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北です。

 一部報道の通り、オリコンによる言論弾圧・高額訴訟に対し、烏賀陽(うが
や)弘道さんが反訴し、本格的反撃を開始しました。烏賀陽さんは電話取材に
答えたコメントしただけで、オリコンから5000万円払えという訴訟を起こ
されています。

 昨日、東京地裁・高裁ビル内の司法記者クラブで、烏賀陽さんと釜井英法弁
護士ら弁護団の記者会見が開かれ、反訴を発表しました。

 烏賀陽さんは、「私もみなさんと同じ記者です」と切り出し、「訴状が届い
てから生活が完全に破壊されました。他の仕事がまったくできません」と言論
弾圧によって受けた打撃を訴え、「法廷で真実を明らかにしていくことも
ジャーナリストの仕事だと思う。体を張ってでも言論弾圧を食い止めたい」と
語りました。フリップまで駆使した明快なメッセージでした。

 会見に同席した「サイゾー」の揖斐(いび)憲編集長は、「こういう訴訟が
まかり通るとまともな取材ができなくなる。多くの人たちに知ってもらうた
め、みなさんのお力を借りたい」と話しました。記者たちも熱心に聞いてくれ
たと思います。

 出版ネッツ組合員も含め多くのフリーランス、雑誌記者が駆けつけ、会見場
は事実上、烏賀陽さんを応援する場となりました。

 それに関連し、といっても締め切り上この会見のこと自体は含まれていませ
んが、きょう発売の『週刊金曜日』2月9日号に、「オリコンの言論弾圧に反
撃開始」という1ページの記事を書きました。オリコンによる提訴の不当性と
その社会的意味合いについて簡潔にまとめています。

★第1回口頭弁論

2月13日午後1時10分、東京地裁709号法廷(地下鉄「霞が関駅」A1出口す
ぐ)。

★報告集会

2月13日午後6時30分〜8時文京シビックセンター(地下鉄「春日駅」すぐ)。
お話=烏賀陽弘道さん、サイゾー・揖斐憲編集長、弁護団、北村肇さん(週刊
金曜日編集長)、支援者ほか
*問い合わせ 出版労連・出版産業対策部 電話03−3816−2911

 ところで、2月2日、『週刊東洋経済』が、偽装請負を繰り返してきたクリ
スタル(グッドウィルが買収)による言論弾圧訴訟に全面勝訴しました。東京
地裁ではまさかの一部敗訴でしたが、控訴審の東京高裁で、クリスタルが訴え
を取り下げました(「週刊金曜日」2月9日号、金曜アンテナ欄に記事)。

 同訴訟は、武富士の後をつぐように問題大企業が報道相手に乱発した高額訴
訟の典型でしたが、その最初のケースが調査報道側の全面勝利で解決したこと
は、他の訴訟にも影響を与えると思われます。


北健一(ジャーナリスト)

*最近書いた記事
「結論ありきの国策捜査」(エコノミスト臨時増刊「図説日本経済200
7」)

「多重債務に『相談すれば助かる』仕組みを」(世界週報 2月20日号)

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