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■   China Now!   
■ 第19号2005年10月4日
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Contents
キャノン中国工場でストライキ!
警察を導入して労働者2名が逮捕される
日本の労働者は連帯しよう!

■ 日系企業でストライキ!

中国東北地方の玄関であり、日系企業が多くあつまる港町、大
連の経済開発区の日系企業、大連キャノンでストライキが行わ
れた。低すぎる賃金などの改善を求めて労働者がストライキに
突入し要求を突き付けた。一旦は賃上げで妥結したにもかかわ
らず、地域全体の生産コストの上昇による資本の逃避を恐れた
大連市当局による介入と警察力による弾圧で、労使で合意した
中身が御和算となった。

■ 労働者2名が逮捕される!

そして労働者も2名が逮捕され、賃上げを求めないという誓約
書にサインをしなければ、今後永久的に大連では働けないよう
にする、という不当に次ぐ不当行為を大連市政府は押し付け、
大連キャノンもそれを受け入れたことから、同開発区の他の日
系企業にストライキが拡大した。

■ 大連市政府は労使交渉に介入するな!

中国経済はめざましく発展している。経済成長に労働争議や賃
上げはつきものだ。大連市政府は逮捕した労働者二名をすぐに
釈放し、民間労使交渉への不当な介入をやめるべきである。そ
のような行為こそが、不要な社会不安を作り出すことは今回の
事件で明らかである。

■ 日系企業の搾取偏重の労務管理体質が露呈した事件

またキャノンをはじめ日系企業は、大連市政府と警察の不要な
介入を毅然と拒否すべきである。まともに労使交渉さえも行え
ないような企業経営陣は、ビジネスマンとしても失格である。
政府や警察の力を借りなければ鎮めきれないほど労働者が怒っ
ているのであれば、それはそれまでの待遇があまりにひどかっ
たということの証拠である。日系企業は真摯に反省して、労働
者の要求に誠実に対応するべきである。またストライキの損失
保障の要求が事実であれば、なおのこと日系企業の管理能力が
疑われるものである。労働者の不満を解消することに失敗した
責任のつけは、なによりもまずキャノンをはじめとする、企業
側にある。争議を起こさないようにするのは現地政府(警察)
の役目ではない。もし仮に争議を起こさせないような契約を現
地政府と取り決めていたのであれば、それは劣悪な労働条件と
管理能力の無さを自ら認めるものに他ならない。そんな企業は
恥ずかしいから日本の外にはでないでもらいたい。

■ 万国の労働者、団結しよう!

大連市政府、警察は逮捕された労働者を釈放せよ!
大連市政府、警察は労使交渉に介入するな!
キャノンは政府、警察を導入による労働者を謝罪せよ!
キャノンは労働者の要求に真摯にこたえよ!
すべての日系企業は労働者の要求に真摯にこたえよ!
キャノン、日系企業は損害賠償請求を放棄せよ!

日本の労働者は大連キャノン労働者に連帯しよう!
万国の労働者、団結せよ!


China Now!編集委員会

(以下、web上のニュースをまとめたものです)
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■ 中国・大連の日系企業で争議多発

9月に入ってから、大連開発区の複数の日系企業でストライキ
が相次ぎ、賃上げ要求が行われてきた。なかでも大連キャノン
は6000名の労働者が9月9日からストライキに突入して、待
遇改善、賃金の引き上げなど12項目について迫った。交渉で企
業側は一旦は労働者側の要求を受け入れたが、大連政府が直後
に介入し、大連キャノンのストライキは非合法にあたるとして
、労働者の賃金引き上げ要求も拒否したことから、開発区の労
働者は反発し、ストライキは他の日系企業にまで拡大し、最大
時には十数社、3万人にまで達した。政府はその後、警察を動
員し、二名の「組織者」を逮捕した。また大連市が日本企業に
よる「経済的損失」の補償要求に同意したという情報がネット
上に流れた。日本の中国東北部侵略が本格的に拡大する1931年9
月18日のいわゆる「満州事変」の記念日にも近かったことから
、大連市長の罷免や政府当局への批判がネット上でも流れた。

■ キャノンのストライキが拡大し3万人が参加

9月9日朝8時、キャノンの全労働者がストライキに突入。午後
三時に労働者代表と日本側が200元の賃上げで妥結したが、3時20
分に大連の正副市長が現れ、「大連キャノンのストライキは非
合法である。賃金はこれまで通り」と宣言した。10日、会社側
は緊急会議を開き、中国政府の方針に従うことを決定した。そ
の日の夜、「人民警察」が会社敷地内に侵攻し、労働者達に強
制的に「同意書」にサインを迫る。「サインしなければ寝かせ
ない」と。労働者はサインを拒否し、その日は屋外で一夜を過
ごす。12日荘重に、警察が再度介入。サインを拒否するものは
解雇する、その後も大連では永久に仕事に就けないものと覚悟
するよう恫喝。12日の夜の時点で労働者は抵抗を続けている。
ストは近隣の日系企業にも飛び火し、三菱、東芝テレビ、TOTO
、イトキン、日本電産、日新工機、タオルの一広など十数
社の日系企業でストライキがうたれた。日本電産では9000
名の労働者がストライキに突入した。

開発区管理委員会は、ストの拡大を恐れ、警察を導入し、キャ
ノンの二名の労働者を逮捕し、「ストライキを」と口走るだけ
で扇動者とみなし、身柄を警察に引き渡す強行措置をとってい
る。そして「開発区の良好な投資環境を破壊することを禁止す
る」ことを定めた弾圧法を持ち出している。

その後の情報によると、キャノンでは103元の賃上げに同意し
たが(労働者は当初500元を要求)、会社側はストライキの
経済的損失(2,000万元/日)を大連政府に要求し、大連政府
もそれに応じたとされる。

■ 官製労組の対応は

すでに多数の労働者が工場を離れているが、キャノンは黒龍江
省から労働者を調達しはじめている。逮捕された2名の労働者
は「社会治安騒乱」の容疑で拘留されたままだ。キャノン労働
組合の羅軍勝委員長は、メディアの電話インタビューに対して
「キャノンは一切が正常に戻った」と語っている。ストライキ
の原因については複雑な要素が絡んでおり、労働者の賃上げ要
求は組合と調整して提起されたものではない、と語った。逮捕
された二名の労働者の現状については、はっきりとしたことは
分からず、語る立場にはない、と答えた。

同開発区のある幹部によると、今回ストライキが発生したのは
どれも大企業であり、開発区の賃金は低めに設定されており、
月500元程度しかなく、この水準はかなり以前から変わって
いない、とのことである。またこの幹部は、今回の争議に政府
が介入し、警察を導入したことも認めた。

■ 国際競争力の低下を恐れてストライキを弾圧

他の情報筋によると、今回の事件は、日系企業ということを重
視したのではなく、社会的安定を重視し、遼寧省政府が直接介
入したという。賃上げ自体は、日本企業にとってあまり大きな
問題ではないが、この事件を契機に、大連全体の賃金体系に影
響を及ぼし、大連地区全体の生産コストが上昇し、外資を引き
付ける競争力を失ってしまうことを最も恐れた。

今回の事件は、中国国内では一切報道されなかった。ストライ
キの情報は12日になってネット上で流されたのが最初である
。あるストライキ参加者は次のようにweb上で主張している。
「中国政府は自らの業績のためだけに、中国の庶民を売り渡し
ている!引当金や社会保険料を引き下げた分をわれわれの賃金
に上乗せしているだけだ。左のポケットから右のポケットにお
金を移し替えてわれわれを騙そうとしているやり方を、絶対に
許すことはできない。中国人なら(このメールを)どんどん転
送しよう。最後までストライキでたたかう」。この情報は多く
のネットユーザーに支持され、当局の売国行為を非難し、大連
市長の辞職を求める動きにまで発展した。



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四月の反日ストから約半年、日系企業の製造拠点が多数ある東
北部の港町、大連の開発区の日系企業で大規模なストライキが
起きました。労使で妥結したにもかかわらず、製造コストの上
昇をおそれた現地政府が警察を導入してまで賃上げを拒否、そ
れをそのまま受入れる日本側の労務管理は厳しく非難されなけ
ればなりません。労働者の要求は正当であり、警察権力の導入
や政府の介入を許す経営陣のやり方は不当です。今後も日系進
出企業の悪行を、わたしたち日本の労働者、市民社会は注目し
続けるでしょう。日中両国のマスメディアの大半がこの問題を
無視しています。

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