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ドンヒオート合意書、新しい闘争を予告

「現場組織が団結する橋頭堡を作った」

ユン・ジヨン記者 2010.11.03 16:52

ドンヒオート社内下請支会による良才洞現代起亜車の前での座り込みが一段落 した。彼らは11月3日午前、使用者側と民主労総で調印式を開き2回目の交渉の 結果である合意書に署名した。

今回の合意でドンヒオート支会は現代起亜資本の使用者性を直間接的に証明し、 今後の組合活動の法的、大衆的名分を確認した。だが直接雇用を盛り込めなかっ た合意書は、今後の現場組合活動での新しい戦いを予告するものだ。

交渉の結果によって支会の組合員9人全員が2012年までに順次復職することになっ た。これと共に支会と使用者側は、△一時金をそれぞれ1千万ウォン支給、△復 職対象者の雇用保障に努力、△告訴告発などの取り下げ、△金属労組の組合活動 を認定、△元請社のドンヒオート(株)は合意事項を積極に支援することに暫定 合意した。

調印式には金属労組のク・ジァオ首席副委員長とドンヒオート社内下請支会イ・ ベギュン支会長をはじめとする組合員、そして使用者側代表としてソンジャン 企業のチョ・スング社長とテミョン企業のファン・ピルギュ社長、(株)ホソン のキム・ガプシク社長が参加した。ドンヒオート(株)はムン・ジョンソン管理 担当室長の委任でチョ・スング社長が合意書に署名した。

この席でイ・ベギュン支会長は、「本当の使用主である現代起亜資本の使用者 性の認定と、非正規職の正規職化が最終的な目標だが、その前段階として現場 組織が団結する橋頭堡を作った」と意味を明らかにした。

続いてク・ジァオ首席副委員長は「合意書は嘘をつかないが、いつも人が嘘を つく」とし「使用者側は不純な意図で合意書の内容と意味について任意的、恣 意的な解釈をしてはいけない、合意書に従って信義誠実の原則を守る覚悟が必 要だ」と強調した。これに対し、チョ・スング社長は「合意内容を誠実に遂行 する」と立場を明らかにした。

良才洞闘争で鄭夢九が本当の社長だと証明した

調印式の後、イ・ベギュン支会長は「良才洞現代起亜車本社前で座り込みをし ていたら、下請け業者からの交渉要請がきた」とし「結局、本当の使用者は、 現代起亜車資本だということを証明した形だ」と話した。

ドンヒオート社内下請支会が100日以上、現代起亜車本社前で座り込みを続けて 要求したのは、鄭夢九との直接交渉だった。座り込み期間のあいだ、現代起亜 車は一回も立場を発表しなかったが、座込み場での現代起亜車と支会との戦い は激しかった。

現代起亜車は使用者性を否定したが、彼らは用役職員を動員して座り込みを妨 害した。組合員と使用者側職員、そして用役職員は本社前の座込み場をはじめ、 1人デモ、横断幕などをめぐっていつも体当たりをした。

結局、今回の交渉で下請け業者は使用者側の要求として座込み場の撤収を要求 した。イ・ベギュン支会長は「交渉の時、使用者側は元請使用者性闘争を中断 すること、座込み場の撤収を要求した」と明らかにした。結局、現代起亜車は 目障りなドンヒオート座り込みを下請け業者で解決した形だ。

また、今回の組合員全員復職は、現場の労働者に闘争の踏み台を用意する契機 になった。イ・ベギュン支会長は「5年間、解雇された110余人の労働者のうち、 たった1人も復職した事例はなかったので、労働者たちは戻れないという不安感 が強かった」とし「だが今回の復職で現場の労働者に対して、団結すれば希望 があると示唆する点を与えた」と説明した。

ドンヒオート闘争、第2ラウンドに突入...『前途は遠い』

G20首脳会議を控え、闘争事業場が続々と交渉を実現さている。11月1日のキリュ ン分会の調印式を始め、ドンヒオートがその後に続き、KECも本交渉に突入した。 連続する交渉の妥結は、G20首脳会議に合わせ政府があらかじめ闘争事業場の対 政府闘争転換計画を遮断しようとする動きという世論が支配的だ。

イ・ベギュン支会長も「G20局面を迎え、政府が闘争懸案に直間接的に介入して いると理解しており、感じている」と述べた。また長期座り込みが続いて現代 起亜車も負担を感じたという分析も提起した。イ・ベギュン支会長は「ドンヒ オートだけでなく、社会的な波及力を持つ市民社会と政党による世論化が使用 者側には最大の圧力になった」と見た。

[出処:資料写真]

だがドンヒオートは、組合員の雇用保障は実現させたが、直接雇用は勝ち取れ ていない。そのため今後の闘争は、直接雇用と現代起亜車の元請使用者性認定 を中心に行われる予定だ。

イ・ベギュン支会長は、今後の闘争計画で解雇者中心の闘争と、現場組織から の闘争をあげた。彼は「現場で労働者を組織し、起亜自動車の正規職化による 雇用保障を達成する」と述べた。4日の座込み場を撤収後に、現場闘争に力を入 れるという意味だ。2005年から使用者側の弾圧に苦しんできた組合活動も今回 の合意書を通じ保証された。

だが彼らの組合活動への使用者側の介入と弾圧の余地は多い。合意書には、 『ドンヒオート(株)社内協力業者は関連労働法に基づき、金属労組の正当な労 働組合活動を認める』と明記されている。組合活動の範囲が曖昧なことは、こ れまでの狭い範囲の非正規職労組活動をさらに締め付けかねない。

現在、ドンヒオート労働者たちは17の下請け業者に分かれている。支会は彼ら をまとめて直接雇用闘争をする予定だが、現在の表面的な勤労契約関係により、 彼らの交渉相手は各下請け業者でしかない。イ・チョンウ組合員は「おそらく 使用者側は、食堂や出入口などの公共場所での労組活動に元請の施設管理権を 提示して妨害するだろう」とし「該当業者の中でのみ組合活動が認められる以 上、今後の闘争は自由な労組活動をめぐる争いになりそうだ」と展望した。

労働者の組織化も原点から始めなければならない。2005年の支会結成後、100人 ほどの労働者が業者廃業と再契約拒否で解雇された。2008年、瞬間的に勢いに 乗った支会活動も、後半には2人の組合員しか残らないということもあった。4 回の廃業と10回余りの懲戒と解雇で、多くの労働者が入れ替わった。現在は9人 の組合員が支会活動を続けている。

イ・チョンウ組合員は「時間が経ち、知っている人は会社をやめた人も多い」 とし「現場に復職すれば、2/3は知らない労働者だろう」と説明した。使用者側 の労組活動阻止が本格化すれば、現場労働者の組織化も困難を味わいそうだ。

組合員が拡大しても、業者廃業と再契約拒否などの措置で組合員の雇用は、や はり不安定なものと見られる。間接雇用闘争がさらに切実になるだけに、短期 契約職の現場労働者の雇用も不安になるからだ。すでに2005年から使用者側は 組合活動を阻止するために業者廃業と再契約解止などで労働者を解雇してきた。

イ・チョンウ組合員は「労働者の雇用保障がない状況で組合員が拡大すれば、 使用者側は業者廃業や解約などの刃を突きつけてくる」と説明した。直接雇用 の保証がないままで合意書に署名しただけに、彼らはこれから間接雇用による 問題が組合活動にとって赤信号になりかねない。

一方、支会は座込み場撤収後の現場での多様な闘争計画を議論している。イ・ ベギュン支会長は「現場労働者組織を通じ、賃金団体協議推進をはじめ、不法 派遣と入金未払いなどに対して支会が先頭に立って闘争する」とし「また地域 的な連帯を通じ、瑞山ドンヒオート労働者の正規職転換のための継続的な運動 を企画していきたい」と述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-03 18:55:28 / Last modified on 2010-11-03 19:00:55 Copyright: Default


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