天皇在位20周年に向けて危険な動き

佐々木です。

新芽MLからご本人の了解を得て転載します。
１１月の天皇在位２０周年に向けて、さまざま危険な動きがあるようです。

転載ここからーーーーーーーー

天皇「在位２０周年記念ＤＶＤ」が文科省から全国の教育委員会・学校に送られ
ているのをご存知ですか。このDVDというのは、内閣府が企画し、製作は「毎日
映画社」　が行なったもので、政府が予定している１１月１２日（木）（平成２
年の「即位の礼」が行われた日）の内閣が主催する記念式典の中に位置づけられ
ているものです。

天皇陛下御在位20年慶祝行事等-詳細サイト（DVDを見ることが出来ます）

その内容は以下の通りです。

①プロローグ
②天皇陛下の御即位
③天皇陛下の御公務など
④世界との掛け橋　　国際親善
⑤お稲作と御養蚕
⑥御研究
⑦平和への思い
⑧励ましと祈り～被災地御訪問～
⑨大切にしてこられた御家族との絆
⑩国民の幸せを願われて
⑪エピローグ

私も機会があって見ましたが、さすがに白馬にまたがる軍服姿の天皇はなく、
他方で、「国民の象徴」としての天皇が強調されるわけでもなく、基調は「天皇
制国家」の基礎をなす家族―「幸せな家族―むつまじい天皇一家」が映し出され
ており、一方で、平和を語り、国民にやさしく接する天皇像の打ち出しもありま
す。「日本は昭和の始めから２０年まで平和なときはありませんでした。この歴
史を正しく理解しようと勤めることは日本人として、また、日本人が世界の人と
交じわっていく上で大切・・」という記者会見での発言に、日本国憲法の「国民
主権」下での現代版の「天皇の赤子」という虚構を見ました。こうした天皇との
関係を早く断ち切りたいものです。

　私は早速、県教委にこの件で問いあわせました。

内閣府等からの依頼を受けた文科省は、「ＤＶＤが送付されましたので配布につ
いて協力をお願いします」と各教育委員会（ここから学校へ）に送り、県教委は、
「文科省からの協力依頼がありましたので送付します」というような文面で高校
等各校に送付しています。　両者に、「指導する」といった文面はなく、「事務
的に」取り扱われているようです。　これまではこうした文書は、一括県教委に
来て、それが市町村に送られるのが通常なのですが、今回は、市町村教委には文
科省から直接に送られています。

県内のごく一部ですが、その状況をお伝えします。
　・市教委によっては学校にも配らないところもある。
　・学校に配ったが児童生徒に見せることは予定していない市教委がある。

　―ある市教委は、視聴指導を予定せず、学校では学習資料のひとつとして取り
扱うと市民に答えています。
教組はそれぞれ対応しているようですが、上記のような教育委員会の対応の中で、
「静観」しているところもあり、指導するような動きがあれば対応すると支部の
会議で確認したところもあります。

受けとめ方は、全国では、相当の違いがあるのではと想像します。官邸のサイト
には各省庁の「慶祝行事等」の計画も載っていますが、このDVDの使用を明示し
ているのは金融庁だけで、文科省には出ていません。しかし、「教育の機会」に
名を借りて、「主権在民」に反する子どもたちへの視聴が行なわれないようにし
なければなりません。

　当初の情報は、Nさんが市議会を傍聴したとき、一人の右翼議員の口から「子
どもたちに日本人として日本人らしく国を愛することを教えるのは教育の勤めだ」
「１１月教育委員会はその完全実施を行なってほしい」とDVDの利用を叫んだこ
とが発端でした。「在日特権を許さない市民の会」など右翼勢力が市民ずらをし
て動き出している昨今の動静を考えるとき、この問題で11月に向け反動的な動き
が出てくることも考えられますので、各地での取り組みを強化し、連帯を強めて
いきたいと思います。