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3月19日、根津さんが「君が代」不起立を貫いた鶴川二中前では、支援者によるチラシ配布が行われた。遠巻きに警察の車が配置されるなど異様な雰囲気だった。この日は、TBSテレビ・朝日・毎日などの取材もあった。

写真上は、朝8時ごろ根津さんが出勤するところ。地域住民の人が「根津先生を異動させないで」とのプラカードを掲げていた。かれは、町田の「君が代不起立」上映会でこの問題を知り、いてもたってもいられずやってきたという。根津さんは、たった1年で嫌がらせの異動を受ける可能性がある。

不思議だったのは、通常数日前には行われるはずの「職務命令」がこの日までなかったこと。「職務命令」がなければ処分はできない。鶴川二中の校長は、なんと卒業式の1時間前に根津さんを呼び出し、「君が代」斉唱時に立つよう「職務命令」は発したのだ。これに対して、根津さんは説明をもとめたが、校長は一切拒否して「命令だ、命令だ、命令だ」と連呼したという。それを聞いて「背筋が寒くなった」と彼女は語っていた。「職務命令」はふつう全教職員に出されるのだが、鶴川二中では、根津さん一人に対してだけ出された、これも異常なことだった。

新任校・鶴川二中に勤めてからわずか7ヶ月。その間ウワサが流され、保護者や生徒からも「ルールを守らない先生」としてバッシングを受けてきた。しかし、卒業式のこの日、ある男子の卒業生が根津さんに近づき、握手を求めてきたという。「がんばって」と声をかける生徒もいた。半年の鶴川二中の生徒との交流のなかで、根津さんの思いは確実に、伝わっていた。

なお、根津さん、河原井さんは、30日にも予想される新たな停職処分を防ぐため、20日、東京地裁に「執行停止」を求める緊急請求を起こす予定だ。石原都知事がTVで「たいした処分はしていない。注意程度だ」と言っていたウソが暴かれていくことだろう。（M）