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KEC労組、タイムオフも譲歩...「使用者側は労組抹殺が目標」

会社側、一度も交渉要求案を公開せず

キム・ヨンウク記者 2010.10.25 16:59

「会社側には賃金団体交渉要求案がありません。労組が何かを譲歩すればまた 他のことを持ち出します。結局、交渉ではなく労組をなくそうということです」。

KEC労組員の工場占拠事態を解決する交渉カードは現在、会社側にはないことが わかった。これまで多くの報道には、今回の事態の核心がタイムオフ制にある かのように伝えられたが、タイムオフ問題はすでに労組がほとんど会社側に譲 歩していた。もはや争点でもないということだ。

▲25日午前KEC労働者家族がソウルにきて民主労総でKEC事態解決を要求する記者会見に参加、涙で公権力投入計画の中断を訴えた。

労組がタイムオフ問題に譲歩すると、今度は構造調整だから整理解雇だなどの 噂が飛んだ。しかし会社の具体的な要求は相変らず漠然としている。社側は一 度もまともな交渉に出てこず、要求らしい要求を出す痕跡もないという。結局、 労組は会社側の恐ろしい職場閉鎖の後、無対応の基調を緻密な労組抹殺計画だ と規定した。そしてそれにふさわしい最後の手段として、工場を占拠して社会 的な交渉の雰囲気を造成するカードを切った。

すでに労働組合は、タイムオフの法的限度を受入れる意志を明らかにしたうえ、 さらに人事・経営権でも6月7日に会社提示案を受入れる意志も明らかにした。 すると会社側は9月1日には「タイムオフは問題ではない。分社と希望退職、構 造調整がしたい」と言った。10月の初めには現執行部を認めないとも言った。 しかし、どれも流れてくる話でしかなく、公式な要求は全くない。

2週間前まで、労組は合法的な枠から抜け出さなかった。警察はKEC労組支会長 を二回も連行して令状実質審査をしたがすべて棄却された。労組が合法闘争し かしなかったからだ。しかし結局、組合員たちは不法占拠を選んだ。選んだと いうよりは、押されて工場に入った。

今回の占拠座り込みは、2週前に工場巡回闘争で労組側と社側用役の衝突が起き、 初めて不法問題にまきこまれ、警察の労組執行部への大々的な攻撃が予想され たためだ。当初、座り込みは50人程度を考えて食糧を準備したが、その3倍を越 える組合員が、怒って一度に突発的に入ったという。工場占拠座り込み者200人 ほどのうち115人は女性だ。

まだ会社の要求はわからない

労使の公式な交渉はこれまで一度もなく、幹事会議を何度かしただけで、社側 は何の内容も出さなかった。座り込みに入っても一切対話の意思を示していない。

金属労組のキム・ボンユン副委員長は「われわれはまだ会社の要求を知らない。 労組とは交渉できないというのか、何が目標なのかも分からない」とし「すで に労組はこの事態を解決するために、かなりの要求も聞く準備ができている。 だが会社の要求そのものがない。うわさのように、要求が整理解雇なら、その 内容で交渉をすることもできるが、要求の内容が全くない」と明らかにした。

金副委員長は「KEC労組は10年前に4日間ストライキをしたことが全て。闘争は したこともない組合員だが、労組を無力化するということだ」とし「ある女性 組合員から、おじさん誰?と聞かれたことがある。それで金属労組副委員長と言 うと、金属労組は何をするのかと尋ねるほど、組合員は労組をよく知らないかっ た」と付け加えた。

キム・ボンユン副委員長は「慶州のバレオマンドやサンシン・ブレーキの状況 のように、KECも同じような労組抹殺計画があると思う」とし「今回の事態は、 法を守れば暮せないことをはっきり見せた。結局圧倒的な力で法を凌駕する闘 争をしろということだ。われわれは不法に追い出された」と非難した。

こうした状況で10月25日午前、KEC労働者家族対策委がソウルに来て、民主労総 でKEC-キリュン事態の解決を要求する記者会見を行った。家族対策委のチョン・ ヒジョン氏は「うちの家族はそれでもKECに通うといえば、サムスンやLGほどで はなくても誇らしく思った。そんな家族を破綻させる公権力の投入は頼むから しないで互い対話と交渉で事態を解決するように願う」と訴えた。チェ・スン 氏は「KECで20年間献身的に働いた夫を殺さないでほしい。夫は20年間頑張って 働いた罪しかない。これまで頑張って働き、会社をここまで育てたのに、なぜ こんなことができるのか理解できない」と涙を流した。

この日、家族対策委は要請文で「KEC労働者はそもそもなぜ会社が交渉をしない のか、何を望み、これほどまでするのかわからない。タイムオフのためと言い、 構造調整をしたいと言い、執行部を絶対認められないと言うが、そもそも何が 事態解決を遮っているのか私たちもはがゆい。事態解決の唯一の障害はたった 一つだ。労働組合だけは破壊させないということを一足遅く知った会社の意地 だ」と嘆いた。

また「もし政府が極端な選択をすれば、夫と妻が踏みにじられる前に、まず私 たちが死を覚悟して対抗する。そして血も涙もないKECにけりをつける」とし 「KECのクァク・チョンソ会長はすぐ事態解決に出ろ」と公権力投入計画の中断 を要求した。

民主労総はこの日の記者会見で「政府はKEC、キリュン、高麗大病院などの懸案 を解決せず、G20の『成功』ははるかに遠いことを直視しろ」とし「KEC、キリュ ン問題が平和に解決しなければ、10月27日、亀尾で緊急中央執行委員会を開催 し組織の命運をかけて暴力政権に抵抗する重要な決断を下す」と警告した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-26 17:38:21 / Last modified on 2010-10-26 17:38:58 Copyright: Default

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