信濃川不正取水を取り上げたTV番組「大河は誰のもの」 | |||||||
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6月14日深夜に放送された「NNNドキュメント09・大河は誰のもの〜信濃川不正取水の 果てに」(30分・テレビ新潟)は、出色の出来だった。とにかく、まずわかりやすい。 そして、JR東日本の犯罪性と問題の所在が明確に捉えられていた。 新聞報道だと不正取水の数字が前面にでてくるので、すっと頭に入りにくいが、 映像は、殺されかかっている信濃川がどうなっているかをずばり見せる。そして、 地元の人たちの生の声がびんびん伝わってくる。 先祖から受けついだ漁具(網)を見せる老漁師は「以前、信濃川はサケでうまっていた。 この網で1万匹のサケを捕ったんだ」と語る。いまその川は干上がってしまった。 この作品のすぐれているところは、今回のJR東日本による不正取水事件だけでなく、その 背景全体を捉えているところ。大量取水のはじまった20年前にさかのぼっている。 なぜあのとき、大量の取水を認めてしまったのか。当時の責任者である市長にも直撃インタビュー。 そのなかで環境より開発を重視した田中角栄が果たした役割も浮き彫りになる。 また随所にでてくるJR東日本の社長や幹部たちの対応が腹立たしい。謝罪が表面的でしかない ことが、画面から十二分に伝わってくる。 川を奪われた人たちの怒りと、川を取り戻したいという思いが強く心に残る。 「信濃川をよみがえらせる会」会長の長谷川さん(漁師)は、JR東の幹部に向かって問いかける。 「JRは水力発電はクリーンエネルギーだというが、決してクリーンではありません。 一度真夏の減水期、川に立ってみてください。さすが水力発電はクリーンだなと思えるかどうか。 一度来てみてください。」 この静かだが怒りに満ちた問いかけに、JR幹部はまったく答えられない。 下を向いてメモを走らせるだけだった。 この番組は地元の「テレビ新潟」がつくったもので、制作スタッフの意気込みを感じさせた。 ぜひ多くの人に見てもらいたい。 (松原明) Created by staff01. Last modified on 2009-06-16 11:38:48 Copyright: Default |