20分にわたり免職の不当性訴える〜「疋田教諭分限免職訴訟」が結審 | |||||||
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教員として「不適格」という理由で「研修」の途中、一方的に解雇された処分の撤回を求める「疋田教諭分限免職取消し訴訟」の最終意見陳述が1月27日午後、東京地裁であった。 「ジョニー先生」の愛称で生徒たちに親しまれてきた小平第五中学校元教員・疋田哲也さん。証言台で約20分にわたり、解雇の不当性、違法性を訴えた。 誠実さあふれる堂々とした態度に、すぐ後ろに座っていた私の目頭が熱くなった。陳述の最後には、リズミカルな詩も飛び出した。(報道部・Y) -------------------------------------- 午後1時15分。開廷の直後から被告東京都・代理人の様子が変だ。この日の朝に送りつけた被告の意見書の扱いをめぐる確認やら、原告側が提出した証拠への、ピントはずれの言いがかりばかりが目立ち、傍聴席からは失笑が漏れた。落ちつきのない態度に、裁判長がいなす一幕もあった。私はこの裁判を初めて傍聴したが、どうやら被告側はこれまでも度を越えた人格攻撃や、非常識な誹謗中傷の類を繰り返していたらしい。 疋田哲也さんは約20分にわたって分限免職の不当性、違法性を訴えた。ていねいに原稿を読み上げる声が、静寂に包まれた満員の傍聴席に、重く響きわたった。 疋田さんは24年間教員として働き、その創造的で豊かな教育は、生徒からの厚い信望を集めていた。校長や教頭らが問題にした「自動車通勤」は、重病の父親の介護と、授業や生活指導を両立させるための、止むにやまれぬぎりぎりの手段であり、本来禁止されているものではなかった。こうした事実ひとつをとっても、日々全力投球でさまざまな課題に取り組む、手抜きのない生きざまが伝わってくる。 疋田さんが「体罰」をしたとされる問題についても、原告・被告双方の主張には大きな食い違いがある。当時は、教育現場での体罰への認識がかなりあいまいだった。校長、教頭によって、より深刻で重大な体罰を行なった教員がかばわれ、事件がもみ消されてすらいた。 なによりも市教委自身が「強い指導」「強度のスキンシップ」を標榜し、教員にそれを奨励するなかで、疋田さんの行為だけが問題視され、恣意的に処分に利用された。 疋田さんは指令された「研修」を好成績でこなし、従来の誤った体罰認識を根本から改めていた。にもかかわらずその大きな成果は、管理職からも教育委員会からも無視され顧みられることもなく、「研修」の途中で突然解雇されたのだ。 指導教官も心から期待していた疋田さんの再出発の門は、冷たく閉ざされた。修了の1ヶ月前だった。いったい何のための研修なのか。 「大量の私物」の持ち込みも、本来学校側が用意する教育材料を私費で調達し、授業に使っていたものであり、褒められはしても、解雇の理由になる筋合いのものでは、当然ない。 30余人の参加者は閉廷後、待合室に移動し、意見を述べあった。 代理人の津田玄児弁護士は、「本件はすべての公務員の解雇問題にかかわる裁判だ。教師の体罰の認識についても大きな意味を持っている。みなさんがこうして集まることが、大きな力になる」と語った。福島晃弁護士は、「この裁判に手応えを感じている」と評価した。疋田さんの弁論を、裁判長がところどころ頷きながら聞いていたというのだが、そのシーンこそ、当時体罰について多くの教員や生徒、その保護者らの間で支配的だった感覚から、疋田さんが「研修」によって学び、めざめ、深く反省した心情を語った下りだった。 この闘いは、教育行政に大きく影響を与える」と福島さんは指摘する。「分限免職がまかり通る世の中になったらと大変だ。どんな結果が出るにしろ、高裁にいくことは間違いがない」と結んだ。 ある参加者は、職場のパワハラでうつ病になり労災を申請中だ。「パワハラや嫌がらせは、とかく職場の上司からの呼び出しなど、権力者の密室空間で行なわれる」と体験を告白。別の傍聴者は、「疋田先生の裁判の足を引っ張るわけでは、決してないが」と何度も念を押しながら、教師の体罰によって、子供を自殺に追い込まれた親たちの、悲痛な体験を報告した。 この日ほとんど口を開かなかった疋田さんだが、最後に「私の事例を出して当局に脅されている仲間もいると聞いている。いつでもどこへでも支援に駆けつける」と力強くアピール。支援者らは近くの喫茶店に移動し、さらに交流を深めていた。 判決は、4月28日水曜日午後1時15分、東京地裁527号室で言い渡される。(報道部・Y) Created by staff01. Last modified on 2010-01-31 08:05:37 Copyright: Default |