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LNJ Logo 国労バッジ辻井さん事件〜神奈川地労委証人尋問に50名が集まる
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国労バッジ闘争、辻井義春さん 神奈川地労委証人尋問に50名が結集!

1月19日、JR東日本でただ一人国労バッジを着用していることで、JRから処分攻撃を受けている辻井義春さん(JR本郷台駅勤務)の神奈川県労働委員会審議に、支援者50名が集まった。

国労バッジとは、1センチメートル四方の国鉄労働組合のバッジである。辻井さんはこのバッジを左胸に着けていると言うだけで、JRからこれまでに20回以上の処分(最高10日間の出勤停止)を受け、その結果年間平均40万円以上の給与カットの被害を蒙ってきた。

この日は証人尋問1回目で、証言台には保泉良二さん(JR鶴見駅勤務・写真下)が立った。

保泉さんは、自身バッジ着用で長い間差別され不当な処分をされ続け、処分撤回の闘いを続けてきた(現在国労鶴見駅分会長)。証人尋問では、保泉さんの生の経験談を通じた「国労バッジ差別」の実態が語られ、辻井さんの今置かれている現実が明らかにされた。

以下、保泉さんの証言の一部である。

・1987年の国鉄分割民営化以降、JRから「国労バッジを外せ」という動きが始まった。

・国労バッジを着けている事で、通常の業務に支障を与えることはない。むしろJR管理者が「外せ」と大声をあげるので、お客様がびっくりする。自分の場合信号業務だったので、業務中に「バッジを外せ」と何度も言われ、安全が求められる信号業務に集中できなかったことがあった。

・労働委員会で「バッジ処分が不当労働行為である」という判断がでた後、JRは労働委員会判断を罵倒するような行為に出た。(例:「神奈川県労働委員会は、狂っている、左巻きだ。」など)

・1999年に最高裁判断が出され、それまでの賃金カットの修復分とJRの謝罪文が出された。しかし、それまでが長かった。

・しかしJRによる不当処分は続く。2002年3月には、JRはバッジ着用者に対し「さらに厳正な処分を行なわざるを得ない」という文書を職場に提示した。これは、労働委員会に対する挑戦状だ。この結果、JRによる処分の量刑が昇給停止、出勤停止とどんどん重くなっていった。

・私の場合、不当処分による給与カット総額は試算だが通算で17397600円に昇る。

・2006年11月に国労東日本とJR東日本との間で、バッジ事件を含む「包括和解」が成立した。しかしこれはJR側の謝罪も原状回復もない、労働委員会の勝利命令をドブにすてる「和解」の名に値しないものだ。私たちは、この「和解」に対して国労本部への抗議文などで反対してきた。辻井さんはその闘いの中心で闘ってきた、この結果、国労本部はバッジ闘争に対して「撤回」はしていない。

・団結権は個人の権利である。執行部に批判的な立場で行なわれる組合員の行動も労組法で保障された正当な組合活動である。

この証言に対して、JR側代理人からの反対尋問では、「国労バッジ着用者が減っていった事実を知っているか」や「バッジを外した組合員が、その後処分を受けていない事実を知っているか」などの「反論」がなされたが、申し立て人(辻井さん・写真上)代理人や補佐人(支援者)から「国労バッジ着用者が減ったのは、JRによる弾圧の結果である」「バッジを外しても、バッジ着用時に受けた処分により定期昇給カット分は変わらず、給与減収は続いていく」と反論がなされた。追い込まれたJR側の反対尋問は、予定時間をはるかに下回る30分程度で終わった。(主尋問は60分)

証人尋問第1回では、バッジ処分を通じてJRがこれまでいかに労働者の人権を奪ってきたかが明らかにされた。今後も証言が続く。さらに支援の輪を広げる必要が、求められている。(湯本雅典)

*次回神奈川県労働員会証人尋問は、3月2日(月)午後3時〜 (場所:神奈川県労働委員会 みなとみらい線日本大通り駅下車)


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