清掃労働者のストライキ終結--しかし闘いは続く | |||||||
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清掃労働者のストライキ終結--しかし闘いは続く11月30日、ISS香港とMTRとの契約が終了し、この20年にはじめて香港で 組織された10日に及ぶ清掃労働者200人のストライキも終わった。 しかし、労働者たちは組織化のキャンペーンを続ける予定で、30日の夜には セントラル地区でデモ行進を行ない、ISSの不当労働行為に抗議した。 最終的な申し出を拒絶ストライキ最終日の前日、ISS経営陣から、彼らとしては「妥当な」 申し出があった。 11月28日、ISSの海外担当役員Jan Vistisenが話し合いのために デンマークから飛んできた。 経営陣が提示した最終的な申し出は、50万香港ドル(64,100米ドル)だったが、 これは350人の労働者が要求する400万香港ドル(512,800米ドル)にはるかに 及ばない。 50万香港ドルは、労働者一人あたり2000香港ドル(256米ドル)にも満たず、 要求していた退職金の1/8にしかならないとし、労働者はこれを拒否した。 経営陣はストライキ中の賃金の支払いに関しては一切の可能性を無視した。 実際、労働者たちは10日のストライキにより得られなかった 平均1000香港ドルの賃金を考えると、経営陣が提示した退職金で労働者たち が実際に得られる金額は1000香港ドル(128米ドル)ということになる。 集会は一旦中止され、シスター・Wong Yim-fongが労働者の代理人として 話し合いに出席、その夜にストライキ中の労働者の全体集会に 会社側の提案を伝えた。 労働者たちはその申し出を憤然と拒否して、「われわれは乞食ではない! 正当に支払われるべき額を支払え!」と叫んだ。 労働者たちが選んだ決定は、会社側の提案の拒否だった。 翌朝の9時、話し合いが再開され、シスター・Wong Yim-fongは経営陣に 労働者による投票で提案が拒否されたことを伝えた。 経営陣は以後、いかなる話し合いも拒否し、 Vistisenはデンマークに帰ってしまった。 問題点香港でのISS清掃労働者によるストライキの背景には、 会社側の約束に対する不信と、 雇用を継続するよりも、解雇して退職金を支払うようにという明確な要求 がある。 香港での不況と失業の増大という状況下で、 雇用の継続ではなく解雇を要求することは、 それだけ会社側への怒りと不満が大きいことを意味する。 このような不信と怒りは、これまでのISS香港による雇用の実態と、 ストライキに先立つ労働者の配置転換の試みから出たものだ。 労働者によれば、ISSはいつも遠く、不便な場所に配置転換し、 退職せざるを得ない状況に追いやるという方法を取ってきた。 このようにして、会社は不要な労働力を解雇ではなく退社させ、 退職金の支払いを回避してきたのである。 ISS香港で15年間働いてきた労働者たちは、退職金を受け取った人を見たこ とがないと言う。 いつでも、彼らは不便な場所に配置転換させられ、退職を迫られた。 現在、配置転換によって退職に追い込まれた53の事例が記録されている。 これらすべてのケースは、2001年11月21日のストライキ発生以前のものだ。 2年以上継続して雇用されている労働者を退職に追い込もうとするISS香港 経営陣の試みが、今回のストライキを導いた。 MTRとの契約に従事していた517人の労働者に対する配置転換が発令されたとき、 2年以上継続雇用されている352人の労働者のうちだれひとりとして 現在の勤務地の近くに配置転換された者はいなかった。 全員が現在の勤務地から遠い場所に配置転換されたのである。 たとえば、九龍で働いていた労働者たちは香港島に配置される、などなど。 辞令を受け取った後、彼らは議論した結果、これは決して偶然ではなく、 経営陣は新しい勤務地として、通勤に不便で、勤務の継続が困難な場所を 選んだということを明確に理解した。 これが労働者たちが、香港ビル管理警備労働者一般組合(the Hong Kong Buildings Management & Security Workers General Union) に解雇と退職金の支払いのための闘争への支援を求めることになった理由である。 11月21日にストライキが始まった後になって、ISS香港側は二回目の 配置転換辞令を出した。 この辞令の中では現在の勤務地に近い場所への配置転換が指示されていたが、 このとき、もはや経営陣の長期的な意図に対する信頼は失われていた。 新しい辞令を拒否した労働者たちは、ストライキの後に個人的な懲戒により 勤務の継続が不可能になるという理由で、新しい辞令を拒否したのである。 このストライキの後、HKCTUと香港ビル管理警備労働者一般組合の支援で、 労働者たちはISS経営陣との話し合いを実現し、経営側に 勤務が困難な遠距離配置転換を「拒否する権利」の可能性を認めさせた。 会社側は、労働者側から提起された問題を、単に労働者の個人的な問題とし て「考慮する」とした。 これは、労働者側の新しい配置の拒否を会社が認めることの要求に ついての合意ではない。 そのため、これは拒否の権利ではなく、単にISS香港人材担当役員への 不満を提起する権利でしかないのである。 ISS香港が配置転換によって労働者を退職に追いやろうとしているという 証拠はこれだけではない。 会社は実際に配置転換先の場所に職を持っていないのである。 たとえば、40人の労働者が西九龍中央への配置転換辞令を受け取ったが、 現在のところ8人しかそこで採用されておらず、清掃業務の拡張の計画はない。 さらに20人の労働者がKCRモンコック駅に配置転換されたが、 そこでISSに採用されたのは4人でしかない。 経営側は、配置転換は労働者にとって長期的なメリットになると言うが、 会社は労働者を送った場所に職を持っていないのである。 これはつまり、会社は実際にそこに空席を持っていないが、労働者たちが 長距離通勤により退社に追い込まれることを知っているのである。 (われわれは、同様のケースに関するいくつもの記録を持っている。) ISS香港経営陣は、労働者たちが配置を受け入れないか、あるいは 長い間勤務することができないことを期待していることを示すものだと 労働者たちはいう。 結局、ほとんどが退職に追い込まれ、労働力は現在必要なレベルにまで削減される。 経営陣が最終的に話し合いに応じたとき、彼らは現在雇用されている 労働者のうち、 (退職金の支払い義務のない)勤務年数が2年以下の労働者は解雇される と言った。 労働者はこの計画に強く反対した。 会社は、長距離通勤に必要となる交通費は支払うと主張したが、 これまでの会社のやりかたと労働者の不信がここでも表面化した。 労働者たちによれば、これまでの交通費の支払いの約束は、 一ヶ月か二ヶ月で打ちきられ、以後支払われていないという。 そのため、どんな約束も一時的なものでしかないと思われているのである。 また、経営側は労働者が年次休暇を取ろうとすると、 恣意的に精勤手当て(月々の支払いに含まれる)を減額するシステムを 押し付けている。 労働者がふた月にわたって年次休暇を取ると、精勤手当てが二回分減額され るのである。 このようなやりかたが知れ渡っているので、 労働者は本当に交通費が支払われることを信じていないのだ。 配置転換の問題は、年齢と性別に直接関係する。 ほとんどの労働者が家庭に子供を持つ女性であり、長時間の通勤、 夜間勤務、残業による影響は非常に大きい。 会社は、特に夜間勤務で食事を家の外で撮らなければならない場合、 通勤時間が一時間から二時間長くなることによって、家庭の事情が 退職を強いることになることをよく理解しているのだ。 <中略> 闘争は続くストライキは終わったが、HKCTUと香港ビル管理警備労働者一般組合は 労働者のために裁判所に提訴する用意を行なっている。 また、HKCTU書記長のリー・チュクヤンに指導されている労働者の代表は デンマークに飛んで、 コペンハーゲンのISS本社の外で抗議行動を行なうことになっている。 HKCTUと香港ビル管理警備労働者一般組合は、ストライキで経済的困難に 陥った労働者を支援するための資金集めを開始した。 カンパの送り先は、以下にお願いします:: 銀行名: Hong Kong and Shanghai Banking Corporation (HSBC) 詳しくは、以下にお問い合わせください:: Elizabeth Tang 日本語訳文責:安田 原文は Gerard Greenfield 訳者注: なお、ISSは日本では三井物産と提携し、 物産ISSホールディング株式会社 (東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目27番7号) を通じてビルメンテナンス事業を行っている。 Created byStaff. Created on 2001-12-04 02:24:55 / Last modified on 2005-09-05 02:58:35 Copyright: Default |