『エコノミック・ヒットマン』は日本の問題 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(フェスタ投句先) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
稲垣です。
『エコノミック・ヒットマン―途上国を食い物にするアメリカ』、この本の僕なりの「読み方」を、関連する宣伝もかねて。 この本のことを聞いたのは2005年の夏でした。イギリスのグレンイーグルズで行われていたG8サミットの問題点を、債務問題から考えよう、という学習会で、債務問題に取り組んできた牧師さんから聞いたのが最初でした。 彼は、ジュビリー2000という、2000年までに途上国の債務を帳消しにしようという世界的なキャンペーンに参加した方でしたが、1999年にドイツ・ケルンサミットでG8諸国が約束した債務帳消しの内容が欺瞞的だったことなどとともに、債務といわれるものがどのような経過で作り上げられてきたのかを、『エコノミック・ヒットマン』の内容を紹介しながら、学習会参加者に説明してました。「G8の指導者にお願いする、というようなレベルではない。これは犯罪だ」という怒りを抑えた発言をいまでも思い出します。 その時は、まだ日本語版はなく、内容も分からなかったので「ふーん」という程度だったのですが、その後、いろいろと債務問題に接するようになって、いつも頭のどこかに『エコノミックヒットマン』が引っかかっていました。 いまだに「世界の大国が債務帳消しにリーダーシップを発揮する事を求める」とかいうような困った主張がNGO界隈でも大手を振っていますが、この本を読んでもまだそんなこというか・・・、と。 この本の読み方は単にアメリカ帝国主義の世界支配に憤る、というだけではないと思っています。この本の最初はエクアドルではじまり、エクアドルで終わっています。著者がエコノミックヒットマンとして「活躍」したのがエクアドルでした。 実は日本はエクアドルに対して三番目に大きな債権を持つ国です(スペイン、イタリアに次ぐ)。『エコノミックヒットマン』で明らかにされたのは、時の権力者に取り入り、どんどん金を貸し続け、債務の鎖でがんじがらめにする、それでもダメなときはジャッカルという暗殺部隊、そしてそれでもダメなら爆撃や侵略をするというアメリカ政府の支配方法でした。では日本が持つ債権は正当な融資だったのかというと、そんなわけがない。アメリカのエコノミックヒットマンほど露骨ではないかもしれませんが、権力者に取り入り、カネを貸し付へ、富を自国へ移転させるという方法は、全く同じです。 国家予算の40%を債務返済に充てながら、みずからは金と権力にすがりつく支配体制こそが、アメリカや日本の政府や多国籍企業に、富を保証してきました。 ところが、2007年1月、アメリカや日本、そしてIMFや世界銀行の債務支配に毅然と立ち向かうラファエル・コレアが大統領に選出されました。コレア政権は、米州自由貿易協定やマンタ米軍基地の使用延長を拒否し、IMFと世銀の代表を国外に追放しました。 そして債務監査委員会を設置して、不当に貸し付けられたり、当初の目的を果たさなかったり、貸し付けた国にだけ利益をもたらした債務がなかったかどうかを監査し、それらの債務を「不当な債務」として返済を拒否する立場を明確にしています。 先日、エクアドルから、同監査委員会の委員をつとめるセザール氏と同委員会の海外委員であるエリック・トゥーサン氏が来日し、エクアドルの「不当な債務」を日本側でも監査してほしいと訴えました。実は、『エコノミック・ヒットマン』は丁度、彼らが来日中に発売されました。偶然なんですけど。 来日招聘実行委員会のサイト http://attac.jp/Ecuador2007/ エクアドルの債務監査委員会は今年の7月に債務監査を終えて結果を発表するそうです。日本でもその結果をただたんに待つのではなく、7月はじめのG8に向けて、債務の実態や、日本政府の債務帳消しの取り組みのデタラメさを明らかにしていくキャンペーンを準備しています。 ということで、僕は、アメリカ許すまじ!というのでなく、日本の問題として『エコノミック・ヒットマン』を読みました。 (以下、宣伝です!) ・・・と、前置きが長くなりましたが、セザール氏とエリック氏が来日した際に、招聘実行委員会が作成した資料があります。おもにエクアドルの債務についての資料です。もし関心をもたれた方は下記アドレスを参考にして、購入してください。 ■エクアドルの不当な債務を帳消しに!資料集 http://attaction.seesaa.net/article/77300886.html それと、冒頭に述べた、牧師さんが所属する団体が、不当な債務に関する学習会を行います。1月26日のグローバルアクションのワークショップのひとつです。朝からのワークショップですが、『エコノミック・ヒットマン』を読まれた方には、続編としてお楽しみいただけると思います。パワーポイントなどを使って、分かりやすく債務問題を解説するそうです。 ■ワークショップ 貧しくさせられた国々の債務問題とその帳消しキャンペーン 主催 聖コロンバン会 日時 1月26日(土)9:00〜12:00 場所 荒川生涯学習センター第三会議室 交通 JR三河島駅徒歩5分 http://www1.tcn-catv.ne.jp/sgc/index.html あわせて1月26日に行われるWSFあらかわ1・26グローバルアクションにもご参加ください。 WSFあらかわ1・26グローバルアクション http://2008.jan26.jp/ Created by staff01. Last modified on 2008-01-19 11:26:57 Copyright: Default |