日韓演劇『荷(チム)』終焉後、元浮島丸乗員兵がその沈没事件実体験を熱く語る | |||||||
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2月28日、武蔵関のブレヒトの芝居小屋での東京演劇アンサンブル公演「荷(チム)」(2月24日(金)〜3月4日(日))の公演後、ロビーで、ひとりの老人が出演者たちと対話交流をした。 「荷(チム)」は韓国の鄭福根(チェン・ボックン)の、未だに真実が明かされていない「浮島丸沈没事件」をテーマにした作品。今回は韓国の俳優が二人、韓国語で出演している。 「1945年8月24日、青森・大湊港を出港した浮島丸。故国に思いをはせる数千人の朝鮮人乗客を乗せ、釜山へ向かうはずの船は、突如針路を変え、舞鶴港沖で謎の爆発を起こして沈没した・・・。そして、現代。残されたのは、祖父から預かった『荷』であった。それは日本と韓国に横たわる、今もなお続く重い『荷』であった。」(宣伝チラシより) 朝鮮半島で拉致され日本に連行され、強制労働をされたり無理やり女子挺身隊として慰安婦にされてしまった朝鮮人たちは敵国からも祖国からも生存を消滅される可能性があった。単なる事故とは考えにくい、この事件は、誰が何のために爆破したのか。 終演後のロビーで語っていたのは、小野寺和一さん(83歳)。14歳で志願し、当時は16歳の通信兵だった。 「浮島丸が舞鶴港に入ったとたん突然爆音がして、朝鮮人乗客たちが海に投げ出されました。私は風呂に入っていたので真っ裸だったが、あわてて、脱衣所の朝鮮人乗客の服を着て、甲板に出ました。船は沈みはじめ、若い夫婦が幼児を差出し『この子たちだけは助けてください』と言ったとき、16歳の私は何もできなかったが、ベテランの日本兵が『まかしておけ、あんたたちも俺のそばを絶対離れるな』と叫んでいる光景を見た。その人たちは助かったらしい。500人以上の乗客が溺死したと聞いている。後で3000人以上だとも聞いたが定かではないです。」と、観客や日韓の役者たちに実体験を熱く語った。 観劇後、「世代を継続して伝わる恨みとか憎しみとはなんであろうか」といった、やりきれなく悲しい感情が襲った。 この「世代をつなぐ憎しみや恨み」はファシストやテロリストに利用され、新たな「憎しみや恨み」を生み出す。 それを生み出さない判断や行動を考えるきっかけとして、ぜひ見てほしい作品である。 (ジョニーH) http://ephemera.asia/?portfolio=%E3%80%8C%E8%8D%B7-%EF%BC%88%E3%83%81%E3%83%A0%EF%BC%89%E3%80%8D-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%BC%94%E5%8A%87%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E5%85%AC%E6%BC%94-%E7%AC%AC2%E5%9B%9E Created by JohnnyH. Last modified on 2012-02-29 01:13:45 Copyright: Default |