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LNJ Logo 6.20東京総行動で100名の労働者がトヨタ東京本社に抗議
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団体交渉権・ストライキ権を否定し、組合つぶしを進め 超法規的殺人に加担するトヨタ

フィリピントヨタ労組を支援する会

↑ 韓国シチズン精密労組もトヨタに抗議行動(6.20東京総行動)

トヨタは世界26ヵ国52事業体で生産を行い、170ヵ国以上で販売を行い、従業員30万人を越す製造業世界NO.1のグローバル企業です。このトヨタのフィリピン子会社、フィリピントヨタで団体交渉拒否、233名の解雇をめぐる労働争議が9年目に入りました。
そして今、フィリピン軍がこのフィリピントヨタの労働者を直接威喝、監視し、組合指導者を超法規的殺人で脅すという異常事態がおきています。

トヨタの団体交渉拒否と233名の労働者解雇

問題の始まりは、フィリピントヨタ労組が2000年3月一般労働者の選挙で勝利し団体交渉権を獲得したにもかかわらずフィリピントヨタが団体交渉を拒否したことでした。翌年3月にフィリピントヨタはこの問題をめぐって233名の組合員を解雇し、フィリピントヨタ労組はこれに抗議してストライキに突入し工場の操業がストップしました。それに対して、トヨタは「トヨタの有利に解決しないと撤退するぞ」とフィリピン・アロヨ政権を脅しストライキを中止させました。それ以後トヨタはアロヨ政権と結託してフィリピントヨタ労組をつぶすための攻撃をかけ、御用組合を育成してきました。

 トヨタは最高裁判決・ILO勧告の実施を拒否

2003年9月フィリピン最高裁はフィリピントヨタ労組の団体交渉権を認めました。また、同年11月国際労働機関(ILO)は団体交渉の開始、233名の原職復帰、ストライキ制限の撤廃を要請する勧告を出しました。また、2006年には国際金属労連(IMF)がこの問題でトヨタに対するグローバルキャンペーンを世界44ヵ国で実施しました。しかし、トヨタは日本政府とフィリピンアロヨ政権の庇護の下でこれまでの態度を全く改めようとしません。

NOユニオン!NOストライキ!政策を進めるアロヨ政権

現地では、アロヨ政権が多国籍企業を受け入れるため多数の工業団地を作り「NOユニオン!NOストライキ!」政策を強力に進めています。アロヨ政権は大統領選挙での不正問題、汚職問題で危機を深め、ますます労働者や農民に対する抑圧政策を強化し、フィリピントヨタ労組への攻撃をさらに強めてきました。2005年から2006年にかけてトヨタとアロヨ政権は結託して、法手続きを無視して新たな団体交渉組合を選ぶ選挙を実施し、一方的に御用組合の勝利を宣言しました。また、2007年10月フィリピン最高裁は「ストライキはいまや時代遅れだ」と宣言し、フィリピントヨタ労組の行ったストライキは違法であり組合員233名の解雇は適法だという判決を下しました。

              

軍隊と結びつくフィリピントヨタ

今年1月フィリピントヨタ労組事務所の同じ道路の数軒先にフィリピン陸軍第202歩兵旅団分遣隊が駐留し、特定の人物を名指しして所在を聞き、写真を持って聞き込みを行い始めました。その後の調査によって、この駐留は軍隊がフィリピントヨタと連携を取りながら行ったのだということが判明しました。すなわち、フィリピントヨタの工場内には以前からラグナ工業団地警察支援グループ本部が秘密裏に置かれ、軍隊も昨年から工場内に配置されていたこと、そしてこの軍隊が今年1月に組合事務所隣に公然と駐留し、会社を行き来しながら威喝と監視を行っていること、また、元フィリピン参謀総長がフィリピントヨタの顧問をしていることなどが明らかになりました。フィリピントヨタはフィリピン軍と密接に結びついてフィリピントヨタの労働者や地域住民を威喝、監視しているのです。そしてこのことはフィリピントヨタ労組の指導者達が生命の危機にさらされていることを意味しています。

軍隊が前面に出て脅しをかける

現地人権団体KARAPATANはアロヨ政権樹立以後900名を越える議員、ジャーナリスト、牧師を含む農民、イスラム教徒、少数民族、労働者などが超法規的に殺害されていると報告しています。国連を含めた世界の諸団体がこの超法規的殺人はフィリピン軍と警察、その関連組織によって行われており、この殺人は政府によって事実上免罪されていると断定し、非難を強めてきました。
しかし、これらの批判により昨年から超法規的殺人は人数こそ減少していますが、今年3月、トヨタグループの矢崎総業現地法人の労働組合元委員長の殺害に示されるように今も続いています。また、軍隊がますます前面に出て人々を殺人の恐怖で脅しています。  アロヨ政権が発足した2001年ごろには戦争地帯だけに配備されてきた軍隊は2004年ごろから全国の紛争地域の住民地区に広範に配備されるようになりました。そしてアロヨ政権の選挙違反や汚職の広がりが批判されるようになる中、2006年これまでメディア対策上配備されてこなかった首都圏にも軍隊が展開されるようになっています。

フィリピントヨタ労組指導者へ超法規的殺人による脅し

 現在軍隊の民政部隊が全国の高校や大学、集会場や公園などでパワーポイント『敵を知れ!』を使ってフィリピン政府が公認している政党や労働組合、NGO団体などや個人をテロリストであり、国家の敵であると名指しし、超法規的殺人で殺されて当前であるかのように煽り立てています。そして様々の紛争地域や貧しい人々が多くすむ地域に軍隊を送り込んで「お前たちも反抗するなら殺すぞ!」と威喝、監視を強めています。

同じことが今フィリピントヨタ労組に起きています。フィリピントヨタの非正規雇用労働者に専門学校の研修生がいますが、学校から学生が送り込まれるに当たって軍隊は『敵を知れ!』を使って反テロリスト宣伝を行い、その中でフィリピントヨタ労組は国家の敵だと公言しています。グローバル企業トヨタは明確にこの労働組合指導者に対する超法規的殺人の脅しの当事者です。

限りない底辺への競争を強制するグローバルな多国籍企業!

多国籍企業が国境を越えて賃金の安い発展途上国へ展開することで、世界中の企業間の激しい競争が行われています。この激しい競争の下で多国籍企業は私たち労働者に対しても世界中の労働者と競争することを強いています。そして、ほとんどの発展途上国では法律上は団結権、団体交渉権、ストライキ権が保障されていますが、実際は多国籍企業と政府の圧力などによって奪い取られ、労働者の闘いは暴力で抑えられ、労働条件は劣悪で、生活は破壊されています。今発展途上国では多国籍企業でも非正規労働者が50%を超えて増加しています。
このことが世界の労働者に「限りない底辺の競争」を強い、世界中で格差を拡大し、ワーキング・プアーを生み出しています。この状態を改めるためには発展途上国の労働者が闘う権利を獲得することが不可欠です。フィリピントヨタ労組の闘いはその突破口です。製造業世界N0.1企業トヨタに労働者の闘う権利を認めさせなければなりません。

トヨタとアロヨ政権に抗議を行おう!

↑ 6.20東京総行動で100名の労働者がトヨタ東京本社に抗議した

<2008/6/20 6.20東京総行動で配布チラシより>
フィリピントヨタ労組を支援する会 HP


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