映画「南京・引き裂かれた記憶」〜加害事実と向き合うこと | |||||||
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加害と向き合う事と私たちの目指す世界のカタチ 根来祐 先日「南京・引き裂かれた記憶」という映画を見ました。名前の通り、南京での戦争加害と被害につ いての映画ですが、ストンと気持ちよく映画の内容が入ってきて違和感がありませんでした。数百の 被害者と加害者への地道なインタビューの中のほんの一部ですが、プロパガンダではない真摯な眼差 しに心打たれました。 多くのドキュメンタリー映画は最初からシナリオが決まっているものも多く、そうなるとせっかく現 場で取材をしても「でも、それってもう既に答えが決まってた事だからなあ・・・」と素材の良さを 監督の意図が殺してしまう場合がありますが、この映画にはその過ちがありませんでした。 中国へ従軍し戦争トラウマに悩み続けたお祖父様の孫である武田倫和監督が、ある日本人の女性との 出会いを通して映画を撮ることになった縁にドラマを感じました。この女性は松岡環さんという方で 、映画の中ではインタビューをしている場面が多々現れますが、彼女はそもそも20年かけて数百人 の被害、加害者へのききとりをして来られた方で、南京へは60回も訪れています。何が彼女をここ まで夢中にさせたのか・・・強い興味を持ちました。 実は先日偶然にも松岡さんとお会いする機会があり、早速その場でいろいろなお話を聞かせて頂き ました。(写真=松岡環さんと武田倫和監督) -------------------------------------- 根来: どうしてここまで熱心にこの南京の問題に取り組まれたのでしょうか? 松岡: 元々教師でした。子どもたちに平和・人権教育をやっている人間が『いじめはだめ』とかいいますが 、日本の政府は実質は戦争における加害を認めていません。戦争で被害を与えた国のまだ生きている 被害者やその家族、遺族を苦しめるようなことをしている。『フェアな事をしなさい』といっている 大人がアンフェアな事はしたくない。国家のアンフェアをみすごしちゃだめだ・・・という想いが根 底にありました。 根来:元々調査を本にされていたのに映像にまでしなければいけなかったのはどうしてでしょうか? 松岡:何百という日本兵への聞き取りをしてきて今まで心から反省していると感じた方はごく少数で した。顔をみたらわかるんです。言葉と表情は微妙に違うから。だから顔の表情を見せないといけな いなあと思いました。被害者証言でも中国の政府から雇われた人間だと誹謗中傷する人がいますが、 あの心と体の痛みが込められた表情を映像で見て欲しいと思います。(ただ、日本社会の圧力の中で 証言をする事自体はとても勇気のいる事です、証言を頂いた多くの元兵士の方にはとても感謝をして います。 ) 日本兵の証言と被害者の痛みを伴う証言の落差、それが日本側と中国側の歴史認識の差となって映 像に現れていると思います。 やわらかい物腰、静かな語り口、そしてたまに冗談を交えるユーモアなどとても魅力的なお人柄の松 岡さんですが、それとは裏腹に何百もの被害・加害者に出会い粘り強い調査をしてこられた(学者も うなる程の細かい内容)執念ともいえるアクティブな側面があります。 時代は経過し、、戦争での歴史自体を否定する人、また被害者を直接誹謗中傷する人々など事実を否 定し、その事自体が自分自身のアイデンティティーの確保となる人が増える中、「どうやったらもっ とより生きやすく、自分自身が成長してゆけるのか?」「どうやったら自分自身を肯定し、ひいては 周りをも肯定して生きて行けるのか」について考えるとき、加害事実と向き合うことは必須となるで しょう。 もしもあなたの中に何かしらの「ひっかかり」があるならば、なお更ぜひこの映画を見て欲しい そして一緒に語ってみたい わたしたちの望む世界の未来は一体どんなカタチなんだろうか? この映画は東京渋谷のアップリンクにて11月14日から公開されています。貴重な映像です。ど うぞお見逃し無く。 公式HP http://nanking-hikisakaretakioku.com/ 「六本木シネマだより」より http://ropponguimovie2.seesaa.net/article/132462488.html 「アップリンク」 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F tel.03-6825-5502 Created by staff01. Last modified on 2009-11-17 10:12:49 Copyright: Default |