「移民のいない日」から「99%のいない日」へ:2012ニューヨークメーデー参加報告 | |||||||
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2012年5月1日、火曜日、ニューヨーク市内各所でメーデー集会・デモが開催されました。私が直接見ることができたのは、ロウアーイーストサイドから出発した無許可デモ、ワシントンスクエアの学生集会、いくつかのデモ隊が合流したユニオンスクエアの集会、そしてウォール街へのデモです。最終的な参加者は3万人(主催者発表)になりました。警察は通行人や視聴者の参加を妨げるため例によって厳戒態勢を演出していましたが、ご覧の通りみんな生き生きしていて楽しい祭典でした。 今回のニューヨークメーデーの特徴は、なんと言ってもオキュパイ色です。米国のメーデーは長らく衰退していましたが、2000年代に移民労働者達が移民の人権を求める日としてメーデーを"復興"させました。移民労働者は、格差社会で最もひどい労働・生活環境を強いらながら、何かとスケープゴートにされ、尊厳を奪われてきたからです。2006年メーデーの特徴を端的に表していた言葉が「A DAY WITHOUT IMMIGRANTS(移民がいない日)」でした。今回は「A DAY WITHOUT 99%(99%がいない日)」、つまり中心的な担い手がオキュパイ運動となり、単一争点型の問題提起ではなく、1%に支配された現在のグローバル資本主義への多様な抗議へと中身が変化したのが特徴です。2011年にニューヨーク市から出発して全米そして世界各国に波及したウォール街占拠運動は、当局によるリバティプラザ制圧にもかかわらず、占拠の領域を広げ、いろんな分野・様々なグループに根を下ろしてきました。「1%が世の中を支配している」「99%のための社会を作らないといけない」という問題意識は多くの人に浸透しています。このオキュパイ運動の視点を緩やかに共有した人々が、「仕事をつくれ」「企業の強欲さはうんざりだ」「富裕層は負担をしていない」「ウォール街の独裁にノー!」「利潤のために戦争するな」「レイシズムをやめ登録外移民を認知しろ」「ローンの利率を上げるな」「利益のために自然を破壊するな」「ストライキしよう」「大学を無料にしろ」「女子供の売買をやめろ」「LGBT(性的少数派)は連帯する」「警察は誰を守っている?」「コモディティ(商品)よりコミュニティ」そして「原発・核兵器を廃止しろ」といった多様な主張をもって参加しました。一見ばらばらに見えますが、原因をたどっていけば、99%の人々の命や生活よりも1%の利益を優先する行き過ぎた資本主義システム、という共通の問題に行き着きます。 ほとんどの労組の公式のスト表明がなくゼネストと呼べる規模にはならなかったことは課題を残したと思いますが、それでもこれだけの人達が平日に自発的に山猫ストをして、米国で偏見を持ってみられているメーデーに参加したことは注目に値すると思います。 JNK @ニューヨーク Created by JNK. Last modified on 2012-05-04 05:56:54 Copyright: Default |