報告:「なくそう!官製ワーキングプア」第2回反貧困集会 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
5月30日、東京・お茶の水の総評会館で、「第2回 なくそう!官製 ワーキングプア 反貧困集会」が開かれた。主催は実行委員会。「国・自治体がワーキングプアつくってどーすんだ!?」と問いかけた。 今から1年前。この会場に、国や地方自治体など、公共サービスの最前線で働く労働者が、前近代的な無権利状態に置かれている実態を告発すべく集まり声をあげた(当サイト既報)。そして「官製ワーキングプア」という言葉が、解決すべきテーマとして社会に投げかけられ、語られる状況を作り出してきた。 集会の午前の部は、会館の各部屋で3つの分科会が持たれた。 第1分科会は、「有期雇用、解雇との闘い」。第2分科会は、「賃金、手当て、休暇などの改善の取り組み」。第3分科会は、「業務委託、指定管理の現場での取り組み」がテーマで、それぞれ経験の交流が行なわれた。 私が参加した第1分科会には、短期の契約更新を繰り返したり、解雇撤回訴訟を闘う当事者ら約80人が集まった。 京都大学時間雇用職員組合「ユニオン・エクスタシー」の井上さん(写真上・左)は、京大図書館で働いてきた。国立大学法人化の際に導入された「雇い止め条項」。京大ではこの「5年問題」で、全職員の半数以上の非常勤職員の、さらに半数の1300名が、この3月に職を失うのだという。 井上さんらは大学側のこの決定に抗議し、ストライキに突入。テントと座り込みで団交を要求してきた。「学生運動と労働運動の違いがよくわからなかった」と明かす井上さん。とりあえずストを打ったが、後に当局の弾圧の激しさを痛感。4年目に雇い止めに遭った。それでもめげずに府労委や裁判に訴えて闘っている。 時計台前には「くびくびカフェ」を開店。「くびくび」とは解雇された仲間二人を指す。コーヒーの値段は、所得を1万で割った額。年収200万円なら200円。500万円なら500円だ。自然体での語り口やユニークなエピソードの数々に、会場は温かい笑いに包まれた。 午後の部は全体集会。まず当事者ら有志がステージに並び、「非正規労働者同窓会物語」という構成劇を演じた。同窓会に集まった友人たちがそれぞれ近況を語り出すのだが、教え子の社会での活躍を喜ぶ教師に、実は非正規、非常勤という過酷な現実を告白。冷水を浴びせると言うオチがつく。 自治体直接雇用非正規労働者の闘いが紹介された後、壱花花さんのイラストがスクリーンに映し出された(下段)。公募したワーキングプア川柳の選考結果を、乱鬼龍師匠(写真上)が発表した。大学の非常勤講師・コール佐藤さん(写真下)が、おなじみの「非常勤ブルース」を熱唱。その後、入選した川柳に即興で曲をつけ披露した。 公務職場の最前線で、時として常勤・正規職員たちの「盾」にすらなって懸命に働く非常勤・非正規労働者たち。彼女ら彼らは、不安定で短い雇用契約を繰り返しながら、専門的な技術を蓄積。誇りある良質なサービスを提供してきた。 「行政改革」による「公務員減らし」の大合唱は、世論に高級官僚と窓口職員を同一視させ、嫉妬心を煽ってバッシングへと向かった。仕事への「やりがい」や向上心は、当局に都合よく利用され、労働者の分断を後押ししてきた。 本来、非正規ながらも長期にわたって勤めあげてきた労働実績は、「実質的には無期雇用」との期待を、本人はじめ職場の同僚らに抱かせて当然であるし、賃金も適正に経験加算されるべきである。「同一価値労働・同一賃金」の実現こそ、問題解決の第一歩になるのではないか。 また「任用(権)」などを口実に、機械的に漫然と発せられる「雇い止め」は、あうんの呼吸で作業が効率化された職場に混乱をもたらし、当事者のプライドを傷つけ、経験のない新人への教育は、新たなコストを生んでしまう。 正社員たちがこの攻撃に「他人事」だと沈黙を守れば、次は自分たちが同じ仕打ちを受けることに、必ずなる。それでいいのか。 私たちの生活の身近な場所で、不条理な雇用慣行による貧困に苦しむ人々がいる。常勤職員と同じか、それ以上の仕事をきちんとこなしながら、差別的な視線にさらされている人々がいる。 この集会は、こうした人々の声を集め、つなぎ、可視化し、今後は具体的な政策提言にも挑戦しようとする。正規・非正規の壁を越えた共同の歩みが、着実な成果を勝ち取りつつある。 この日は、これまでの取り組みを記録した新刊「なくそう! 官製ワーキングプア」(官製ワーキングプア研究会・編/日本評論社/1600円+税)が会場で販売され、5時から会館内で出版記念パーティが開かれた。 実行委の白石孝・荒川区職労書記長は、「ぜひ多くの人に読んでほしい」と力を込め、すべてのプログラムを締めくくった。(Y) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 臨時とは 我が職場では 20年 Created by staff01. Last modified on 2010-06-04 23:18:26 Copyright: Default |