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郵政産業ユニオン声明〜有期雇用社員の不合理な格差是正を求める提訴
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有期雇用社員の不合理な格差是正を求める提訴
「労働契約法20条訴訟」にあたっての声明

郵便法1条は、郵便サービスを国民に「あまねく、公平に提供する」と定めるが、その担い手の労働者は不公平で極端な処遇格差の下におかれている。2013年4月現在、日本郵便株式会社の正社員は20万0601人、期間雇用社員と称される非正規社員が19万2900人で非正規雇用比率は49%にのぼる。しかも、期間雇用社員の大多数18万300人を雇用期間半年で反復更新の時給制契約社員が占める。

時給制契約社員は、一日8時間フルタイムで最も高い時給となっても年収が正社員の三分の一以下で200万円をやや超える程度だ。7時間、6時間、4時間など一日の雇用時間を削られている者も多い。年休・忌引休暇以外、正社員には与えられる休暇が与えられず、正社員には有給の病気休暇も無給、社宅の貸与や住宅手当の支給は無く、退職金も無い。しかし、仕事は正社員と全く変わらない。同じユニホームで窓口に立ち、配達・集荷で地域をかけめぐり、苦情の電話をさばき、深夜の郵便処理作業に就いている。営業目標は同じように課せられ、責任を問われることも変わらない。公務員時代は「臨時的補助的業務」と当局は言い、いまは「期待と役割が違う」と会社は言うが、現場の働き方にその違いは見あたらない。

2010年に、時の大臣が「希望する者は原則正社員化」と国会で言明し「郵政 10万人を正社員に」と報じられ、希望の灯がともったかに見えたが、結局、正社員への登用は2回のみ9496人にとどまり、非正規雇用多数の構造は微動だにしなかった。幾万人の不合格者には不合格の理由も今後の課題さえも示されず、絶望感だけが残った。そして、2014年度より郵政版限定正社員である「一般職」の採用が始まった。しかし、これは現に働く期間雇用社員にとって相変わらずの狭き門であり、会社は一般職創設の目的を「期間雇用社員の処遇改善のためではない」と公言してはばからない。同時に示された会社の「あるべき労働力構成」では40%の非正規比率を将来にわたって維持し、正社員の65%を低待遇正社員である一般職に変えていくとされている。

将来にわたる非正規雇用の維持は正社員処遇の「沈め石」を意味し、総体として郵政労働者の低待遇固定化に他ならない。わたしたちは非正規−正規貫いて将来の希望を切りひらくための新たな闘いを宣言する。引きつづき正社員化要求の取り組みも堅持しつつ、労働契約法第20条施行を活用し均等待遇要求の訴訟と第20条の「労働者に対する一切の処遇を含む」という視点で全国の職場で点検摘発を開始する。差別・格差によって労働者を安く使い捨てようとする経営の目論見を許さない。

郵政産業労働者ユニオンは、非正規雇用労働者が前面に出るこのたたかいを、組織を挙げて闘う。労働契約法第20条訴訟は、友誼組合である「東京東部労組メトロコマース支部」が先行する。わたしたちはこれに相呼応しながら全国の労働組合が第20条訴訟に立ち上がることを切に願う。もはや、非正規雇用労働者の犠牲の上に企業の繁栄が維持されることは許されない。政権と大企業経営団体の雇用破壊政策の路線に対して総労働の闘いを実現しよう!全国の非正規−正規労働者は団結して闘いに立ち上がろう!

2014年5月8日
郵政産業労働者ユニオン中央執行委員会


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