本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:鉄道民営化についての政府の韓米FTA議論…「無知かウソか」
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1388075687315St...
Status: published
View


鉄道民営化についての政府の韓米FTA議論…「無知かウソか」

鉄道事業者への長官免許権,ISD提訴権…「政府そのたびに言葉を変える」

チョン・ウニ記者 2013.12.26 22:33

政府が鉄道民営化と韓米FTAとの関連性を極力否定していることについて、嘘、あるいは無知という批判が出ている。

12月26日、国土交通部は鉄道事業者に対する長官の免許権がFTAに抵触しかねない という最近主張について釈明資料を出し、「FTA上、2005年6月以前にコレイルが 運営していた路線を除く路線は開放されており、国土部の免許による統制だけが できると明示されている」と述べ、「したがって国土部の免許による統制は、 FTAに抵触せず、鉄道事業法に明文で条件を賦課できるようになっている」と 表明した。国土部はまた「鉄道事業法を改正し、免許制自体を無力化すると、 韓米FTAなどの留保に反しかねない」という立場だ。

このように政府は長官が許可すれば、韓米FTAでの問題にはならないが、法令で 民営化方案を阻止すると韓米FTAに抵触しかねないという立場だ。しかし政府と 鉄道労組や専門家の見解は大きく違う。

キム・ヨンフン前民主労総委員長は政府の立場に対して「韓米FTAに対して無知 だという結論しか出せない」とし「韓米FTAは2005年より後の鉄道産業での競争 構造を可能にしており、長官が免許権者を選定する時に従うべき経済的需要審査は 内外国人を区分していない」とし、「内国民を基準として免許権者を区分すれば、 直ちに問題になるだろう」と指摘する。

[出処:国土交通部ページ]

WTO、韓米FTAおよび付属書と国内関係法を基準に鉄道民営化問題ついて調べると、 韓米FTAを土台にした外国資本の侵食の可能性はさらに明確になる。

最近、鉄道労組が議会に提供した内部文書によれば、鉄道労組は「鉄道部門は 他の公共部門と違い、内国民待遇条項を留保しなかったので、水西発KTX運営者 の鉄道公社以外を選定する場合、韓国政府による韓国鉄道公社、あるいは今後 設立されるかも知れない韓国系の鉄道会社に対し、米国系の鉄道会社に対して いかなる差別待遇も認められなくなる」と提起する。

他の面でも韓米FTAによる外国資本の参加の可能性がうかがえる。

韓神大国際関係学部のイ・ヘヨン教授は12月26日にプレシアンで、WTOサービス 貿易に関する一般協定(GATS)と韓米FTAに収録された市場アクセスについての 二つの条項を比較し、「外国資本参加の制限」の事項が韓米FTAでは削除され、 「米国資本の投資を防ぐ方法は、協定文にはないと見るのが妥当だ」として、 水西発KTXに対する外国資本参加の可能性を提起した。

イ教授は特に、経済的需要審査のうち「サービス供給者の数」を問題として、 「供給者数」の制限事項により「サービス供給者数を単数に制限するのは事実上 不可能」だと指摘する。韓米FTAは、市場アクセス制限を緩和するためサービス 供給者数という条件を設定したが、政府が供給者数を国家に限ればこれに抵触 しかねないという。つまり水西発KTX路線に(株)水西発KTXのほか、他の民間資本の 法人設立が可能だということだ。

イ・ヘヨン教授はまた、水西発KTXはコレイルが41%、国民年金など公的資金が 59%の株式を投資することになるが、国民年金基金は市場収益率以上の収益を あげなければならないと規定されていて、そうでなければ売却しなければならないが、 この時に民間資本の参加が不可避なら、米国資本の投資を拒否すれば明らかに 内国民待遇違反になると付け加える。

政府の韓米FTA利用、「『聞いて置く』式」

韓米FTAとの関連性について、政府が言葉を翻しているのも問題だ。

政府は当初、水西発KTX子会社設立は民営化方案ではないばかりか、韓米FTAと 無関係だという主張を何度もしてきたが、野党圏の「民営化防止法」には 韓米FTAを問題として制約を加えているのだ。

鉄道労組のソン・ホジュン政策チーム長は、「鉄道労組は当初は韓米FTAためにも 水西発KTXを分離すれば、鉄道路線全体を開放するような効果があると言っていたが、 政府は報道資料や討論会などで、韓米FTAの逆進防止条項とは全く無関係だと 言い続けていた」とし、「しかし、野党の民営化防止法案については、韓米FTAに 抵触するという立場に180度急変した」と指摘する。

事実、6月27日に国土交通部は「水西発KTX出資会社の設立は違法ではない」 という題名の政策ブリーフィングを出し、「韓米FTAが規定する鉄道運送産業関連の 留保内容は、鉄道運送サービス免許を付与するにあたり、国土部長官が経済的 需要審査などの規制権限を行使できるという点を指摘した」とし「民間に運営権を 認めるかどうかは、全的に国土部の政策決定事項であり、韓米FTA上のラチェット (逆進防止)条項が適用される余地はないとはっきり言っている」と表明した。

しかし今になってセヌリ党と政府は「国家による鉄道独占そのものが逆進禁止に 違反する」とし「韓米FTAでは2005年6月30日の鉄道事業法改正案以後に新設された 鉄道路線は、すでに米国企業の参加ができるようになっている」と提起する。 政府は韓米FTAとの関連性を否定していたが、今ではむしろ韓米FTAを積極的に 持ち出しているのだ。

鉄道労組のイ・マノ チーム長はこれに対して「国土部も長官も、争点になれば 優柔不断に対応している」とし「国民を『聞き置く』している」と批判した。

このような状況で結局、鉄道公社が水西発KTXを運営するのが最も公共的であり、 合理的な代案だという指摘は説得力が高まっている。

李チーム長は「政府が推進している子会社は鉄道の経営状態をさらに悪化させ、 国民に提供すべき公共サービスの赤字を加速させる」とし「結論として鉄道公社 が水西発KTXを直接運営するのが、民営化の議論も静め、FTAにも反しない一番 バランスがいい方式」だと指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-27 01:34:47 / Last modified on 2013-12-27 01:34:47 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について