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サムスン電子サービス ストライキ3週目、交渉難航、不当労働行為は激化

労組脱退を推奨、業務復帰の懐柔と脅迫...使用者側、問題解決の意志ないか

ユン・ジヨン記者 2014.06.02 23:31

サムスン電子サービス支会の全面ストは3週目になるが、 使用者側の不当労働行為が猛威を振るっている。

その上、労使が交渉を続けている状況でも使用者側は組合員に業務復帰と労組脱退を懐柔、脅迫する事例も続いており、 使用者側に問題解決の意志があるのかに憂慮の声が上がっている。 現在、労使は1週間以上交渉を続けているが、意見の差を狭められず交渉は難航している。

サムスン電子サービス使用者側、労組脱退を推奨して業務復帰の懐柔・脅迫

サムスン電子サービス盆唐センターのAチーム長は、 労使実務交渉の真っ最中だった先週、ストライキをしている組合員に 「6月2日までの出勤を望み、出勤しないCSPは私と働きたくないものと理解する」とし 「会社があってこそ皆さんも救われるのではないか」というカカオトークのメッセージを送った。

サムスン電子サービス支会のパク・ソンジュ副支会長は 「会社側がストライキ中の組合員にメッセージや電話で復帰を勧めて脅迫している。 盆唐センターの他にも組合員に業務復帰を勧める使用者側の連絡が続いている」とし 「これは不当労働行為に該当する」と説明した。

サムスン電子サービス慶南地域の某センターの社長B氏も 労使が水面下で接触して交渉再開の議論の真っ最中だった先週日曜、 組合員に労組脱退を推奨した。 労組が入手した録音記録によれば、 B氏は「このご時世にずいぶんぜいたくな行動だ」とし 「君も(業務に)合流できるなら合流しろ。 先輩や誰かが何か言うかもしれないが、労組加入も脱退も君の自由だ」と労組脱退を勧めた。

続いて「重要なことは、先輩が携帯メッセージや電話をして、非人間的なことをしたのは明確に採証しなければならない」とし 「君たちの先輩は金を稼がなくてもワイフがしっかり稼ぐから関係ないが、 君は違う。深く考える必要がある」と強調した。

また社長のB氏は労組がストライキを続ければ、 元請のサムスン電子サービスから廃業などの措置があるという警告をこっそり表わした。 彼は「00センターもストライキをしているが、内勤人員が20人はいる。 だがわれわれは新入3人を含み5人しかいない。 新入は車がなくて動けず、3人ぐらいしか仕事が出来なくなっている」とし 「これでは元請もよく思わず、そのままにはしておかない」と明らかにした。

3月、海雲台センターと牙山センター、利川センターが廃業した時に、 労組はサムスン電子サービス元請の指示による偽装廃業だと主張した。 廃業された3つのセンターは、労組活動が一番活発だった圏域にあったため、 労組弾圧の見せしめだったという論議がおきた。

ヨム・ホソク烈士が所属していた梁山センターでも、 センターチーム長が組合員に直接労組脱退を勧めた情況が把握された。 印刷された労組脱退書の右下段には梁山センターチーム長の名前が記されている。 梁山分会の組合員C氏は 「チーム長が直接脱退書を作り、組合員に配ったと理解している。 脱退書の下段には印刷されたチーム長の名前がある」と説明した。

続いて「当初、組合員2人がチーム長の推奨で脱退書を書いたが、 その後、雰囲気と強要で脱退書を作成したとし、脱退書撤回を要求した」とし 「だがチーム長は脱退書は撤回できないとし、 出勤しなければ無断欠勤として退社処理する方針を明らかにしたと理解している」と明らかにした。

[出処:サムスン電子サービス支会梁山分会]

春川センターのDチーム長も、ストライキをして出勤しなければ1日にマイナス20点の減点という方針を内勤人員にメッセージで伝えたという。 その後、使用者側は直ちに携帯メッセージで減点の方針を撤回したと知らされ、 労組は会社側が不当労働行為を心配して立場を変えたものと見ている。 春川分会は今回の事件について事実関係を調査する立場だ。

ストライキ3週目、使用者側不当労働行為...問題解決の意志あるか

また使用者側は労組のストライキによる業務空白を埋めるために、 不法な代替人員を投入しているという議論にも苦しんでいる。 サムスン電子サービス馬山分会は、5月31日、 サムスン電子サービス本社の職員が馬山センターで携帯電話を直接修理している動画を撮影した。

パク・ソンジュ副支会長は「ストライキ中なのでセンターには組合員たちがおらず、 使用者側が具体的にどのようにして不法代替人員を投入したのかは完全に調査できない状態」とし 「だが多くのセンターで公然と不法代替人員が投入されているようだ」と説明した。

労組法によれば、使用者は争議行為期間に中断した業務を遂行するために、 当該事業と無関係の者を採用または代替することはできないと明示されている。 また労組法には、使用者側が労組脱退を雇用の条件としたり、 労組の組織または運営に支配または介入する行為を不当労働行為としている。

また労働者が正当な団体行為に参加したことを理由に労働者を解雇したり、不利益をあたえる場合も、不当労働行為になる。 労組側は、使用者側の不当労働行為事例を集めて告訴する立場だ。

こうした使用者側の不当労働行為はシーズンに入り、さらに深刻になっている。 6月から9月までは家電製品のシーズンで、使用者側が大きな収益をあげられる時期だ。 だがストライキが続くと会社としては収益を直撃される。 1件単位の手数料で賃金を取る労働者としても、シーズンに瞬間的に稼ぐ賃金を放棄しなければならない。

現在はほとんどストライキから離脱した隊伍がなく、使用者側としても焦るほかはない。 2日の午後5時にも全国のサムスン電子サービス労働者が瑞草洞サムスン電子本館前に集結し、全面スト3週間目をむかえてストライキ出征式を開いた。 支会の関係者は「業務に復帰した組合員は殆どいないという。 相変らず1千人ほどの組合員がストライキ隊伍を維持している状況」と説明した。

28日から6日間の労使実務交渉...立場の違い変わらず、交渉決裂か

問題は、先週から始まった労使交渉の局面でも、 使用者側の不当労働行為が続いていることだ。 これで使用者側はヨム・ホソク烈士対策とストライキ事態の解決の意志があるのかどうかにも疑いの声が高まっている。 実際に労使は実務交渉を再開しても立場の違いを狭められず、難航を続けている。

金属労組ヨム・ホソク烈士対策委員会のパク・チョンミ報道担当者は 「使用者側は、労組が要求している主要争点をよく知っているのに、 組合員が納得できるような立場を出さないのは残念」とし 「使用者側が前向きな態度を見せず、労組としてはこれ以上交渉する意味を見いだせない状況だ。 事実上、交渉決裂状態と考えて良い」と説明した。

先立って労使はストライキ5日間の5月23日、水面下で接触して25日に交渉を再開することに決めたが、 会社はサムスン電子本館前に設置されたヨム・ホソク烈士焼香所などを問題にして交渉が紛糾した。

その後、使用者側はストライキ10日目の28日、労組側に無条件の交渉を再開するという立場を示し、 この日から実務交渉が再開された。 だがこの6日間、労使はヨム・ホソク烈士対策問題をはじめ、 賃金、労組活動保障などの賃金団体協議の議論でも立場の違いを狭められなかった。 現在のところ、労使交渉が難航しており中断の危機にあるが、 労組は後で使用者側が前向きな提案を提示すれば交渉を再開するという立場だ。

こうした状況で、警察公権力の圧迫も続いている。 警察は5月18日、ソウル医療院で発生した警察のヨム・ホソク烈士遺体奪取事件の時、 これを阻止しようとしたサムスン電子サービス支会のラ・ドゥシク主席副支会長を連行した。 警察はラ首席に対して、葬儀などの妨害罪と特殊公務執行妨害罪などを適用し、 拘束令状を申請して、裁判所は21日に拘束令状を発行した。

20日には瑞草洞のサムスン電子本館進入を試みたウィ・ヨンイル支会長とキム・ソニョン分会長などを連行した。 警察は彼らに対し、集示法違反と一般交通妨害罪などを適用して拘束令状を申請、 彼らも22日夜に拘束された。 全面ストから3日で労組指導部3人が拘束されたわけだ。 その上、警察は5月30日にも瑞草洞サムスン電子本館前でヨム・ホソク烈士の遺影写真を持ってデモ行進をしたパク某組合員を特殊公務執行妨害罪で逮捕し、 拘束令状を申請している。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-03 05:14:25 / Last modified on 2014-06-03 05:14:25 Copyright: Default

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