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東京の下町に脱原発の風 200人がデモ行進

下町の商店街に、「原発はいらない」の声が響いた。5月12日、東京・荒川で行なわれた「さよなら原発パレード」。200人余の参加者は、思い思いの表現で脱原発を訴え歩いた。

呼びかけたのは、「脱原発オール荒川アクション実行委員会」。地域で活動する市民団体・個人のほか、区職労、東京土建荒川支部など、民間労組ら有志で構成されるネットワークだ。

午後1時。荒川区役所前の荒川公園では、福島産有機野菜の販売が始まった。休日ともなれば散歩や池で釣糸を垂らす人、ベンチで囲碁・将棋に興じる人などが集う。春には桜、秋には紅葉を来園者が愛でる。真夏を思わせる快晴に恵まれたこの日。園内にはバラが咲き誇り、新緑とともに抜けるような青空に、くっきりとしたコントラストを描いていた。

開演に先立ち、先着順で1分間のスピーチを募集したところ、さまざまな個人・団体から申し込みがあった。生協で理事を務める女性は、「避難者の現実をどう考えているのか。危険な原発は日本 に1基もいらない」と、安倍政権の原発推進政策を厳しく批判した。原子力資料情報室会員の男性は、「シーベルト」という単位の欺まん性を指摘。「全身で平均化することで、被ばくを実際より軽く見せるまやかしだ」と告発した。

「経産省前テントひろば」の八木健彦さんは、すでに610日にもおよぶテントの存在意義を再確認した。2013年3月末、国はひろばの明け渡しを求める訴えを東京地裁に起こした。

八木さんは、「福島から東京に避難してきた女性は、テントを第二のふるさとと言っている」、「脱原発の意志が息づくテントには、魂が宿っている」と語 り、「すべての心ある人が、自身を当事者として裁判を闘ってほしい。5月23日の口頭弁論にぜひ集まってください」と力を込めた。

歌手のジョニーHさんは、故・牧伸二を偲ぶ替え歌や「危ない核」を披露。集会の最後に全員で、「原発はいりません! 荒川宣言」を採択した。

午後3時、デモに出発。区役所を裏手から出て、尾竹橋通りをめざす。荒川西中央通りとの交差点付近は、高層マンションが四方を囲む強風地帯。南側の窓から親子が興味深げに眺めている。子どもたちは笑顔でデモ隊に手を振っている。

「原発はいらなーい」、「安全に暮らしたーい」というシンプルなコールと、「原発なくしてOK、OK」、「原発輸出はNOサンキュー」などラップ調のコールを、指揮車が交互に繰り返した。隊列後部では、ジョニーさんのギターサウンドに合わせて、女性が軽やかに踊っている。

花の木橋付近では、歩道を歩く小学生がコールを真似ながら引き返し、私たちと一緒に歩いた。沿道でビラをまいていた仲間は、「受け取りがとてもよかった」と振り返る。

アクション実行委は、福島現地集会への参加や、有機野菜の販売を地道に続け、「脱原発」の広範な結集を呼びかけてきた。政治的には自公の牙城、保守層が強い土地柄である。

荒川区中心部を縦断した賑やかなパレードを、「ここではデモ行進そのものが珍しかったのではないか」と評する向きも。それでもふたを開けてみれば、主催者の予想を超えて、地域住民には好意的に受けとめられたようだ。

さわやかな汗を流した一行は、これまでの活動をねぎらい、次のステップへの構想を語り合いながら、交流を深めていた。(Y)


Created by staff01. Last modified on 2013-05-15 21:36:07 Copyright: Default

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