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子どもたちに「生きるための学び」を!〜福島県教職員組合の取り組み

福島県教職員組合は、7月「子どもたちのいのちと未来のために学ぼう 放射能の危険と人権」(明石書店 800円+税)を発刊した。ここには、未だに県内の多くが放射線管理区域内以上の空間線量下で学校生活を送らざるをえない子どもたちに対して、教職員はどう関わっていけばいいのかの指針、人権教育としての「生きるための学び」の視点が提案されている。以下、本書を発刊した福島県教組の取り組みの簡単なレポートである。

福島県教組は昨年組織内に「放射線教育対策委員会」を立ち上げ、まずは福島の現実を全国に訴える取り組みを始めた。今年1月に開催された日教組全国教研集会では、全分科会に福島県教組の各支部の代表が参加し福島の現状を報告した。

そして今年は、10月に予定されている福島県教組教研集会に向けて、「福島の子どもたちに問われる教育は何か」を明らかにする取り組み、さらには文科省の放射線教育副読本の誤りを乗り越えていく独自の放射線教育の副読本の作成に向けた準備が行われている。 8月2日、3日、郡山市磐梯熱海で秋の県教研集会に向けた「第2回教育課程編成検討・推進委員会」(写真)が開催され、県内各支部から代表が参加した。

「推進委員会」では、まず各地の学校の状況が交流された。その中で最も大きな問題として指摘されたのは「プール」実施である。いくつかの市町村では、「強行実施」はしないという確認が組合と行政間で取られているものの、中には教職員の意向を全く無視して「強行」している学校があるという。マスコミではプール実施が子どもたちの満面の笑顔で報道されているが、現場では教職員が悩み、苦しみながら行われているのが現実だ。

そして子どもたちがどう福島を生きていくのか、そのための教職員の持つべき視点は何かについて議論が行われた。そのための素材提供をしたのが教育評論家の長谷川孝氏だ。

長谷川氏は、「福島の子どもたちは、この1年半ものすごく多くのものを学んだ。そこから問題点を整理し、自分の生きる『知識』にしていくのは教師の助けなくしてはできない」と指摘した。この視点は「共通学力テスト」で競争原理を押し付けられ、悩み苦しんでいる全国の子どもたちにも必要な人権教育の内容である。福島県教組が目指している「生きるための学び」は、全国の学校教育に求められる中身でもあるのだ。(湯本雅典)

動画(YouTube ユニオンチューブチャンネル)

「子どもたちのいのちと未来のために学ぼう 放射能の危険と人権」申込み書 PDF


Created by staff01. Last modified on 2012-08-08 17:08:10 Copyright: Default

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