. HPMの組合員は、これらの問題を解決するために様々な努力をし、集会を開いてきましたが、今のところいかなる解決の兆候や手がかりがありません。
- 2015年8月20日、SERBUK PT. HPMの多くの組合員は、この問題に抗議するためにジャカルタの日本大使館と労働移住省でデモを行いました。
SERBUK PT. HPM労働組合は、結社の権利を守るために闘争を続けることにしました。
わたしたちは、国際的なネットワークやホンダ・インターナショナル・グループの傘下企業に対し、以下の支援と連帯を要請します。
- PTホンダ・プロスペクト・モーターは、SEBUK PT. HPM(人民労働者組合連盟)や他の組合に加入しようとする労働者に対し、結社の自由を尊重してください。
- PTホンダ・プロスペクト・モーターは、社内のすべての労働組合に対し、団体交渉、労働協約、そして労働組合の機能と業務の遂行など労働組合の活動に関するその他すべての事項について差別することなく、同等の権利と義務を認めてください。
- PTホンダ・プロスペクト・モーターはあらゆる形態の脅迫や脅しをやめ、労働組合の活動を行ったことによる5人の労働者への停職処分と4人の労働者に対する配置転換処分を撤回してください。
Karawang, 22 August 2015
Executive Committee of Federation of Serikat Buruh Kerakyatan (People Union)
Chairperson, General Secretary, Riki Hermawan Ali Husein