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「ネスレ売却交渉はOECDガイドライン違反」

[インタビュー]パク・サンデ韓国ネスレ労組委員長

メディア忠清 www.cmedia.or.kr / 2009年03月12日14時07分

忠北、清州産業団地内にある食品企業ネスレ(Nestle)の売却交渉がOECD多国籍 ガイドラインに違反したという主張が提起された。

▲2009年闘争を宣布するネスレ組合員と忠北労働団体

韓国ネスレ労働組合は、3月11日、大田地方労働庁清州支庁前で記者会見をして 「情報公開のないプルムウォンとの一方的な売却交渉推進はOECD多国籍ガイド ラインの情報公開義務と労組との団体交渉などに違反している」とし「2003年 に続き、また韓国は労働後進国という汚名をかぶる」と指摘した。

労組は現在、売却交渉に労組の参加の保障を要求している。また、12日までに 労組の要求が受け入れられなければ、13日には『全組合員決意大会』と全面的 な闘争に突入する予定だ。

民主労総忠北本部も「韓国ネスレ労組をはじめとする構造調整予想事業場を中 心に3月中旬に大規模総力闘争を始める予定」だ。イ・ジョンフン本部長は「初 めての闘争の砲火がネスレに集中しないことを望む」とし「ネスレが労組の要 求を握りつぶせば、2003年闘争よりきびしい試練を味わうだろう」と警告した。

一方、プルムウォングループ持株会社のプルムウォンホールディングスはネス レ本社が100%の株式を保有する韓国ネスレ経営権の株式買収交渉を進めている という。

闘争を準備している韓国ネスレ労働組合のパク・サンデ委員長と会った。

▲韓国ネスレ労組パク・サンデ委員長

売却されるという知らせはいつ聞いたか

3月3日にマスコミの報道で知った。マスコミで時々刻々ネスレがプルムウォン に売却されると言い、持分を何%買収する、議論はどう進んでいると言って、具 体的に報道し始めた。マスコミは2か月ほど前から交渉が始まり、今はプルムウォ ンホールディングスの持分買収について議論していると報道した。

だが労働組合はそのような売却関連の内容について知りもせず、使用者側では ないマスコミを通じて売却交渉が終わるということを知ることになって当惑し た。いや、情報公開もしない使用者側に背信を感じたというのが正しい表現だ。

売却事実を知って労組はどう対応したか

何度かソウルに行って、現在、売却がどう進んでいるのか公開しろと要求した が、使用者側は簡単に握りつぶしてしまった。むしろ知らないといった。その うちに9日の夜に売却関連の立場を労組に送ってきた。私たちがすでに知ってい るマスコミの内容以上でも以下でもなかった。

また団体交渉も提案した。だが使用者側は『交渉対象ではない』と受け入れな かった。売却交渉は284人の労働者だけでなく、その家族の生計にも関わる重要 な問題だ。当然、進行の過程を公開して、売却による影響について議論しなけ ればならない。生存権ほど重要な問題はない。

労組の要求は何か

まず労組には一言半句もなく、マスコミを通じて売却の事実を知らせた使用者 側の公式謝罪だ。その次は経済協力開発機構(OECD)多国籍ガイドラインに違反 して進められる売却交渉の全貌を労組に公開し、交渉に出てくることだろう。

最後に、売却交渉として労組の参加を保証しろということだ。生存権がかかっ た問題なので、韓国ネスレ、労組、プルムウォン、この3者交渉をしなければな らない。われわれはこのような要求を使用者側に伝えた。

経済協力開発機構(OECD)多国籍ガイドラインに違反したとのいうことについて説明してくれ

OECD多国籍ガイドラインは1976年に制定された。多国籍企業の活動によって起 きる否定的な影響を最小化し、企業の社会的責任を強化することが目的だ。2 か国以上で営業活動をする会社は、規模と無関係にすべて適用される。

現在、韓国ネスレがプルムウォンと売却交渉をしているのは2つの条項に違反 しているからだ。

第一に情報公開義務違反だ。第3章4条6項を見ると、従業員とその他の利害当事 者に関する重大懸案について情報を公開することになっている。使用者側は売 却という重大懸案を労組に公開しなかったので違反だ。

二番目には労組と協力しないことだ。第4章の雇用および労使関係で、6条を見 ると従業員の生計に大きな影響を及ぼす営業上の変化についての適切な通知を 従業員の代表に提供し、協力して、最大限に悪影響を緩和することになってい る。しかし使用者側は労組の団体交渉の要求を握りつぶした。

▲2003年7月化学繊維連盟連帯闘争決意記者会見[出処:民主労総忠北本部]

韓国ネスレは前にもOECD多国籍ガイドラインに違反したことがあったというが

ほんの数年前だ。2003年、使用者側が労組と協議もなく営業部構造調整と部分 職種の外注化を推進するなど、妥協案を破った。だから労組は使用者側が構造 調整案を撤回して労組と誠実に交渉することを要求し、7月に全面ストをした。

労組がストライキした後、使用者側は職場閉鎖して9月には『ストライキが続き、 競争力が下がれば工場を撤収するというのが本社の方針』という言葉で言論プ レイを続けた。工場撤収の脅迫はガイドラインに違反する。

ガイドラインでは『雇用条件に対して従業員の代表と善意の交渉をするにあた り、または従業員が団結権を行使することにあたり、企業は交渉に不当に影響 を与えたり団結権の行使を妨害する目的で事業場の全部または一部を該当国家 から撤収すると威嚇してはいけない』とされている。

今回の売却に関してどう闘争するのか

韓国ネスレがまたガイドラインに違反したことに関連し、国際食品連盟が提訴 を準備している。私たちも12日まで期間をおき、使用者側の誠実交渉を要求す る。しかし12日までに使用者側の態度に変化がなければ、13日から全組合員決 意大会と上京闘争を始める。われわれは準備ができている。使用者側は2003年 の悪夢よりきびしい悪夢を味わいたくなければ、一日もはやく私たちの要求を 受け入れなければならない。これが最後の警告だ。(チョン・ユンミ記者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-03-17 15:48:41 / Last modified on 2009-03-17 15:48:42 Copyright: Default

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